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2008.04.11

●書架彼是 17

当たり前ですが、心象風景画は写真よりも嘘つきです。

果たして人の心はフィルムよりもナイーヴでセンチメンタルなのです。

従って良質の抒情画は余計に懐旧や郷愁の念を想起させるのです。

況してや題材が近しく佇んでいる誼深い風景であれば尚更です。

柔らかく奥行きのある東山連峰の稜線「曙」
艶やかな紅殻が花街に映える「一力」
鬱蒼と生い茂る幽玄な青蓮院の楠「年経る樹」
「夏に入る」「宵山」「月影」「年暮る」…。

それは市井民ならば日々見慣れている「普通」の情景。

だから尚更、琴線に触れるのでしょう。

関連過去ログはコチラ。↓
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2008/04/post_6cda.html


020406_004

・「京洛四季」
 新潮社 (1969)

 東山魁夷 画

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