●最後の道草
えー、先日帰京の後日談。
一昨日は日曜日、帰東の途に就くべく京都駅へ愛機~を走らせ始めました。
しかし新幹線時刻には若干の余裕、「じゃ最後にどっか寄って行こう」と思い立ち。
で、今回帰京フィナーレに選んだ場所が此方↓でした。
【写真上】なこそながれてなほきこえけれ。
私め地元でも五指に入る、「マイフェイバリット」の景観ポイント。
旧嵯峨御所(大覚寺)は大沢池北東、石造水門周辺からの眺望です。
宸殿.伽藍群の遠景には小倉山嵐山、右手奥には霊峰愛宕。
堂宇と自然を遮る無粋な人工物は何も無く、その眺望は江戸中興時のままでしょう。
亦、寺域北側には在りし日の嵯峨院を想像し、王朝雅人の余薫を感じ取れる希少な所処でもあります。
【写真上】蓮一面の池向こうには、御所下賜の元和期宸殿。
此処大覚寺は嵯峨天皇の仙洞として拵えられた離宮跡。
後に真言寺院となり法号を変えるも、鎌倉期には三代に亘り嵯峨御所として執政の場となり、室町期には南北朝統一の儀が行われた由緒正しき門跡です。
そんな所以を持つ大沢池は平安初期以来の寝殿造.池泉周遊式庭園。
雪月花全てを兼揃えた景勝の地として大宮人に愛されてきました。
今日となっては嵯峨院の面影を残す堂宇は皆無なものの、歌枕として数多詠われた大沢池は悠然として静寂。
昔日の佇まいを残しています。
こうして20分程の滞在を済ませた後、地元嵯峨野とも暫しの別れ。
ちょっぴり淋しい「目の保養」でした、とさ。