« ●2012年.一滑目 | Main | ●猿沢池にて »

2012.01.13

●北嵯峨涸淡「広沢池」

えー、先日帰京の後日談。

新年を向かえての十日間、実家に滞在していた私め。
「散策」に「ジョギング」に「雪見聞」に「腹熟し」に、暇さへあれば北嵯峨をほっつき歩いておりました。
そんな訳で本日は、広沢池の「涸池冬景」スナップ集で御座います。

C
【写真上】涸地となった広沢池。
広沢池では11月から12月にかけて池水を抜き、春に放流されていた「鯉」「鮒」「諸子」等を水揚げする「鯉揚げ」が行われます。
その後も池は春先迄、「泥ざらえ」の為に底面を見せた儘。

冬の「侘」嵯峨野を象徴する風趣で御座います。

039
【写真上】観音島にて一写。
借景には遍照寺山、手前の小祠は島の先端に祀られている弁天堂。
水の涸れた池底に下りての一枚、従いこの構図は冬場だけのもの。

21
【写真上】池東岸より眺む遍照寺山。
柔らかな三角形の姿形にこんもりとした稜線、何時見ても愛嬌のある山です。
手前の薄群が一層「冬趣」を誘うものにて。

025
【写真上】一条通りより北西を眺む。
「柿熟れば 池は涸るなり 遍照寺」てな感じでしょうか。
北嵯峨.山屏風の最奥には霊峰愛宕、山頂は薄ら冠雪しております。

観月の名所としては元より、「雪月花」折々の風趣を備える広沢池。
古来より「歌枕の一」として、大宮人に西行に芭蕉にも詠われておりまする。
「月」も「桜」も「新緑」も宜しいものですが、個人的な季趣は矢張り「冬」。
「雅」では無く「鄙」の地だからこそ、「九重の地」では無く「遁世の地」だからこそ、「枯淡」の風情が良く似合うのでして。

「冬は 嵯峨野さらなり」。

|

« ●2012年.一滑目 | Main | ●猿沢池にて »