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2008.02.19

●「浅草」のこと

先週土曜日付、読売新聞の一記事。
東京五花街の一つ、浅草芸妓衆の昨今事情です。

伝統芸事の花街マイスター、閨秀佳人もOLさんの携わる時代となってしまいました。
まぁ、是計りは甲斐性無しの我々「おとーさんおにーさん」の責任でもありますので致し方無いのでしょうが…。
それと昨今の勝ち組なる方々は「領収書」の切れない遊び方をされませんので尚更の事です。

嗚呼、御時世御時世。

2008021600000035yomsocithum000_2浅草「振袖さん」は正社員…会社組織化で引っ張りだこ

東京・浅草の仲見世通り。幼い顔に白塗りの化粧。あでやかな着物の女の子たちがそそと歩く。舞妓(まいこ)さん? いやいや、彼女たちの名は「振袖(ふりそで)さん」。お座敷で踊りや歌を披露する。もう一つ舞妓さんと違うのは、彼女たちが「会社員」ということ。
笑いの殿堂・浅草演芸ホールそばのスーパー銭湯。広い宴会場では、おじさんたち30人ほどが足を投げ出して、くつろいでいる。デレッとしているのは、湯上がりビールのせいだけではない。チン、トン、シャン……。視線の先、ステージの上では、振袖さんが3人。三味線のみやびな調べに合わせ、ちょうちょのように舞っている。
六つの長い袖が、ひらひらとそよぐ。日本髪のかんざしが揺れる。おしろいの甘い香りも漂い、お客さんの鼻の下は伸びっぱなしだ。一番前に陣取った初老の男性は上機嫌。「そりゃあ、うれしいに決まってるよ。きれいな子が踊って、お酌までしてくれるんだもん」
この銭湯では毎週木、金曜の夜、振袖さんを招いている。その時ばかりは、湯船の外でもポーとするお客さんが続出する。

彼女たちが所属するのは、「浅草観光振袖学院」(台東区花川戸)。学校のような名前だが、東武鉄道や浅草花やしき、ホテルなどが出資する株式会社だ。
学院長は俳優の石坂浩二さん。役員には浅草の商家のおかみさんたちが名を連ねている。「京に舞妓はん、浅草は振袖さん」をキャッチフレーズに1994年、「浅草おかみさん会」のメンバーで会社を興したのだという。
現在13人いる振袖さんは全員が正社員。月給25万円。年2回のボーナスもある。着物代、踊りのけいこ代は会社負担。名前を覚えてもらうために配るのは、芸者さんのような和紙の千社札(せんじゃふだ)ではなく、名刺だ。
もともと浅草には昔ながらの芸者さんがいるが、収入は出来高のため不安定。その上、高価な着物も自費で用意しなければならない。それでは若い人が集まらないだろうと、会社組織になった。料金は浅草内なら1人につき2時間2万5200円。地元の宴会では引っ張りだこのようだ。

獅子丸(ししまる)さん(21)は会社の事務職を辞め、この世界に。「お座敷に入る前と後で、お客さんの表情が明るく変わるのを見ると、すごく楽しい。やりたいことをやれるのは幸せです」と充実している様子。
同い年のみみさんは、舞妓さんにあこがれ、京都に行こうとしたが、両親が反対。それでもと高校卒業前、振袖さんの求人を見つけて入社した。「おけいこは厳しいけど、『踊りが上手になったね』とお客さんに褒めてもらえるとうれしい」と瞳をくるくるさせる。
振り袖が似合うのは20歳代半ばまで。多くの振袖さんはその年齢に達したころ桜が散るように引退する。「幸せな家庭を築きたいの」。みみさんは先々のことも、しっかり考えている。
街を歩いていると、「わぁ、きれい」と人々が振り返る。「普通の人に比べ、一生のうちにきれいと言われる回数がけた違いに多いでしょうね」。そう話すのは世話係の河合里紗さん。女性は美しくありたいと願うもの。彼女たちを動かすのは、そんな素朴なエネルギーなのかも。

ところで河合さんによると、振袖さんたちにも毎年、社員旅行がある。北海道や関西に出かけ、夜の宴会は大いに盛り上がるとか。「どんな風になるかって? それは秘密です」(池谷美帆)
(文.写真共読売新聞2/16より)

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