●続々.園城寺にて
えー、先日帰京の後日談.7月18日分その参。
台風6号接近の影響で雨風降り敷く月曜日、私めは一路近江国に。
逢坂の関を越え、「湖西の天台寺院」へと足を運んで参りました。
そんな訳での「三井寺参詣記」.最終篇で御座います。
【写真上】参道より唐院境内を望む。
唐院は宗祖円珍の廟所である大師堂、密教道場である潅頂堂と護摩堂、及び三重塔からなる。
主要伽藍群の最上所に位置し、寺内で最も重視されている区域である。
写真は唐院四脚門。(重文)
寛永元年(1624)建立、四脚門、切妻造.檜皮葺。
当初は棟門形式の総門であったが、四脚門に変更された。
慶長期の伽藍復興の際、応急で造ったものを院の格に合わせて改められたものと思われる。
【写真上】唐院潅頂堂。(重文)
寛永元年(1624)建立、桁行五間.梁間五間、一重.入母屋造、檜皮葺。
伝法潅頂に加え、大師堂拝殿としての役割を併せ持つ。
内裏.仁寿殿を下賜されたものと伝えられ、簡素な中にも寝殿造の趣が強い和様建築。
【写真上】奥院全景。
潅頂堂の左には長日護摩堂、奥には大師堂。
密教寺院としての体裁が良く整えられている。
護摩堂は寛文6年(1666)建立、方三間、宝形.本瓦葺の県指定建造物。
【写真上】三重塔(重文)
室町前期建立、三間.三重塔婆.塔高24.7m、本瓦葺。
本来は奈良.比曽寺の塔婆、伏見城に移築したものを慶長6年(1601)に再移築された。
軒回りや組物の手法は総じて和様で、古典的な様式。
初重のみ高欄付きの縁を廻らし、軒深を大きくとっている為に塔全体の安定感が増して見える。
南北朝期の建立で山内最古の建造物。
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唐院を出た辺りで雨足が更に激しくなり、撮影は面倒なので終了。
この後は山内子院を巡拝、小一時間して漸く観音堂に到着致しました。
【写真上】観音堂全景、左より手水舎.観音堂.百体堂。
寺域の南端側に位置し、西国三十三箇所観音霊場の第14番札所として知られる。
観音堂は礼堂.合の間.正堂の三棟よりなり、元禄2年(1689年)建立。
概ねの寺観はこの時期に整えられたと思われる。
観音堂.百体堂(百体観音堂).鐘楼(童子鐘).観月舞台が県指定、手水舎.絵馬堂.地蔵堂は市指定建造物。
【写真上】同おまけ.御約束の喫煙所。
山内唯一?の一服所処。
漸く此処で雨露を凌ぎ、暫しの休憩。
この後は横殴りの雨の中、鎮守社の新羅善神堂まで足を運ぶのですが、何と修復工事中。
ビニールシートに覆われた姿に項垂れ、無駄足を惜しみつつ帰路に着くのでした。
以上、こんな感じでした、おはり。