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2012.01.20

●平城宮跡から「法華寺」へ

えー、正月帰京の後日談。
1月8日は「平城京新春マラソン」に参加した際の事。
正午前にレース完走、西大寺北口の喫茶店で「お茶」した後は佐保路を東進。
法華寺町周辺の古刹を巡って参りました。

そんな訳での「南都.北一条巡礼」その二、「法華寺篇」になります。

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【写真上】法華寺.南門。(重文)
慶長年間(1596~1615)建立、四脚門、切妻造.本瓦葺。
桃山期に類例の多い一般的な四脚門、同寺の正門に当たる。
中央の蓑束や蟇股、木鼻付虹梁の様式は同時代の特徴を良く現している。

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【写真上】本堂二写。(重文)
慶長6年(1601)建立、桁行七間.梁間四間、一重.寄棟造、本瓦葺。
概ね和様、桃山様式に則って再建されているが、同時期造営のものとしては保守的な部類の建造物。
当初は講堂として建てられた為、規模.構造共に本堂形式にはなっていない。
再建に当たっては鎌倉期部材(旧金堂.旧講堂)が一部再利用されている。

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【写真上】同.側面近景。
組物は出組、中備は間斗束、頭貫には大仏様木鼻。
尚、向拝下部の蟇股や手挟には、桃山期の典型的な彫刻装飾が見てとれる。

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【写真上】鐘楼二写。(重文)
慶長7年(1602)建立、桁行三間.梁間二間、袴腰付.入母屋造、本瓦葺。
袴腰付鐘楼は上層に縁.高欄を設けるのが通常だが、それが省かれた珍しいもので類例の無い遺構。
その為上下の均衡が悪く感じるが、楼高が低い為に然程気にはならない。

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【写真上】浴室。(県指定/重要有形民俗文化財)
明和3年(1766)建立、桁行二間.梁間三間、切妻造.妻入、桟瓦葺。
俗に「カラブロ」と呼ばれる蒸し風呂形式の湯屋施設、但し竃.湯釜等の内部構造は失われている。
江戸中期再建、加えて浴室と云う堂宇性格の為に禅宗様建築になっている。

と、こんな所処にて。
この後はお隣「海龍王寺」へと向かったのでした。

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