●「西院の河原」で
昨日と今日は化野念仏寺で「千灯供養」が営まれております。
此処「あだし野」は平安期以来の葬送地、千二百年来の無縁仏も数知れず眠っている事でしょう。
この奥嵯峨「晩夏歳時記」を終えると、空には「秋茜」、音には「轡虫」「蟋蟀」…。
嵯峨野にも初秋の気配が色濃くなって参ります。
石仏に合掌、ゆく夏惜しむ
化野念仏寺で「千灯供養」
京都の夏の終わりを告げる風物詩「千灯供養」が23日夜、京都市右京区嵯峨鳥居本化野町の念仏寺であった。八千に及ぶ石仏や石塔の前で故人をしのぶため、参拝者が次々とろうそくで献灯した。雨の後のひんやりした風にそよぐ炎の列が、コケが生えた無縁仏をはかなく浮かび上がらせた。
午後6時前、石仏が並ぶ「西院(さい)の河原」で法要が始まった。読経が響く中、参拝者が腰をかがめ、じっと手を合わせた。東京から夫と訪れた主婦大岡世志美さん(48)は「古びた石仏に歴史の重みを感じた」と話した。 小倉山のふもとの化野は古くから葬送の地として知られ、明治期から無縁仏を集めて供養するようになった。千灯供養は24日もある。有料。
(文.写真共 京都新聞8/24より)