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2015.08.03

●「戸隠山~黒姫山~飯縄山」.北信3/5岳トレラン.②

えー、先日の「北信三岳トレラン記」、続篇。
早朝に中社を主立、戸隠古道を経て奥社登山口から戸隠山へと向かいました。

そんな訳での山走リポ.その②「百間長屋~八方睨」篇になりまする。

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【写真上】百間長屋から西窟へは比較的平坦な山路。
「奥社からの急登パート」と「西窟からの難所鎖場パート」の繋ぎ区間と云った感。
オーバーハングした凝灰角礫岩群を横目に、息を整えつつ先を進みます。

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【写真上】百間長屋、岩場脇の崖路。
ウェットで足場の脆い片斜路もあり、気を緩めず慎重に。

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【写真上】見返り百間長屋。

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【写真上】正面には戸隠連峰.西岳群。
6時過ぎにはガス掛っていた西岳主稜線も、薄曇りの中に覗けて参りました。
これなら八方睨/戸隠山からの山景も期待出来そう。

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【写真上】西窟を過ぎると、直ぐに鎖場。
此処から先は鎖場と岩尾根が連続する難所エリアに突入。
鎖場も、一つ一つが長くて急峻な登岩パートとなって参ります。

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【写真上】西窟と天狗の露地の間に聳え立つ礫岩ピーク。
写真では解り難いですが湿り気の多い岩肌、所々に苔が生しています。

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【写真上】天狗の露地直下、約20m高低の沢状岩場。
戸隠縦走路は基本的に全て湿地路面。
梅雨から夏季に掛けて、ドライなコンディションは殆ど望めません。

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【写真上】.天狗の露地.直下の鎖場
スラブ岩壁を登ると、息付く間も無く次の鎖場。

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【写真上】約30m高低、直登→トラバース→ 直登の鎖場。
慎重に足場を選びながらの岩登、もう殆んどロッククライミング。
特に直登/トラバースの切り替えポイントでは焦り禁物、より慎重な三点確保で。

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【写真上】上から見下ろすと殆んど直角のイメージ。
楽しさ3割:怖さ3割:緊張感4割、と云った心持ちです。

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【写真上】トラバース/直登の鎖場を上り切ると、小踊り場に到着。
飯綱連峰は雲の中…。

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【写真上】黒姫山は辛うじて外輪山端のピークが望めました。
結局この日、北信五岳の遠望を見られたのはこれが最初で最後。
以降ガスに遮られ、山容のカケラも望む事は叶いませんでした…。

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【写真上】見返り岩を通過して、再びトラバース地帯へ。
ま~だまだ続く~よ~鎖場は~♪

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【写真上】胸付き岩.手前の鎖場。
足場の脆い軟岩帯を、ダイレクトに伸びる鎖場斜面。
しかもこの辺りから靄掛ったミストレインが降り始め、只でさえスリッピーな足場が益々滑り易くなって参りました。

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【写真上】鎖場のファイナルパートにてハイライト、胸付き岩。
「上を向~いて 登ろぉ~よ♪」。
斜度70度/15m高低の岩場、高度感を満喫(?)出来るスリリングな鎖場です。

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【写真上】足場を安定させないと、カメラ取り出す余裕もありません。
この日のシューズチョイスは「SALOMON/FELLAISER」、持ち合わせの中では最もラグの深い靴です。
それでも所詮はトレラン靴、本格的な岩登りでは屈折のヤワさやフラット形状からして頼りなく感じてしまいました。

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【写真上】胸付き岩を上り切ると、「蟻の塔渡り」「剣の刃渡り」に。
愈々戸隠縦走路の核心部、一息入れていざ出立。
しかし霧雨は相変わらず止まず、しかもガス掛っている…。

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【写真上】東は断崖絶壁。

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【写真上】西も断崖絶壁。
濃ガスで崖下の視界はゼロ、まぁその方が恐怖感は薄れます。

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【写真上】蟻の塔渡り.スタート地点。
此処によじ上るのに短い鎖場がありますが、以降は渡岩中に鎖は無し。

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【写真上】幅20㎝、長さ50mのナイフリッジ。
見るからに不安定な足場、しかも適度にうねってます。

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【写真上】蟻の塔渡り.アップ。
粗目の火山礫と火山灰を多く含んだ凝灰角礫岩。
凹凸が多い上に岩片の結合が緩く足場は不安定の極み、恐怖感を倍増させます。

撮影しながらの岩歩きは此処迄、以後塔渡りに専念します。
流石にまだ死にたくないので…。

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【写真上】蟻の塔渡りの踏破地点より、東崖下を見遣る
岩尾根を巻いてきたエスケープルートの鎖場が合流。
巻き道とは云え、このトラバース路も可也の危険ルートです。

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【写真上】続いて剣の刃渡り。
長さはたった5mですが、岩幅は蟻の塔渡り以上のナイフリッジ。
しかも起り形状の勾配がついており、巻き道(逃げ道)もありません。

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【写真上】カメラを片し、刃渡り開始。
岩尾根の真上を歩くのでは無く不動沢(東)側に半身落とし尾根上を迂回、トラバース気味に進みました。
マルバシモツケの咲いている場所に足場を取り、尾根上に手の支点を確保する形。

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【写真上】刃渡り終了、振り返って一写。
僅か200m弱の距離を8分以上掛っての通過、張り詰めた緊張感から開放されてほっと一息です。

けれど奥社登山口から剣の刃渡りの2.2㎞は、クセになりそうなスリル感。
急坂あり、直登鎖場あり、トラバース鎖場あり、ナイフリッジありのジェットコースター的ヒルクライムパートでした。
「嗚呼楽しかった、また(天気の良い時)来よっ」てな感じ。

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【写真上】剣の刃渡りを終えると、再び岩壁鎖場の取り付き。
八方睨はこの岩場上のピーク、目と鼻の先です。

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【写真上】八方睨到着。(time/1:50:36 dst/8.61㎞)
『八方睨は戸隠山東端のピークで、名前の通り眺めが素晴らしい』。
『西岳をまたいで北アルプスの山々が見え、飯縄山.高妻山はもとより遠く富士山まで展望は思いのままだ』。(昭文社/山と高原地図18.ガイドブックより)

「・・・・・・・・・、何~んにも見えません」。

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【写真上】正面には飯縄山とその支峰群、戸隠スキーが望めま…せん。
辺り一面「真っ白」、幾ら何でもコリャ無いよなぁ。
前日迄は晴れ続きだったのに、何故今日だけこんな天気に…。
ま、山の天気(しかも夏)に文句言っても仕方無し。
パノラマ眺望は諦めて、小休止の後に山行を進める事に致しました。

あと、僭越ながら一諫言。
戸隠山をトレイルランに使う際の「傾向と対策」を述べておきたいと思います。
①「正直、トレランには向いてません」
登山口からは激上り、続いて鎖場オンパレード、そして蟻と剱のナイフリッジ。
下りはスリッピーな沢下りと、同じくツルツル足場の鎖場。
八方睨から一不動の間のみ多少走れる程度(それでも危険箇所点在)、正直ランパートなんぞ殆んどありません。
今回私めが戸隠山を行程に組み込んだのは、単に戸隠ピーク踏みたさと山景眺望目当て。
純粋にトレイルラン楽しみたいなら黒姫山か飯縄山をメインに添えて、連絡路として古道.旧道を織り込んだ方が無難です。

②「出立は早朝原則、出来れば平日」
山行リポにもある様、西窟以降は難所続きの上り行程。
特に天狗ノ露地直下とその次のトラバース地点、胸突き岩の鎖場三ヶ所、そして蟻の塔渡り/剣の刃渡りの極悪岩渡り。
この5パート、フツーの昼間時間帯(特に紅葉期の週末)ではハイカー渋滞に巻き込まれる事必至です。
特に多人数のパーティーに前を塞がれるとタイムテーブルなんぞ有って無きにしが如し、一つのパートで20~30分の順番待ちなんてザラにあると思われます。
亦、人が多いと転倒や落石なんぞのとばっちりを食らう恐れもあり。
従いトレランに限らず、ハイカーの方でも健脚者やロング行程を組んでおられる方々は早朝出立が必須。
日の出時刻頃に奥社に着く位のプランを組んでおいた方が良いと思われます。

③「出来れば事前に岩場歩きを経験しておく事」
トレラン屋は純粋な山屋さんと違って、危険山路の踏破経験が極めて少ないです。
難度の高低は兎も角、岩場を含んだ山行は事前に経験しておきましょう。
実際に戸隠を登る場合、途中で無理と判断すれば引き返すのも手ですが、基本的に鎖場は上りより下りの方が難度の高いもの。
しかも登山者の流れと逆行する形になるので、西窟以降に進んでしまうと撤収すら難しくなります。

④「八方睨で一息入れるべし」
戸隠表山中、最もスリリング且つエクストリームな蟻の塔渡りと剣の刃渡り。
極度の緊張感を強いられる核心部ですが、踏破後は安堵感と達成感に満たされる事でしょう。
しかし精神的には緊張から開放されても筋肉の緊張は直ぐに収まらず、身体の動きのイメージが微妙にズレる時間(ふわふわした感じor動きが硬い感じ)が続いている恐れがあります。
プラス難所を越えた油断から、事故の危険性もまだまだ残ってます。
安心感(精神面)と緊張感(筋肉)の乖離を整える意味でも、一息入れて気を引き締める意味でも、八方睨でリセットタイムを取る事をお勧めします。

⑤「2000m弱の中級山」「距離8㎞行程」、の机上レベル判断は捨てるべし。
ヤマレコ等、数多の山行記録読みゃ解りますね。
⑥グローブ不所持と云った愚行は行わない事。
論外です。
⑦山岳初級者の方、ソロ山行は止めときましょう。
トレランやり始めて2~3年目、高山未経験の方とかが特に危うい。
⑧雨季の計画は呉々も慎重に(特に初踏破の方)。
真っ白闇の蟻/剱なんざ、命が幾つあっても足りません。

と、こんな感じです。
そんな訳での山走記、次章「八方睨~戸隠キャンプ場」篇に続く。

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