●「ミヤコ」初詣事情
えー、アケマシテオメデトウゴザイマス三日目。
三ヶ日も本日迄にて、皆様に於かれましては「初詣」もお済ませの事でしょう。
所処で八百万の神々が数多御鎮座されておはせまする此処京都。
今日はそんなミヤコの「初詣事情」なぞ。
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「キョートの人が良く行く初詣先は何所ですか?」
年末から弊亭でも時折聞かれる設問なのですが、結論から先に。
「結構節操無く色々な神社に詣でます」
ミヤコでは洛中洛外問わず、未だ「氏神氏子」の関係が区々町々にしっかりと根付いており、それが「例祭」を始めとした地域コミュニティーの根幹として生きています。
従い「氏神様への初詣」も習慣として多く残っています。
例えば寺町周辺今出川以北であれば上御霊さん、同丸太町以南であれば下御霊さん。聖護院あたりでは熊野さん、紫野は今宮さんと云った感じでしょうか。
次いでミヤコには「各種様々」な御利益をお持ちの神様がおられます。
「お水の神様」「お酒の神様」に始まり「縁切り」「安産神」「料理神」「御菓子神」「蹴球神」、果ては「安楽死」「嫁姑不仲止め」「歯痛止め」「夜泣き止め」…。
即ち受験生が北野天神さんで合格祈願する様、其々の事情に応じた神様に詣でる事も多いものなのです。
更には新春のイベント事や宴会事の延長として「同僚と」「友人と」「カレシカノジョと」、八坂さんや伏見さん等の大社へ繰り出す機会も是亦多かったり致します。
寧ろこの場合は、初詣後の「飲んだり食べたり遊んだり」する方がメインでしょうが。
と云う訳で、結局市井民の初詣は複数の社へ参拝する事が多いのです。
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因みに此処数年に於ける京都神社の初詣参拝者数は下記の通り。
若干のランキング誤差はあると思いますので御了承の程を。
①伏見稲荷大社 約260~270万人 (過去初詣回数 4~5回)
「商売繁盛」の御利益にて著名な全国屈指の参拝数を有する大社。
京阪沿線の立地も味方し、大阪方面からの参詣も多し。
因みにミヤコでは五条以南の氏神様にて。
②八坂神社 約100~120万人 (過去初詣回数 ほぼ毎年)
洛中の迎春風情を色濃く醸す「厄除け」「疫病消除」の神様。
河原町、祇園界隈に近い事もあり、其の儘「飲み」に繰り出す方々も多し。
但し年越し前後の時間帯は要注意、混雑振りは数字以上のものにて。
③北野天満宮 約50~60万人 (過去初詣回数 8~10回)
「学業成就」の御利益、御祭神は云わずと知れた菅公。
受験シーズン真っ只中と云う事もあり、最後の「神頼み」に訪れる中高校生多し。
今年は丑年なもので、例年より人出は多いかも知れません。
④平安神宮 約30~40万人 (過去初詣回数 無し)
えー、実は初詣で伺った事が御座いません。
と云うか、市井民(特に洛中民)が此方に詣でる話も殆ど聞かないものです。
最近の創祀の上、「よそさん向け」観光色の強い神社だからかも知れません。
⑤地主神社 約25~30万人 (過去初詣回数 無し)
意外な神社がランクイン、矢張り「縁結び」の神様は強いものです。
清水寺の境内社にて「除夜の鐘」と抱き合わせで参られる方も多いのでしょう。
脱力系のホームページは一見の価値有り?…。
⑥下鴨神社 約20~30万人 (過去初詣回数 ほぼ毎年)
⑦松尾大社 約20~30万人 (過去初詣回数 毎年)
⑧上賀茂神社 約10~15万人 (過去初詣回数 4~5回)
⑨石清水八幡宮 約10~15万人 (過去初詣回数 無し)
⑩平野神社 約5~10万人 (過去初詣回数 1回)
「景気回復」願い
京都の社寺 初詣で
厳しい冷え込みにもかかららず、京都の社寺は元日から2日にかけて、大勢の人たちが訪れ、家族の健康や幸福を願い、静かに手を合わせていた。
京都地方気象台によると、冬型の気圧配置となった2日、京都市内の最高気温は7・1(平年9・7)度で、時雨混じりの寒い1日となった。
商売繁盛の御利益で信仰を集める伏見区の伏見稲荷大社では、参道から本殿まで人の波が続き、景気回復を切実に祈る声が聞こえた。城陽市の建築業江口孝義さん(59)は「早く病気を治して仕事が再開できるよう、今年初めて(邪気をはらう)守矢を買いました」と話していた。
京都市内の主な神社が発表した元日と2日の参拝者数は、伏見稲荷大社の207万人(前年201万人)を最高に、八坂神社81万人(同83万人)、平安神宮29万人(同33万人)などとなっている。
(文.写真共 京都新聞1/3より)