●家の近所
昭和三年よりの催しと、京都の祭りとしては新しい方ですが、大堰川は大宮人の舟遊地として由緒ある地。嵯峨天皇以来歴代多数の御幸がありました。
古には行幸の度にこういった管弦の宴が開かれたことでしょう。
ただ、「観月の名所」とした元来の性格上、宵宮なんぞを行って頂ければ尚興趣もあるのではないか、と。
平安時代の優雅な船遊びを再現する車折神社(京都市右京区)の三船祭が20日、嵐山・渡月橋上流の大堰川で催され、船上で舞や小唄などの多彩な芸能が奉納された。山々の新緑が映える川岸には、例年並みの約5万人(右京署調べ)の観光客が詰めかけた。
大堰川の船遊びは898(昌泰元)年の宇多上皇の御幸に始まり、昭和初期から同神社の祭礼の神事として営まれている。
神職らが乗った御座船や、竜頭船、献茶を奉納する船など計23隻が大堰川右岸から静かにこぎ出した。上流へ進んだ御座船前では、京都舞楽会による舞や稚児による行列が次々と奉納され、振り袖姿の女性たちが扇子を川に流した。観光客らはボートに乗ったり川岸から王朝風情を楽しんでいた。
(文.写真ともに京都新聞5/21朝刊より)