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2008.10.04

●「アール・デコの館」後記(其の壱)

えー、画像整理に手間隙が掛かり、少し遅れましたが…。
一昨日、東京都庭園美術館「アール・デコの館」展覧会のリポートに成増。
取敢えず三部作.其の壱にて。

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【旧朝香宮邸.外観二景】
右は西面(正面通路側)、左は南面(芝生広場側)より望む。
直線を機軸に構成された形状と、上品な空気を醸しだす黄白色の壁面。
デコラティフ宜しく規律的に配された長方形の窓にはエッジの効いた黒枠縁。
硬柔相反する要素を見事に調和させた外観だけ見ても、朝香宮さまと往時の内匠寮の見識を窺い知る事が出来ます。

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【ルネ.ラリック作品三態】
【写真上】玄関正面のレリーフ扉「PALAIS ASAKA」(1932年)。
その名通り朝香宮邸オリジナル、宮邸のランドマークと云える物です。
【写真左下】「BUCAREST/ブカレスト」(1928年)。
大客室のシャンデリア。主要53のパーツで構成されています。二基有り。
【写真右下】「ANANAS ET GRENADES/パイナップルとざくろ」(1928年)。
大食堂のシャンデリア。動植物をモチーフとしたフロス技法はラリックの真骨頂。

尚、詳細はルネラリック「カタログレゾネ(赤本)」903.649.667Pに掲載されています。

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次室のオブジェ。
アンリ.ラパン作「噴水塔」。
玄関レリーフの「PALAIS ASAKA」と共に朝香宮邸のフラッグシップと云えるアールデコ装飾物です。

漆喰のドーム天井、橙色の人造石壁、黒漆の柱とのコントラストも見事にて。

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【レリーフ三態】
代表的なものを挙げてみました。
【写真上】大広間大理石装飾「戯れる子供たち」。レオン.ブランショ作
【写真上】大客室扉.装飾パネル。マックス.アングラン作
【写真上】大食堂.草花紋銀飾壁。レオンブランショ作

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大広間から階段を上り二階ホールに向かう。
階段手摺にはブロンズ装飾と白硝子壁。階上を見上げれば大型円盤のシャンデリアに唐草モチーフのジャポニズム照明柱。
至る所処、観るべきモノが多すぎて「油断も隙も」あったもんぢゃありません。

と云う訳で、続きは亦後程。

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