●「落柿舎」のこと
「落柿舎制札」
一,我家の俳諧に遊ぶべし、世の理屈を言ふべからず。
一,雑魚寝には心得あるべし、大鼾をかくべからず。
一,朝夕かたく精進を思ふべし、魚鳥を忌むにはあらず。
一,速かに灰吹を棄つべし、煙草を嫌ふにはあらず。
一,隣の据膳を待つべし、火の用心にはあらず。
右條々 俳諧奉行 向井去来
一,庭の柿実は速かに売るべし、野分は歓迎すべからず。
右條々 俳諧奉行 赤坂酒司
と云う訳で、うちの近所「落柿舎」の修復工事が終わったとの知らせ。
教訓、庭の柿は台風の来る前に収穫してしまいましょう。
嵯峨、落柿舎の修復完了
京都市右京区嵯峨小倉山の草庵「落柿舎(らくししゃ)」の修復工事が終わり、一般公開を前に28日、報道関係者に公開された。かやぶき屋根や朽ちた床材が取り換えられ、美しい姿がよみがえった。解体の結果、現在の建物が江戸時代末期の建築と判明した。
落柿舎は、松尾芭蕉の門人の向井去来(1651-1704)の別宅で、芭蕉が「嵯峨日記」を記したことで知られている。1687年ごろに建てられたあと再建、修復してきた。老朽化を受け、作家や研究者らでつくる落柿舎保存会が昨年12月から初めて本格的に解体工事をしていた。
柱や梁(はり)、土壁は使用されているものをできる限り残し、屋根は1995年以来、ふき替えた。玄関や土間からは江戸末期のくぎやカンナの跡が見つかった。居関正二郎執事(66)は「今の建物は明治以降のものと思っていた。文化財的価値が高まることになるかもしれない」と話した。
一般公開は10月1日から再開される。有料。
(文.写真共 京都新聞9/28より)