●「アール・デコの館」後記(其の弐)
一昨日、東京都庭園美術館「アール・デコの館」展覧会のリポート続篇。
「三部作.其の弐」に成増。
邸宅一階が「客室」「次室」「食堂」等、公的な間が配されているのに対し、二階は「寝室」「居間」「書斎」と云った居住の間です。
【写真左】は浴室。
壁面は大理石、床面はタイルを使用。
ベランダ側にバスタブを配し、大窓より陽光を取り入れる調光も見事。
清澄にて品貴らかな気配は「御不浄」と云うに失礼な程。
今回は戸口から垣間見るのみでしたが「書斎」「姫宮居間.寝室」も何時か公開して頂ければ嬉しいものです。
【階段手摺装飾】
【写真左】大広間から二階ホールへの階段
大理石とブロンズを題材としながら、ジャポニズム的要素も色濃く感じる装飾。
【写真左】二階からウインターガーデンに続く階段
木材と白漆喰を使用、洗練されたモダンなデザイン。
【写真左】一階通路奥側の階段
茶室数奇屋建築の「築地窓」を想起させる円形デザイン。
【市松模様二景】
【写真左】二階ベランダ【写真右】三階ウインターガーデン
共に南向きに位置し、陽光を取り込んでいます。
自然調光が大理石の白黒コントラストを一層引き立てます。
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朝香宮邸ではラパン、ラリック等、仏人芸術家のオブジェ計りに目が行き勝ちですが、権藤要吉を筆頭とした当時の内匠寮の意匠も見逃す事が出来ません。
アールデコに和様デザインを折衷した装飾は宮邸の細部にまで行き届いています。
と云う訳で今回は「照明器具」「ラジエーターカバー」に焦点を当ててみました。
此等だけを観ていても結構な時間の掛かるもの、飽きる事が有りません。
【室内シャンデリア色々】
取敢えず今日は此処迄、続きは亦後日。