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2014.05.22

●2014/15ニューモデルスキー.インプレ④

えー、毎春恒例、来季の「ニューモデルスキー試乗会」リポート。
今年は滑走日数がヘヴィローテーションの為、アップが大分遅れてしまいました。
そんな訳でのインプレッションその④、「フォルクル.フィッシャー篇」で御座います。

Zzzzz
【写真上】3/22、戸隠試乗会の様子(タナベスポーツさん主催)。
今シーズンの参加試乗会は「3/8.五竜いいもり(アルペン)」「3/21&23.戸隠(タナベスポーツ)」「4/13丸沼(パワーズ)」「4/17かぐら(KAMP K2)」の計5回。
今年も「小回り~中回り基軸の基礎板」を中心にテストして参りました。

尚、試乗者スペックは以下の通りになります。
  年齢 アラ4(おっさん)
 体格 身長172㎝ 体重59kg
 体力 中距離ランナー.中の上 (1万m:37分、ハーフマラソン:82分) 
 技術 SAJ1級 13年前迄は草レースに出没
 嗜好 ショート.ミドルターン>ロングターン、スピード好き
 弱点 軽量。返りの強過ぎる板、重い板には負け気味
 滑走日数 毎季約30〜50日
 現行板 DYNASTAR/SPEED GROOVE DEMO R18(2012/13)

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・Volkl/PLATINUM SW(173㎝)
 BIN/R.MOTION12 SC/122-74-104 R/16.5

ターンサイズもオールラウンドならバーンシチュエーションもオールラウンド、乗り味は優しくユーザーレベルも幅広い、と正にハイレベルな万能基礎機。
「The 何でも出来る板.2014/15大賞」&「The 乗り手に親切な板.2014/15大賞」のW受賞ってな感じです。

ロング~ミドルではカタログスペック(R15)通りのスムーズな弧を描き、ショートでは操作の自由度から小回り機並みの回転性を誇ります。
「整地ではキレ/ズレ不問」「荒れたバーンでもスムーズな走り」「コブも極端にダイレクトに攻めない限りは問題無し」「春のザラメ悪雪にはムチャ強そう」、と守備範囲の広さは特筆モノ。
少し重くなったとは云え元々が軽い板、取り回しの楽チンさも変わりありません。

弧の大小問わずターンの入りはストレスレスのスムーズさ、抜けは乗り手に優しくマイルドなテールの返り感、ポジションの取り易さは云うに及ばず秀逸。
トップ&テールロッカーの恩恵が最大限に発揮されており、キャンパーに乗り慣れている私めにとっては「スキーが雪面から1㎜浮いてるんじゃ無い?」ってな回し易さです。
そしてオートマ/マニュアル的バランスが亦絶妙の塩梅。
行き過ぎたオートマ感は無く「乗り手のマニュアル操作をスキーがオートマチックに導いてくれる」、てなイメージです。

では懸念の「高速域/ハードバーンでの安定感」は如何かと申しますと…。
コレがまた、現行モデルに較べ格段に向上。
乾いた乗り味が特徴であったフォルクルに適度な「湿り気」が加わった、とでも表現すれば良いのでしょうか。
重厚路線板の「自重で抑え込むようなどっしり感」とは違った、ソール面で万遍無く雪面とコンタクトする様な温和な安定感です。

因みに標準装備されたミニポッチン(UVO)の効果に就いてですが。
正直、スキーそのものに起因する微振動を抑える効果はありますが、雪面ギャップから来る振動を「抑え込んでくれる」程の吸収力は感じませんでした。
スキーの安定感が増したのはUVOに加え、「スキーウエイト増加」「芯材の変更」「ビンディング.プレート変更」といった複合的要素の結果だと思われます。

但し安定性が増したとは云え、矢張りタイトな競技的滑りには不向き。
ハイスピードでダイレクトに落差を取って落とし込むと、トップの捕えがやや頼り無くセンター前後だけでグリップしている感じ、切り替えももっさりとした感じが致します。
「カリカリ」「バンピー」な急斜では多少ルーズに、スキッド&山回りを多用した八割速度域で滑った方が良いと思われます。
ま、板の立ち位置からしてこれは「欠点」では無く「適正」の問題ですが。

尚試乗サイズは173㎝も、165前後の板と変わらない快適な操作性。
男性ユーザーの場合、173㎝「一択」で良いでしょう。

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・Volkl/PLATINUM SD SPEEDWALL(165㎝)
 BIN/R.MOTION12 SC/123-68-104 R/12.7

「芯材の微変更」「UVO標準装備」「ビンディング.プレート変更」に加え「トップロッカー導入」「サイドカーブ/Rも変更」、とSDは完全にフルモデルチェジ。
板なりに走らせてみての第一印象はSW同様、「ややウェイト増した」「しっとり感強くなった」感触です。
乾いた乗り味のブランド特性に「良い按配のうるおい」が加わったイメージ。
シェイプも全体的に太めになり、従来のキレキレ俊敏路線に安定感が加わりました。

チップロッカー仕様となった分、トップの食い付き具合がやや大人しくなりましたがグリップが弱くなった訳では無く、寧ろターン導入時のマイルドさが増した感じ。
ターン中後半のシャープさは健在、SL板的にキュンキュン気持ち良く走ってくれます。
多少ウエイトが増しましたが、相変わらずの軽快さで取り回しも容易でした。

フォルクル全機に共通する「トップは硬め、テールは柔らかめ」な特性に由るものか、後半の踵荷重からの抜け出しは剛性のねばりを利して重厚に加速して行く感じでは無く、テール荷重分の返り(反発力)で走らせるイメージ。
その点がマイルド調節されていたSWに較べSDは硬派仕様、テール加速がスマッシュ的に「スパーン」と返ってきます。
競技板程では無いにせよ、スキッド少な目でタイトに攻めたい小回り機。
ダイレクトに切り替えてフォールラインへ走らせる滑りの方が、より特性を発揮出来るでしょう。

ターン弧チョイスは角付けと圧加減次第でミドル迄、但し回転半径が大きくなるに従い鋭敏な切れ味は薄まってしまいます。
矢張り守備範囲は狭めの「小回り特化機」として考えた方が良いですね。

因みに来季のフォルクル.ジャパンセレクションは可也大幅にメカニズムを一新。
しかしブランド独自の乗り味(個性)そのものは損なう事無く、補うべき要所をしっかりレベルアップしています。
「スキーの正しいブラッシュアップとはこうあるべき」とも云うべき好例を示してくれており、迷走している幾つかのメーカーさんも見習って欲しいと思いました。

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・FISCHER/RC4 W.C. SC RACETRACK(165㎝)
 BIN/RC4 Z13 SC/122-68-103 R/13

私的「2014/15ニューモデル」小回り機№1、いゃあ4回も乗っちゃいました。

立ち位置は「競技SL板をベースに基礎色を加えたセカンドSL/エキスパートモデル」ですが、取り回しの良さはフツーの基礎板と何ら変わりません。
と云うか「ライトウェイト」&「フィッシャー的性格の素直さ」から、寧ろ扱い易い位。
とてもメタル二枚入っているとは思えない取り回しの良さ。
足元の操作感が抜群で、乗り手の意思をそのままスキーの動きに表せる自由度の高さを持っています。

そして本分のショートターン、キレキレです。
キャンパー機らしくターンの入りから「ガッチリ」グリップ、スキートップが瞬時に雪面を捕える感覚は数あるニューモデルの中でも随一。
中後半の走りも鋭く切れ込みながらしっかりと落差の取れるソリッドな走り、シャープな加速感は感動モノで流石「準.競技板」と云った攻撃的な小回り板です。
荷重/抜重や切り替え動作に対するスキーの反応も鋭敏、板の降り出し加減で意図通りのターンサイズを描いてくれる融通性もありました。
兎に角ズラすのが勿体無い位の切れ味、ターン中後半はダイレクトに縦へ走らせていく直線的ショートターンが真骨頂だと思われます。

センターが後ろ寄りに設定されているので、過度に踵寄りの重心を取ると後傾気味になる恐れがあり、ポジショニングはややシビア。
ブーツ下からソールにかけての剛性で走らせるのでは無く、サイドカーブのシェイプと板全体のたわみを使って加速を生み出すタイプです。
その源泉となるフレックス.トーションはドライでやや硬質、適度な板張り感。
この硬さ(ねばり)が程良い按配、「荷重からのたわみの引き出し易さ」と「雪面コンタクトをの保ち易さ」の折衷具合が見事なバランスでした。

但しグリップ力の良さと回旋性能にかまけて、ターン後半迄圧を引っ張り過ぎていると板返りの処理に手間取ります。
あと、逆捻り系の滑りがしっかり出来ない方には面白味半減でしょう。

尚、ターンサイズはミドル迄、縦長ロングでギリギリ可。
春のグサ雪はセンターが沈みがちで本来のポテンシャル発揮は難しいと思われます。
コブも試しましたが、ソコソコ滑れる方でないとパンパン叩かれ発射してしまいそう。
この辺の万能性に関しては、純粋な基礎板より融通悪いかも。

矢張り本領は「ガッチガチ」のハードパックバーンにて。

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・FISCHER/RC4 SUPERIOR PRO RACETRACK(170㎝)
 BIN/RSX12 SC/122-72-104 R/15

4シーズン続けてのリリースとなる定番基礎板「スペリオール」。
「正統派キャンパースキー」的な乗り味は一貫しており基本的にメカニズム変更の少ない板、昨季からのブラッシュアップは殆ど感じませんでした。

コンセプトとしては万遍無く高性能なオールラウンド板、軽快路線。
乗り手の選択レベルも幅広く取り回しも容易、一極自己主張的なクセもありません。

「ライトウェイトから来る操作の自由度」「トップからしっかり捕えるグリップ力」「やや板張り感が硬めも、スキー全体のたわみの引き出し易さ」「低速域から高速迄コントローラブル」と云ったフィッシャー的特徴がそのまま表されています。

カテゴライズするなら「サロの24Hours」「フォルクルのSW」とシェアの被る板。
その中でも「スキーの主張が少ない」と云う点では一番、素直な乗り味です。
24Hoursより軽くてオートマ感が少なく、SWの様な楽チンの極みでも無し。
昨年も述べましたが「上手くなった」と勘違いさせる板では無く、「上手くなる為」に最適の板と云った所処でしょう。

欠点としては特に無し。
但しコンセプトが故にロング.ショート共に感動する程の特化性能はありませんので、エキスパートスキーヤーには面白味に欠けるかも。
メタル入りの割りには加速感や安定性もややパワー不足に感じました。
尤も対象レベル(2~1級クラス)ユーザーにとっては、さして気にならないと思います。
それより、購入触手の全く伸びないトップシートのコスメ、何とかした方が…。


尚、個人的には上掲「SC RACETRACK」の所為で、完全に印象が消えた感でした。

以上、こんな所処にて。
ニューモデル試乗インプレ、次回はK2篇になります。

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