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2014.05.10

●2014/15ニューモデルスキー.インプレ①

えー、毎春恒例、来季の「ニューモデルスキー試乗会」リポート。
今年は滑走日数がヘヴィローテーションの為、アップが大分遅れてしまいました。
そんな訳でのインプレッションその①、「アトミック篇」で御座います。

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【写真上】3/8、五竜いいもり試乗会の様子(アルペンさん主催)。
今シーズンの参加試乗会は「3/8.五竜いいもり(アルペン)」「3/21&23戸隠.(タナベスポーツ)」「4/13丸沼(パワーズ)」「4/17かぐら(KAMP K2)」の計5回。
今年も「小回り~中回り基軸の基礎板」を中心にテストして参りました。

尚、試乗者スペックは以下の通りになります。
  年齢 アラ4(おっさん)
 体格 身長172㎝ 体重59kg
 体力 中距離ランナー.中の上 (1万m:37分、ハーフマラソン:82分) 
 技術 SAJ1級 13年前迄は草レースに出没
 嗜好 ショート.ミドルターン>ロングターン、スピード好き
 弱点 軽量。返りの強過ぎる板、重い板には負け気味
 滑走日数 毎季約30〜50日
 現行板 DYNASTAR/SPEED GROOVE DEMO R18(2012/13)

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・ATOMIC/BLUESTER DOUBLEDECK 3.0 SX(166㎝)
 BIN/X12TL SC/124-69-109.5 R/10.5(C) 
・ATOMIC/BLUESTER DOUBLEDECK 3.0 SC(165㎝)

 BIN/X12TL SC/127-69-111 R/11(C)
来季よりフルモデルチェンジのブルースターシリーズ「3rd edition」、新たに備わったテクノロジーに関しては雑誌なぞを参照にして下さい。

基礎小回り最上位機種のSX、昨季に較べ取り回しが楽になりました。
板なりに走らせただけでもその感覚は顕著、自重は然程変わって無いのに滑走中のフィーリングがマイルドになった様に感じます。

勿論アトらしい「ソールそのものがベッタリ張り付く様な安定感」「確りしたエッジグリップの信頼感」「雪面振動の圧倒的な吸収力」は健在。
整地~やや荒れの中斜面では「自分が上手くなった」と勘違いさせる板です。
守備範囲もミドル迄なら板の攻撃性を損なう事無く走ってくれ、しかも中低速での操作性が鈍くなる事も無くコントローラルブ。
トップモデルにも関わらず乗り手を選ばない(様な)扱い易さ、この利点が「中の上」級者にも大きく支持を得ている要因になっています。

ターン初動はスムーズ且つ行き過ぎないクイックさ、中後半から抜け出しの走りや足元への戻りも重厚にてマイルド、ターンの切れやスピードに反して板自体の挙動は非常に落ち着いています。
新テク(ヒールビンディング)の恩恵か、ブーツ踵下からテールに掛けての板の張り.剛性を更に生かし易くなり、ターン後半にギュイギュイ加速していく感が手に取る様に解ります。
総じて「トップがしなやかでテールが確り」なアトらしい回転性能、その相反するフレックス特性が見事に折衷されています。
「深回りのショート~ミドル/中高速」ではピカ一の総合力、来季モデルの中でも最上位の板でした。

と、褒めてばっかりなので欠点と云うか好き嫌いの別れる所処も。
ターン前半にズラす滑りも出来ますが、「ズレズレ」主体の滑りだけではスキーの持つポテンシャルが宝の持ち腐れ。
あくまでキレ主体の線で切るターンから後半に加速させる滑りが本分、スピードコントロールや斜面状況に合わせてスキッディングを使うべきでしょう。
ま、これは板と云うより乗り手レベルの問題ですね。

あと、所謂アトミック的なオートマ感(マグロ感)は相変わらず、と云うか昨季モデルからより強調されている様に感じました。
スキーが弧を描き始め、トップが下に向かって走り出すと後は板任せで宜しく。
特にターン後半から切り替えに掛けてはスキーをスイングさせる様な操作は厳禁、オートマチックな動きに身体を「合わせていく」乗り方がベスト、余程の強者じゃ無い限り「余計な事」はしない方が賢明です。
この「板におんぶされてる」感、個人的には余り得意では無く。

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SCは文字通り、SXの次機種といった感じ。
良い意味でのアト感(雪面のグリップ力/雪面ノイズの吸収力/足場の作り易さ)も、悪い意味でのアト感(乗り手のマグロ感/やや重く感じる滑走感)がマイルドに均されており、「アトミック的な乗り味」が好きな方にはやや薄味かも。
バンピーな斜面では多少雪面ノイズを拾いますし、ターン後半の快楽的な加速力も弱まっています。
尤もそこら辺「凡百の小回り上級機」に較べると、全然アドバンテージ持っているレベルですけどね。

反面板の取り回しは格段に自由度が利き、能動的な(自分から板を走らせたがる)人には此方の方が好みでしょう。
亦、滑りのリズムやターンサイズのチョイスが自分で作り易いのも利点です。
SCは昨季入っていたメタルが抜かれているので、猶更こう云った使い勝手の良さを感じました。
そうは云っても矢張りアトミック、フォルクルやフィッシャーの軽快さは想像しないで下さいね。

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で、SX/SCのユーザーチョイスなのですが。
コレは毎年の如く、最低限の技術に加え「体力」「筋力」「体重」が重要なファクター。
単に「板に乗っている」だけでも両機共充分な性能を持っているのですが、より板のポテンシャルを引き出そうとした場合、難易度の低いのはSC。
幾らマイルドになったとは云えSXはソコソコ体力の要する板、一日中乗り回してると結構疲れます。
SXでは「振り回される/荷が重い」危険性のあるユーザー(軽量.筋力不足.足前不足)が殆んどで、「SCなら扱える」と云った層のスキーヤーが世の中の大多数。
結論として「テク.クラレベル」「競技上がり」、ないしは「一級レベルでガッチリ体躯の方」以外はSCで充分でしょう。
て云うか、その方がスキー上手くなります。

あと、も一つ重要なのがブーツチョイス。
SXを選ぶならブーツのフレックスは確りした硬さ(メーカーに由っても異なりますが、概ね120or130以上)じゃないと、板の自重と加速に負けてしまいます。
それとメーカーの相性ですが、ターン後半に踵~テールでグイグイ加速していくタイプの板なので、「アト」とか「サロ」みたくブーツボトムや踵の剛性が強いものの方が良いかと思われます。
SCの場合はそれ程神経質にならなくて構いません。

13
・ATOMIC/BLUESTER DOUBLEDECK 3.0 LX(166㎝)
 BIN/X12TL SC/113.5-71-99 R/15.9(C)
・ATOMIC/BLUESTER DOUBLEDECK 3.0 LC(166㎝)
 BIN/X12TL SC/113.5-71-99 R/15.9(C)

来季から「大回り機」では無く「大回り基軸のオールラウンド機」と位置付けが変わったLX/LC、従いサイズも170㎝がMaxとなりました。

LXは166㎝をテストしたのですが、「166㎝基礎板で、この安定感は反則っ」。
ミドル~ロングでは多少のギャップやバンピーなバーンもお構い無い、スキーヤーの「絶対速度域」を一段引き上げてくれます。
「ソールそのものがベッタリ張り付く様な安定感」「均一且つ確りしたエッジグリップの信頼感」「雪面振動の圧倒的な吸収力」と云ったアト的特性は、矢張り小回り機より中大回り機でより有難く感じるもの。
ターンの入り易さや踵からテールの剛性を利した後半の加速はSX同様、秀逸。
多少のザラメ雪なら掻き分けて行くが如くの推進力も流石でした。

そして特筆すべき点として、高速域での足場の作り易さ。
「切り替えゾーンを長く取れる(様に感じる)」安定性と信頼感、他メーカーに較べてもアトのアドバンテージと云えるこの強みは、高速ロングに於いて特に顕著。
多少ポジションが後ろ気味になってもスキーが滑り手の不首尾を補ってくれ、良い意味で「板に頼れる」ってな感じです。

但し、小回りに就いてはあくまでR性能に従って「小さ目のターン弧を描く」、と云うイメージでクイック&ソリッドなショートは求められません。
「キビキビ刻む」と云うより「もっさり」「どっしり」とした感じの小回りになります。
一本コブにも入ったのですが、オールラウンドを謳っているにしては、…厳しい。

しかしユーザーチョイス、難しいですね。
大回りメインでありながら「何でも出来るオールラウンド感」を付加した為に、ややどっちつかずなイメージも加わりました。
昨季に較べ、「大回りにシフトした中回り機」といった印象です。
特に大回り嗜好のスキーヤーにとって174/179㎝サイズが無くなったのは痛いかも。
166㎝(R15前後)のスペックでオールラウンド機を選ぶなら、もっと「何で出来る」万能機もありますし…。
結局の所処、小回りには目をつぶって170㎝チョイス、って事になるのかな。

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で、LCですが…。
今回5台乗ったアトミックで一番印象が薄かったのがコレでした。
凡用性に走った結果、この子はそれが悪い方に出てしまった様な…。
「SXに対するSC/中大回り版」ってな位置付けなのですが、ミドル~ロング機で薄味仕様になると、取り回しの良さよりも頼り無さの方が目立ってしまうんですよね。
特にLXの次にテストちゃったので、比較上そういったイメージが強くなる訳で。

但し乗り手から仕掛けて中大回りを作っていけるのはコチラ。
ミドル~ロングのターン繋ぎ易さは特筆モノ、LX程乗り手のレベルを選びません。
自分の得意とする難易度レンジの斜面では、絶好調のカービングミドルがビシバシ決まります。

あと乗り手のレベルや嗜好、ブーツ相性に就いてはSX/SCと同様↑になります。

15
・ATOMIC/REDSTER 3.0XT(175㎝) 
BIN/X12TL SC/非公開 R/15.5

FISのシティイベント(PSL)仕様の純競技モデルをそのまま市販化したもの。
従い立ち位置は「3.0SL」よりも「FIS SL」と同ライン、ガチガチの硬派仕様です。
「3.0SLをハードにした位」のイメージで乗っての大失敗、コメントも箇条書きでやや控え目に…。
・思っていたより板の自重やサイズの長さは感じず。
・フレックスはGS機的なメタル感全開の張り.硬さ。
・デモ機やセカンドSL機的なターン始動のオートマ感は無し。
・カタログスペック(R15)よりも大回り感が強い。
・あくまで高速域でナンボの板、中低速ではまぁ真っ直ぐ走る事。
・「乗れた」際の縦目ロングでは、板の落ち着きぶりが半端無く。
・但し一級レべルでは耐えるロングが精一杯。
・ターン中盤からの加速ではブーツが完全に役者不足(ラング110)。
・要するに板の性能を「引き出し切れませんでした」、と。

以上、こんな所処にて。
ニューモデル試乗インプレ、次回はロシ/ディナ篇になります。

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