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2011.03.28

●「無鄰菴」のこと

東山は南禅寺草川町、琵琶湖疎水傍にある「無鄰菴」。
「山縣有朋プロデュース」「小川治兵衛メイキング」に由る東.西洋造園文化の折衷コラボレーション、近代日本を代表する庭園で御座います。

僅かな片傾斜と細長不定形の狭い敷地、そんな悪条件を全く感じさせない普請手法は元老.植治の見識を感じさせるもの。
数奇屋の母屋からは明穏な庭園に小川の瀬々らぎ、借景には東山。
まるで山麓の田舎家に居る様です。

然乍ら現在の管理は「すっとこどっこい」京都市、御世辞にもやる気のある運営をされておられるとは云えず、基本的には「ほったらかし」。
加えて外垣の植栽.剪定や茶室の老朽化等、保全面でも管理が行き届いているとは云い難いのが現状です。

そんな訳で民間見識者に由る検討委員会が発足したとの事。
まぁ余り俗っぽい売り込み方は好みませんが基本的には賛成、長期的視野に立った保全や運営を望むものです。

個人的には…、そうですね、贅沢は云いません。
夏の西日と蝉時雨の降り注ぐ夕方に縁側で紫煙一服、瓶ビールなぞ頂ければ。
あ、京都新聞の夕刊も宜しくお願いしますね。

「無鄰菴」関連過去ログは下記にて。↓
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/08/post_066e.html
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2010/07/post-0ee5.html

「無鄰菴」指定管理者制に
検討委 増客の手法も提言
明治・大正期の元老、山県有朋の別邸「無鄰菴(むりんあん)」(左京区南禅寺草川町)の保存と活用について、大学教授らでつくる検討委員会は10日、指定管理者制度の導入や入場者数を増やす取り組みを充実させるべきだなどとする提言をまとめた。近く門川大作市長に提出する。
無鄰菴は1894~96年に築かれ、1941年に市に寄贈された。東山を借景とした庭園や、日露戦争開戦を巡る会議が開かれた洋館があり、国名勝にも指定されている。現在は一般公開され、昨年度は約4万2000人が訪れたが、建物の老朽化が進み、今後の維持管理が課題になっている。
提言では、長期的な視点での植栽管理などのため、現在、単年度で実施している事業委託を、最長4年が可能となる指定管理者制に移行させるよう求めた。
ほかに、山県が客を案内した順路の整備▽ボランティアガイドの養成▽喫茶・食事機能の追加▽将来、市の迎賓施設とすることを検討――なども盛り込まれた。
委員長の尼崎博正・京都造形芸術大教授は「素晴らしい文化財なので、将来に残せるよう工夫を求める提言になった」と話した。
(文.写真共 読売新聞3/11
より)

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