●木屋町 「いまむかし」
何だか木屋町の治安悪化も回復困難な所まで往き着いた様子です。
風俗店規制木屋町に防犯カメラ
来秋にも運用「安心を最優先」
京都市中京区の木屋町通周辺の飲食店などでつくる「木屋町共栄会」が、通り一帯に防犯カメラを設置することを22日までに決めた。治安の悪いイメージを取り除いて集客につなげる狙いで、来年秋の運用開始に向けて準備を進めている。居酒屋などの飲食店が多く集まる通りでの防犯カメラの設置は市内で初めてという。
木屋町共栄会によると、カメラは南北は三条-四条通間、東西が河原町-先斗町通間の範囲で15台程度を設置する計画という。来年6月に市や京都府に補助を申請し、夏ごろの着工を目指す。
防犯カメラについては「飲食店の客が減る」「プライバシーの侵害につながる」と反対する意見も地域にあった。しかし治安への不安感も強く、地元自治会が市に設置を要望していることもあって「住民や訪れる人の安心・安全のために必要だ」(塩山大介会長)と判断した。…(以下略)
(文.京都新聞6/23 朝刊より)
昔話を一つ。
私の学生時代(80年代後半~90年代前半)、合コン、歓送迎、打ち上げ…その他飲み会と言えば木屋町でした。この界隈が未だ活気に溢れていた頃です。
ごにんばやし、いろは、ひいらぎ、凱旋門、たぬき、のーだんまんるい、マハラジャ三条、全盛期のイマージアムや六角の各飲み屋ビル…。
祇園町や先斗町に比べ気楽に低予算で遊べる飲み屋街として、週末ともなると学生やサラリーマンで混っ多返し。また街の治安も其也に秩序を保っていた気がします。
しかし「川ノ流レハ絶エズシテ、シカモ元ノ水ニ有ラズ…」
「此ノ頃木屋町ニ流行ルモノ。キャバ.ヘルス.韓国エステ。ポン引キ.立チンボ.チンピラ。」昨今の木屋町は最早ピンク街の様相を呈しており、如何わしいお兄さんお姉さんが跋扈しています。
往時の洛中風俗店と言えば四条木屋町下、四条川端上、縄手四条辺りにちょこちょことある程度でした。それが今や木屋町には「お風呂屋さん」以外の風俗業種が全て勢揃いしているのではないでしょうか。
きっかけは14年前に遡ります。
事の発端は1993年、立誠小学校廃校にあることは疑いの無い所です。
風営法の規制外地域になったことにより、この界隈に風俗業出店の縛りが無くなってしまいました。また運の悪いことにバブル不況も重なって→既存飲食店が撤退→跡地に風俗店が参入。とピンク化傾向に拍車がかかるのは当然の成り行きです。
こうなると夜の飲食繁華街としての中心的機能も、洛中中京区エリア(寺町以西烏丸以東、丸太町以南四条以北)にシフトしていきます。更に空き物件には風俗店が…。
商店街の方々の御尽力を嘲うが如く、悪循環の連鎖反応は止まりません。
以上お決まり、京都市の無能無策振りが如何無く発揮された好例です。
(市政のすっとこどっこい振りはこの他枚挙に暇がありません…)
但し「木屋町歌舞伎町化」の根本的要因は、もう一つ有るような気がします。
「街.地域」を彩る無形財産「良い雰囲気.情緒」というものは、地域に携わる人々のモラルに依るところが大きく、そしてその倫理道徳の根幹は「地域に根付いている人々=住民」によって育まれています。
小学校廃校当時、立誠学区(木屋町周辺)の住民は約360戸900人弱。これは中京学区でも極めて少ない数字でした。現在の木屋町の状況は、都市部空洞化が遠因であったとも考えられます。
「住んでいる人」が居ない商店街繁華街の風紀というのは、早かれ遅かれ悪化していくことが避けられないのかも知れません。
例えば話を東京に置き換えて。
こういった事例は残念ながら赤坂に当てはまったりもするのです。
また、麻布十番や神楽坂が危惧されたほど無秩序化していないのは「昔から住んでいる人=街を護る倫理感」が多いから、と思えたりするのです。
なんか高い所処からの物言いみたくなってしまいました。失礼。
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