●書架彼是 2
この書籍の案内をする前に、とある雑誌のお話から始めねばなりません。
「ミーツ リージョナル」。関西圏在住の皆様なら御存知、京都.大阪.神戸を中心としたタウン情報誌です。
記憶が確かなら、私の学生時分に創刊したと覚えています。
類の雑誌と言えば「ぴあ」「Lマガ」くらいしかなかった当時としては、情報案内誌の嚆矢とも言えるものでした。
しかもその内容が、現在の情報誌(「○○ウォーカー」「○○の隠れ家」「○○レストラン」等々)とは一線を画すものだったのです。
昨今、巷に跋扈している「皆様どうぞお越し下さいませ」的な無差別集客コンテンツとは異なり、
「アナタに此処はまだ荷が重い」
「アナタならこのお店は丁度良いかも」
「遠いトコからわざわざ来んでもいいですよ」
といったお店さん側からの取捨選択の匂いが行間から漂ってきたものです。
恐らくライターさん自体が紹介しているお店をこよなく愛しておられたが故なのでしょう。
また、ウィットとユーモアにインテリジェンス、内輪ネタにイヤミイケズ…。その内容は「読ませる」ことにも比重を置き、文章、タイトルコピー共に秀逸でした。
その「ミーツ」において長年編集長をされていた方の著作になります。
「街的」というフレーズは同誌において頻繁に使われていた「決め文句」の一つでした。
良い「お客さん」になる為には…
良い「お店」になる為には…
難しいようで簡単であり、はたまた難しいもの。
「スノップ」と呼ばれている方々に是非一読して戴きたいものです。
(勿論私も自省中…)
« ●夜の野遊び | Main | ●梅雨入り翌日… »