●怪我の功名…?
えー、実は薄々気付いていた事なのですが…。
事の契機は今夏の鎖骨骨折事故。
手術後二ヶ月が経過した現在、日常生活に支障無き迄に回復しています。
しかしその期間、振りモノ(所謂シェイカーオペレーション)に関しては骨折仕様の変則技法を余儀無くされ、先週頃より漸く以前の手筋に戻した次第。
二ヶ月もの間、極力骨折部に負担を掛けずにオペレーションを行い続けていると「変なクセ」が身体に染み付くものでして、結果空いた時間でシャカシャカと職業的復帰訓練(=リハビリ)をする羽目になる訳です。
で、リハビリも略完了。
完全復帰の念押しも兼ねて「一応何かスタンダードモノを二つ三つ試作してみようか」と。
「紐育の一区」「早めのチャンドラー」「赤毛のロビンフッド」等々、幾つか試作してみるも、どーもオカシイと云うかヘンと云うか…。
尤も手筋にもブレは無く、出来上がりもそう悪くはありません。
正確に云うと「オカシくてヘン」なのは舌なのです。
そう「味覚が変わっている」のです。
正確は「味の好みが変わってきている」と云うべきなのでしょう。
(勿論全部が全部そうな訳では無いのですが…)
基本的にコクテールは、自分の嗜好する味の「最大公倍数」が目指すべき頂。
それを目指して精進を重ねていくものだと思っています。
それが此処二年程精進を怠り、ろくすっぽに己が制作物をフルに試飲しなかったツケが廻ってきた、と云う事でしょう。
果してこれを「怪我の功名」と云うべきや否や…。
兎も角、上記事由にて只今「コクテール」調合、全て「総洗い浚い」中です。