●洛南「五山の四」
えー、先日帰京の後日談。
在京最終日は伏見稲荷さんでお参りを済ませた後。
そのまま京都駅には戻らず、伏見街道を「てくてく」北上する事と致しました。
目指すは洛南巨刹「五山の四」、東福寺で御座います。
【写真上】六波羅門より伽藍を眺む。
東福寺駅からのアクセス上、殆どの方が「臥雲橋.日下門」から参拝されますが、一応此方側が表玄関です。
東福寺に就いては裏ブログ↓に詳細を記しておりますが、禅刹古建築の宝庫。
室町以前の古建築は6棟を数え、伽藍配置もほぼ変化ありません。
惜しむらくは「仏殿」「法堂」「方丈」を焼失した明治の火災です。
うーん、本当に残念。
http://bamboo-bar2.cocolog-nifty.com/blog/cat6334971/index.html
【写真上】三門(室町.国宝)。
応永年間(1394‐1428)の再建。五間三戸.二階二重門。入母屋.本瓦葺。
日本最大最古の禅刹三門。
組物の基本構成は大仏様、外観は唐様と両方を併せ持つ珍しい建造方式。
建立時の姿が再建時にも踏襲されたものと思われます。
【写真上】法堂(本堂)。
昭和9年(1934)の再建。七間五間.入母屋単層.裳階付
昭和期の木造建築としては最大規模のもの、仏殿を兼ねる。
【写真上】東司(室町.重文)。
七間四間、単層切妻.本瓦葺。
室町期唯一の東司遺構、禅院便所の古形式として類例が無く非常に貴重。
但し内部の施設は失われています。
【写真上】禅堂(室町.重文)。
1347年(貞和 3)頃の再建。七間四間、単層裳階付.切妻.本瓦葺。
現存する禅堂(僧堂)の中で日本唯一の中世遺構。
三門同様、これも唐様と大仏様の両様式を持っています。
【写真上】庫裏。
明治43年(1910)再建。単層、切妻.妻入。
方丈唐門と共に昭憲皇太后より下賜されたもの、方丈庭園参拝は此処が入口。
【写真上】通天橋前の回廊より伽藍を眺む。
此処東福寺の秀逸な点は、室町以前の古建築と近世再建物が違和感無く調和を保っている所処。
法堂は三門同様に大仏様と禅宗様の折衷様式が踏襲され、庫裏は典型的な禅宗寺院様式に則って再建されています。
結果、初期禅刹の雰囲気は損なわて無い訳でして。
【写真上】万寿寺。
東福寺境内を離れ、東大路通り向こうにある塔頭。
嘗て「下京区万寿寺通高倉付近」に存在し「五山之五」に列せられた大禅刹ですが、応仁の乱で一山焼亡.衰退していき中絶。
その後天正年間に同地へ移転復興、現在は東福寺の塔頭となるに至ってます。
従い往時の面影はありませんが、ミヤコでは歴史から消えた寺社なぞ数多知れず。
そう云う意味で、名前だけでも残っているのは「シアワセ」な方かも知れません。
万寿寺沿革詳細に就いては下記にて。↓
http://bamboo-bar2.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_2556.html
と、こんな感じな「冬の東福寺」で御座いました。