●師走のこと
ミヤコ師走の風物詩、今冬の「南座顔見世」概要が発表になりました。
「気の早い」話とお思いでしょうが、毎年下半期は加速度的に過ぎ去ってしまうもの。
ハタ気付けば「そんな季節」になっていることでしょう。
先の話と云っても其程遠くも無かったりするものです。
東西の名優 ”大顔合わせ“
南座・顔見世 藤十郎に菊五郎
松竹は28日、京都市東山区の南座で11月30日に開幕する「吉例顔見世興行」の出演者と演目を発表した。坂田藤十郎、尾上菊五郎の2人の人間国宝をはじめ、片岡仁左衛門、坂東玉三郎ら東西の人気役者が顔をそろえ、多彩な演目で師走を彩る。
今年の話題は、東西や家の枠を超えて名優たちが共演する”大顔合わせ”が昼夜ともに実現することだ。
上方歌舞伎の代表作の一つ「封印切(ふういんきり)」(昼)は、顔見世では18年ぶりの上演。藤十郎の忠兵衛、片岡秀太郎の梅川で、敵役の八右衛門を仁左衛門、玉三郎がおえんで付き合う。「助六曲輪初花桜(すけろくくるわのはつはなざくら)」(夜)は、仁左衛門の助六、玉三郎の揚巻という”仁左玉”コンビに、片岡我當の意休、藤十郎の新兵衛のほか、尾上松緑、尾上菊之助、片岡愛之助ら花形役者もそろい、顔見世らしい華やかな出し物になりそう。
昼の部は、新歌舞伎の名作「佐々木高綱」で幕開け。中村梅玉が高綱を演じる。「一條大蔵譚(いちじょうおおくらものがたり)」は、菊五郎の一條大蔵長成、中村時蔵の常盤御前で。仁左衛門の「お祭り」も。
夜の部は、菅原道真を追い落とす左大臣藤原時平(しへい)の策謀を描く「時平の七笑(ななわらい)」から。我當が当たり役の時平を演じる。続いて、顔見世では1965年以来44年ぶりとなる舞踊劇「土蜘(つちぐも)」を菊五郎で。千筋の糸を繰り出すなどケレン味たっぷりの舞台になりそう。「助六」の後は翫雀と愛之助の「石橋(しゃっきょう)」で締めくくる。
12月26日まで。前売りは11月15日から。27000-5500円。チケットホン松竹Tel:0570(000)489。
(文.写真共 京都新聞8/29より)