●「神齢山」にて「長等山」詣
えー、昨日は節気.立秋。
色々と停滞しっ放しの私めを「置いてけ堀」に季節は流れているものでして、気付かぬのは己ばかりと云った感じで御座います、。
実は先月から夏風邪を拗らせてしまい、此処20日弱は自宅の半径100mを出ておりませんでした。
果たして「節気替わり」の「厄気祓い」と云う訳では御座いませんが本日は久し振りに「都内遊山」、午前中より音羽方面へ足を運んで参りました。
先月近江.園城寺の客殿二院を拝観した際、その繋がりで近いうちに訪れようと画策していたものでして。
そんな訳での「護国寺」参詣記で御座います。
【写真上】月光殿.三景。(重文)
桃山後期(恐らく慶長期か)建立、桁行七間.梁間六間、一重.入母屋造.妻入(正面軒唐破風付)、桟瓦葺。
周知の通りこの月光殿は「旧園城寺.日光院客殿」で、明治20年頃に品川御殿山へ移築され、更に1928年(昭和3)護国寺に寄贈移築されたもの。
園城寺「光浄院客殿」「勧学院客殿」とは同時代.同様式の建造とされており、確かに桁.梁の間数.屋根の形式は同似のものである。
しかしもしそうであったならば、数次の移築の際に徹底的に改悪されている模様。
屋根が杮から本瓦に葺替えられている(=勾配が強くなる)のは維持経費上仕方無いとしても、高床式の庇縁を破棄し、蔀戸.板扉を用いた柱間の設えを無味乾燥な火灯窓連に変えられているのは如何考えても頂けない。
亦、妻側玄関のものを移動した(と考えられられる)平側の軒唐破風は歪に突出しており、建物の美観を著しく損ねている。
結果、寝殿造の趣を色濃く残した外観は全く喪失されている。
但し上記は建物北面(目視部分)に関してのみ云える事であって、南面(庭側)に就いては広縁.中門廊が残されている点から、幾許か往時の寺観が残っていると思われる。
と、本日はこんな所処、続きは明日にでも。
今度機会があれば、内部を見学出来ないか社務所に聞いてみようと重い枡。
と云うか、東寺の「観智院」行った方が早い鴨…。