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2013.04.24

●「2013/14スキー.丸沼試乗会」後篇

先日は丸沼高原、「2013/14ニューモデルスキー試乗会」リポート。
4/13土曜日はときわスポーツさん、4/14日曜日はICI石井スポーツさん主催のイベントに「二連チャン」でエントリー。
今回も毎年の如く、小回りモデルを中心にテストして参りました。
そんな訳でのインプレッション、その③で御座います。

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因みに試乗者のスペックは以下の通り。
  年齢 アラ4(おっさん)
 体格 身長172㎝ 体重58kg
 体力 中距離ランナー.中の上 (1万m:37分、ハーフマラソン:83分) 
 技術 SAJ1級 12年前迄は草レーサー
 嗜好 ショート.ミドルターン>ロングターン、スピード好き
 弱点 軽量。返りの強過ぎる板、重い板には負け気味
 滑走日数 毎季約25〜40日
 現行板 DYNASTAR SPEED GROOVE DEMO R18(2012/13)

テストバーン及びコンディション
 丸沼トップ~ボトム+バイオレットorシルバーコース。
 午前中軟雪.もコンディションそこそこ、午後ザラメ化グサグサバーン。

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・STOCKLI/LASER SL FIS (165㎝)
前回ナエバで試乗した「LASER SC」、その余りの性能に感動すら覚えた私め。
そんな訳で再びストックリ、久方振りの純競技SLモデル試乗です。

取敢えず中斜面で板なりに走らせてみたのですが、第一印象は「どっしり重厚」。
センターからテールにかけての安定感は流石SL機、若干身体の外にスキーがあっても、まるで真下にある様な安定感(しかも春グサ雪で)です。
上手く例えられませんが、板はギュンギュン走っているのに、乗り手は時間をゆっくり感じる様な余裕すらありました。

しかし鈍重な訳では無く、此方の意図した操作にはしっかりとレスポンスがあります。
例えば踏み込んだ際の抜けや走りは俊敏、加速性は云うに及ばず。
縦に走らす小回りでも切り替えは非常にスムーズ、これも板の安定感あってのものですが、もう少しじゃじゃ馬的な乗り味を想像していたので結構驚かされました。

但し、テストバーンが中斜面主体+グサグサ雪。
これが「ガチガチ」ハードパックな急斜面だと板に「置いてぼり」食らって、踏み込んだり走らせたりする所処じゃ無いかも知れませんが…。
いゃあ、カワイイくせに恐るべしティナ.マゼ。

結論ですが、一般ゲレンデでも可也使えそう。
尤も弱点として「オンビステ専用」「低速では宝の持ち腐れ」「混雑時には怖くて走らせられない」「暴力的な価格」、以上の四点が挙げられますが…。
あと当たり前ですが「硬いブーツ」を「ガッチリ締め」ないと、板に負けちゃいます。

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・NORDICA/DOBERMANN SPITFIRE EVO EDT (165㎝)
「いゃあ、イイですね、コレ」、気分はすっかりノイロイターかアンドレミラー(?)。
今回「本線板」の一つでしたが期待通り、乗ってて面白い板です。

叩き台の競技板個性が残っており、一般基礎板の乗り味とは一線を画した感。
キャンパー+サンドイッチ+メタルの構造特性らしい、板の強さを持ってます。
例えるなら「重厚」と云うより「剛健」、良い意味での「硬さ」「張り」を感じました。

そんな硬派使用な板ですが、板そのものの攻撃的なポテンシャルに対し、意外や相反する「しなやかっぽい」乗り味も持ち合わせています。
理由は恐らく「EDTプレート」と「サイドカーブ形状」。
プレートに就いてはメーカーさんの謳い文句通りなので省略致しますが、フルカーボンなので可也軽量、取り回しの負担軽減にも一役買っているかと。
サイドカーブに就いては昨季から更にワイド変更(126㎝‐74㎝‐109㎝)、このレベルの板としては特異な迄の太さ。
ターン前半のスムーズさ、加速時の落ち着き、センターからテールの安心感はこの辺に起因するものと思われます。

ターンの入りはトップが「ガッチリ」噛んでくれ、中盤から後半には踏んだ分「グイグイ」加速、切り替えはルーズにしても良しダイレクトにしても良し。
ショートもロングもいけますが気持ちイィのはミドルレンジ迄、ラディウス(R14)よりも小回り感が強く感じました。
やや重めのスキーウエイトですが滑走時には程良い質感、この乖離が最も大きかった板の一つでもありました。

ノルディカ自体が希少派の上、このアバンギャルドなコスメですから、色んな意味でゲレンデでの注目を集めそうな板。
但しハードパックバーンでは結構苦戦する可能性大、も一つ下の「SPITFIRE PRO EVO」も合わせてハイシーズンに乗ってみたかったな、と。

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・BLiZZARD/SRC RACING SUSPENSION (165㎝) 121-76-106 R13.0
初日ときわスポーツさんの「イチ押し」小回り板、今回ノルマのノルディカと兄弟板と云う事もあり乗ってみました。
負けず劣らずこっちも好感触、気分はすっかりマリオマット(?)。
一応準.競技板の立ち位置ですが、一般ゲレンデ用としても問題無くイケます。

「手強わ過ぎず」「優し過ぎず」、板の剛性感としなやかさが丁度良い按配。
セカンドレースモデルとしては、ライトウェイトで扱い易い部類に入ります。
当然上掲ノルディカとは乗り味.方向性も類似、従い比較論で話を進めてみる事に。

先ず第一印象として、此方の方が縦に走らせ易く思えました。
Rははブリの方が小さいのですが(13.0)、然程内に入りたがりません、不思議。
多分シェイプの違いが原因、シビアに走らせないとそう感じるのかも。
あと、踏み込んだ加速時以外はメタル感をそれ程強く感じず、トップ.テールの撓みも引き出し易かったです。
ターン弧や速度域の調整幅はブリの方が融通が利きそうな感じ。

と、総じて乗り味は「硬派色を残しつつもしっとり感強め」、ノルディカの方が「元気ハツラツ」なイメージでした。
ソコソコの体力と足前は必要ですが、万能性と購入者層の幅で云えばこっちの方に分があるでしょう。
因みにサイズは「165㎝一択」で宜しいかと。

そんな訳で計3回、約20機テストした2013/14モデルスキー試乗会。
小回り基軸のオールラウンド「イチ押し板」はと申しますと…。
・STOCKLI LASER SC (170㎝)
 Radius 14.9/sidecut 122-72-103
・ROSSIGNOL/DEMO ALPHA Slantnose R20 (166㎝)
 Radius 12.8/sidecut 122-68-104
・NORDICA/DOBERMANN SPITFIRE EVO EDT (165㎝)
 Radius 14.0/sidecut 126-74-109

見事に「キャンパー」「サンドイッチ」「メタル」の板が勢揃い。
いゃあ、今回は本当に甲乙付け難く、試乗した順に挙げてみました。

 

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