●松尾さん「例祭」
昨日は松尾さんの「神幸祭」。
本社で神事を終えた神輿は境内から「お出掛け」、一時間程かけて氏子地域を巡幸。
その後、神輿を桂大橋西岸から東岸へ御渡しする神事が「船渡御」です。
この「松尾の祭」、簾中抄にもその名が記されているミヤコ最古の祭りの一つ。
格式も賀茂/祇園の臨時の祭(所謂現在の葵祭と祇園祭)等と並び、「官祭.準官祭」に位置付けられておりました。
今でこそ「日本第一酒造神」として醸造神の名高い松尾さんですが、元来その起源は大堰川の「水伏神」。
故に祭神は、大堰川開拓と水上守護を神格化した秦氏の氏神二柱。
従いまして、例祭に於いて「神様が水を鎮める」のは至極当然な神事なのです。
因みに観光広報誌なぞに由ると「西の葵祭」なぞと謳われているようですが、地元ではそんな呼び名は聞いた事がありません。
船渡御、台風禍乗り越え悠々と
京都・松尾大社で神幸祭
松尾大社(京都市西京区)の伝統行事「神幸祭」が20日、西京、右京区などで営まれた。昨秋の台風18号の影響で実施が危ぶまれた「船渡御」は無事行われ、きらびやかな神輿が悠々と桂川を渡った。
五穀豊穣などを祈り、平安時代に始まったと伝わる。船渡御は一時途絶えたが、1983年に再開。昨年9月の台風で川底に堆積していた土砂が工事で除去され、6基のうち4基の神輿が船渡御を決行した。
午前に同大社を出発した唐櫃と神輿は桂大橋近くに到着。慎重に船に積まれた神輿はゆったりと川を渡り、橋の上や川べりから住民が見守った。
その後、氏子たちは威勢よく地域を練り歩き、夕刻に各御旅所に着いた。西七条御旅所(下京区)近くでは、神輿3基を同時に担ぎ上げる勇壮な祭事が繰り広げられた。
昨年は強風で船渡御を中止したこともあり、桂川舟渡し保存会の橋本武尚理事長(70)は「台風の後はもう船渡御はできないと思った。中止にするか悩んだが、川を渡る船を見て涙が出そう。よくやったと思います」と感慨深げだった。
(文.写真共 京都新聞4/20より)