●ゲレンデの「或る」風景
春盆中日も終わり三月も数える所処あと僅か、巷では桜蕾も綻び始め「春本番」を迎えようとしています。
然乍らそんな時節にも関わらず、私めはと云うと例に由ってのスキー三昧。
三連休は今季最後の白馬遠征、八方尾根.五竜とおみ&47。
By the way…。
学生時代の私め、冬場は毎年山籠もりしており殆ど地元に居りませんでした。
何せ大学の卒業式にですら当日早朝に下山帰京、遅刻した経歴を持っております。
そんな私の「冬の職場」だった八方尾根も二十年近く経つと色々と様変わりするもの。
リフト券がIDチップになったり、
イントラのウェアが紫から赤になったり、
みそら野、エコーランドの繁華街がゴーストタウン化したり、
スノボが解禁になったり、オリンピックの整備でコースが多少変わったり、
リーゼンの斜度が多少緩くなったり、
「チャンピオンスカイリフト」が破棄されたり、
「レストランうすば」が閉店したり、
…等々。
しかし幾世星刻を経ても変わらないものも有りまして。
それはゲレンデの「或る」一風景。
例えば其れは午後の黒菱…。
三時を過ぎるとコブ斜面は鈍い青光りを伴った不気味な氷山群と化し、宛ら「修錬場」の様相を呈して来ます。
鉛墨色の曇天が重苦しい雰囲気を倍加させ、更には濃霧が視界を遮る。
そんなピステンでは「何時もの」情景が…。
「ギ.ギギギ...ギギ…」
黒菱ペアリフトの怪鈍な稼動音
「♪♪♪~ ○△×♪♪…」
「カフェテリア黒菱」から聞こえる間の抜けたBGM音漏れ
「ザガガガガ… ドスン」
エッジズレで内倒、コブの谷間に転倒する音
「パァァーァン ガシャャ…ザァン」
ビンディングが外れ、人と板の転がり落ちる音
「ガゴン キャアァ」
転倒者に衝突され、更に転落していくおねーさんの悲鳴
「………。」
コース1/4程で後悔と途方に暮れて佇む中級者の沈黙
「ジャッ、ザザッ、ガッ、ザッ」
その横を高速で滑り降りていく無慈悲なインストラクター
…。正に悲喜交々、「午後黒菱」ならではの様々な「音」が交錯しています。
と云う訳で、「過ぎ去りし往く」スキーシーズンの回顧録でした。
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