●「1.13」国立観戦記
昨日は麗春を思わせる様な朗らかな陽気にて、絶好の洗濯日和。
洗い物と布団干しを終えたのが正午前、こんなお天気に「インドア」なのも勿体無いものですが、これと云った予定もありません。
そんな訳でこの日がファイナルのラグビー大学選手権「帝京-筑波」を観戦に行く事と致しました。
場所は「新宿区霞ヶ丘」、ナショナルスタジアムで御座います。
【写真上】国立競技場.バックスタンド側より一写。
国立に足を運ぶのは彼是7年振り、此処のゲームはグランドと観客席が遠いので「Jスポ観戦」が主になってしまいます。
ピッチが「砂場」「泥んこ」「荒地」状態の秩父宮を見慣れていた所為か、緑の芝生が新鮮に感じられました。
【写真上】メインスタンド向こうに立ち並ぶ高層ビル。
手前のとんがったのがNTTドコモ代々木ビル、奥には新宿副都心ビル群。
【写真上】観客席風景。
スタジアムを見渡し、取敢えず空いてそうな16番ゲート近くに陣取りました。
周辺はツクバの応援エリア、向こうの赤い人々はテイキョーの応援団です。
【写真上】キックオフ一写。
国立は「12日/高校サッカー準決勝」→「13日/ラグビー大学選手権決勝」→「14日/高校サッカー決勝」のフットボール三連チャン。
そんな訳でピッチのラインはサッカー用とラグビー用が重複、嗚呼ややこしい。
【写真上】ハーフタイム、ゴール裏座席より。
後半戦は座席移動、ポジション取りや集散が良く見える最上段で観戦する事に。
意外と穴場の観戦ポジションだったり致します。
【写真上】ノーサイド.帝京四連覇の瞬間。
この日の観客数は20050人、まぁ健闘した方でしょう。
只、来月の日本選手権(トップリーグ)がこれを上回れるかは…、微妙です。
と云う訳で、以下マッチリポに成増。
○帝京(6T3G1PG) 39-22 (3T2G1PG)筑波●
スコア以上に帝京の強さが際立った試合。
その「強さ」なのですが「外人二人」とか「中村の個人技」では片付かないレベル。
「チームとしての成熟度」が大学レベルでは頭三つ位抜けていました。
チームの強み弱みや特徴を各々が理解し、その上で試合の各局面で何をやるべきなのかと云う意識が統一されています。
特にそれはディフェンスの場面に於いて顕著、「密集への寄りや役割」「ターンオーバー後の戻り」「スペースを埋めるカバーディフェンス」の速さ.正確さに現れていました。
しかもチームの根底には「生真面目で」「泥臭い」プレーを是とする意識が徹底されているので「油断」や「軽いプレー」「エアーポケット」も生じません。
毎年選手の出入りが多い大学チームにも関わらず、年を追う毎に進化し続けている土台は此処にあると思われます。
ベースとして「体躯の強さ」、拠り所として「FWの優位性」、強みとして「堅固なディフェンス」が昨年迄積み重ねてきた帝京のアドバンテージでした。
そこに今年から「BKの展開力と決定力」が加わり、しかもこの部分は未だ発展途上。
此の儘チームのレベルアップが進んでいくと、このカテゴリーでは対抗馬を探すのも難しくなりそうです。
筑波が頂点に上る為には対抗戦以上の「ベストゲーム」をする事が必須でしたが、試合内容としては期待に反して低調。
コンディション管理の失敗と主戦SOの怪我も痛いのですが、敗因は寧ろ別の部分にあった様に思われます。
一つは対抗戦時と較べ、帝京の仕上がり具合が予想以上だった事。
セットプレーの不利はこの位なら想定内、寧ろ健闘した方でしょう。
誤算はタックルとブレイクダウン、相手の激しさ.正確さが一ヶ月前とは段違いです。
タックルは差し込まれ確実にゲインを許し、ブレイクダウンでは押され寄せられスペースを作られる悪循環。
結果あれだけボール支配率で圧倒された上、数少ないターンオーバーからのチャンスも帝京ディフェンスのプレッシャーの前にエラー多発。
まぁ接点でやられ過ぎました。
もう一つはこの試合に対してのゲームプラン。
帝京が筑波のバックスリーのカウンター対策としてキック封印、自陣からでも徹底的に展開して来たのに対し、筑波側には具体的な「対帝京」対策としての戦略が見えず(あるいは封殺された)、良くも悪くも普段のラグビーに終始していた感です。
例えばFW戦であれだけ後手を踏めば、HB団から両センターに至るボール回しでプレッシャーを受けるのが当たり前。
特にSO.CTB戦で完敗、結果決め手のある両ウイングを生かしきれません。
こう云った展開は予測出来た筈なのですが、対策を講じれぬ儘試合の趨勢が決まってしまいました。
まぁ両要因共に「ファイナル初進出の筑波」と「5年続けてファイナル進出の帝京」の差が現れたとも云えます。
筑波は来年も現有戦力+αで国立進出の可能性が強いチーム、この敗戦が糧となれば「打倒帝京」の一番手であるのは間違い無いでしょう。
尚、決勝戦のMOMですが…。
個人技で目を惹いた⑩⑬、ひたすら身体を張り続けた②⑤、痒い所に手の届く⑦⑫⑮、影のゲームコントローラー⑭…。
可也悩み所処ですが⑫荒井基植、名バイプレーヤーに一票と云う事で。