●無鄰菴
元老と植治のコラボレーションにて近代日本庭園の代表的作品。
母屋と茶室の老朽化が近年特に顕著でしたので喜ばしいことでしょう。
但し改悪(特に庭園)は避けてほしいものです。
無鄰菴を再整備へ
京都市、老朽化で
京都市は、母屋や茶室の老朽化が進む無鄰菴(左京区南禅寺草川町)の整備を始める。庭園が国の「名勝」に指定され、年間4万人が訪れる観光スポットにもなっているが、造営から100年以上を経過し、建物の雨漏りも出始めている。今夏に母屋や茶室の屋根などを応急修理し、本年度中に庭園を含め再整備計画をまとめる。
無鄰菴(敷地約3200平方メートル)は、1894年から96年にかけて造営された元老山県有朋の別荘で、大半を占める池泉廻遊式の庭園は、明治を代表する造園家小川治兵衛が手掛けた。戦前の1941年に京都市に寄付され、51年には庭園が「名勝」に指定された。
庭園内には、木造2階建ての母屋のほか、茶室やレンガ造り2階建ての洋館もあるが、建築から100年以上経過するなか老朽化が著しい。市は母屋や茶室を一般に貸し出しているが、雨漏りも年々ひどくなり、改修が必要となった。本年度予算に、整備計画費として1200万円を計上した。雨漏りを抑えるため母屋と茶室の屋根修理を早急に行うほか、各施設の老朽度調査を進める。庭園には枯れてしまう樹木もあり、中長期的な再整備計画をつくり、次年度以降から順次整備していく。
市文化芸術企画課は「庭園、施設は文化財的な価値も高く、句会などにも活用されている。早急に改修を進めていきたい」としている。
(文.写真ともに京都新聞5/6朝刊より)