●歳時記 春雨
今週に入りトーキョーでは一日置きの暮雨模様。
今日金曜も夕刻頃より「ぽつりぽつり」と降り始めた塩梅にて。
尤も雨脚は「濡れて行って」も差し支えない程度、「しとしと」と静かに降る様からはもう春の気配すら感じられます。
「一雨毎の暖かさ」とも云うものでして、春分前の風物みたいなものでしょう。
そんな「春雨」の時候、不図端唄の謡い文句を思い出しました。
「春雨」
春雨に しっぽり濡るる鶯の
羽風に匂う 梅が香や
花に戯れ 悄らしや
小鳥でさえも 一筋に
塒さだめぬ 気は一つ
私しゃ鶯 主は梅
やがて 身まま気ままになるならば
サア 鶯宿梅じゃないかいな
サアサ なんでもよいわいな
長崎遊郭の情事を謡ったものにて、矢張り花街で口遊むとしっくりとくるものです。
それは此処赤坂でも亦然りと。