●お見送りの「カタチ」
昨夜のミヤコは「五山送り火」。
洛中.洛東..洛北至る所処で、山腹の焔字を眺める人々で賑わった事でしょう。
一方、私めの地元洛西「嵯峨野」「嵐山」では、鳥居の送り火と並行して、裏番組とも云うべき「灯籠流し」が行われました。
両者は共に「あの世」にお帰りになる故人をお見送りする盂蘭盆会の行事、山へ送るのが「送り火」ならば、海に見送るのが「灯籠流し」。
尤もミヤコには海が御座いませんので、大堰川と広沢池になった次第で御座います。
そんな訳で下掲は「嵐山.灯籠流し」の記事ですが、渡月橋付近は周辺照明が明る過ぎて「イマイチ」情緒に欠けるもの。
「灯」を引き立たせるには「闇」の存在が不可欠、それが死者の魂を弔う献灯であれば尚更でしょう。
「鎮魂の灯火」の意味合いからも、亦「景趣の幻想性」という点でも、地元民のお勧めは「広沢池.灯籠流し」の方でして。
川面を彩るほのかな明かり
嵐山灯籠流し
お盆恒例の「嵐山灯篭流し」が16日夜、京都市右京区の渡月橋下流の桂川で営まれた。大勢の浴衣姿の家族連れやカップルが、川面を彩る約7千個のほのかな明かりに見入っていた。
先祖供養をはじめ、戦没者や水難事故の犠牲者を慰霊するため、地元の「嵯峨佛徒連盟」が毎年催している。
午後7時すぎ、中之島公園に設置された桟橋から、灯籠が続々と流されていった。来場者たちは鳥居形の五山送り火とともに、川面の光を盛んに写真に収めていた。初めて訪れた神戸大2年津田和人さん(19)は「思った以上に流れるのが早かった。雰囲気があっていいですね。神戸から来たかいがありました」と喜んでいた。
宮津市でも同日夜、「燈籠流し花火大会」が宮津湾で行われた。約3千発の花火とともに、灯籠や精霊船が流された。
(文.写真共 京都新聞8/17より)