●歳時記.「嵯峨野早春」
昨日嵯峨野の地で、春を迎える風物詩「お松明」が行われました。
此処釈迦堂さんは、平安以来の由緒を持ちながらも所謂観光色の薄いロコ寺刹。
寧ろ地元民にとって近しい存在で、中京の六角さん.左京の黒谷さん.上京の千本さんに該当する所処とでも申しましょうか。
雪月花兼ね揃えた景勝地にて四季遍く折々の祭催事が営まれる嵯峨嵐山ですが、この「お松明」は地元色の強いビッグイベント。
角云う私めにとっても、幼少の頃から「お楽しみ祭事」の一つでした。
尤ももう久しくお邪魔していませんが…。
春呼ぶ火 天を染める
右京・清凉寺でお松明式
京都三大火祭りの一つで春の到来を告げるお松明(たいまつ)式が15日夜、京都市右京区の清凉寺(嵯峨釈迦(しゃか)堂)で営まれた。参拝客は、激しく燃え上がる大松明や天高く舞い上がる火の粉の迫力に見とれた。
釈迦が入滅した日に遺徳をしのぶ「涅槃会(ねはんえ)」にちなむ伝統行事で、釈迦を荼毘(だび)にふす様子を表したといわれる。松明の燃え方で稲作の豊凶を占うとも伝えられており、境内の本堂前には、早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)に見立てた高さ約7メートルの松明が3基立てられた。
本堂で法要が営まれた後、僧侶が松明の周りを練り歩き、午後8時半ごろに点火した。勢いよく炎が燃え上がると歓声や拍手が沸き上がり、参拝客らは携帯電話のカメラなどで、火の粉の舞い散る光景を写していた。
(文.写真共 読売新聞3/16より)