●書架彼是 19
今回は地元本の御案内にて。
現在愛宕、野々宮両社の例祭である「嵯峨祭」。
同書は表題通り、その起源から今日に至るまでの祭祀構造の変遷を綴った一冊です。
『すべてさが野は、いにしへより上皇の仙居、雲客の別荘かずかずありて、名所.旧跡数ふるに際限なし。されども名あって伝記詳らかならざるはしるさず。』
(都名所図会 拾遺巻之三 後玄武.右壱白虎より)
秦氏入植爾来「山背国」の時世よりの有史を持ち、平安遷都後も嵯峨離宮造営を嚆矢とし大規模な寺社町を形成、洛外都市として屈指の隆盛を誇ってきた嵯峩。
しかし同地のみに焦点を絞り、時系列に歴史を追って記述した文献は非常に少ないもの、「嵯峩史研究」にとっても有り難い文献です。
古川修著