●2015/16. 二十八滑目「五竜&47」
えー、先週は「第六次白馬遠征」の滑走後記。
一泊二滑のショートステイ、今回のゲレンデは両日共「五竜&47」で御座います。
しかしまさかこの翌日、テレキャビンで火災事故が起こるとは夢にも思っていませんでしたが…。
そんな訳で以下、例に由っての滑走記になりまする。
・2月25日(木) 五竜&47
気温:-2~-9℃
天候:午前/曇りのち晴れ 午後/曇り 午後に入り風足強くなる
雪質:新雪無しも良雪、午後はアイシー化進む
【写真上】7:10、無人のテレキャビン乗り場到着。
ポールとBPをマーキングデポ、エスカルに戻って朝食&ストレッチタイム。
【写真上】7:15、とおみゲレンデにて一写。
山頂は厚靄に覆われていますが、昨日と違いガスが動いて時折青空も覗けます。
これならガスの引く可能性は充分、まぁこればっかは天運任せ。
【写真上】7:55、スカイフォー待ちの際に一写。
山麓部は暫くまとまった雪が降っておらず、スノーマシン頼みのコース維持。
朝の冷え込みとピステンで締まってはいるものの、「ザラメ感全開」のバーンコンディションでした。
【写真上】8:15、今日もゴンドラ一番乗り。
薄晴れの水青空の元、清静さを感じさせる雪化粧の谷筋。
ゴンドラ眼下には、何時もに増してクール&ビューティな風景が広がっていました。
【写真上】そして一面には霧氷群。
梢枝の隅々まで白く染め上げられた落葉樹林、ホント「六花満開」てな感じです。
【写真上】8:25、テレキャビン降り場にて。
東の空には雄大にて荘厳な光景、分厚い雲海が広がっていました。
流石にこれには足を止め、一枚撮ってから先を急ぎます。
【写真上】8:25、アル3乗車。
グランプリは丁度薄靄が引き始めた所処。
こりゃスーパーな滑走日和、「THE DAY」となりそうです。
【写真上】2分後、キレーにガス引きし後のグランプリ。
キレーに圧雪された幅広バーンには、薄ら数㎜のファンデーションパウダー。
見るからにソフトな面ツルバーンは、まるでコーデュロイ模様を秘め隠してるかの様。
パトロールのシュプール跡すら無い、文字通りの「バージンバーン」。
コレみんな俺のモノ、もー涎が止まりません。
【写真上】まるで雲海に飛び込んで行くかの様なシチュエーション。
「さーて、頂っきまーす♡」
前日濃ガスの為、殆ど荒らされていないグランプリは極上のコンディション。
雪面タッチ/トップの捕え/エッジの噛み/板の走り、全て文句無しです。
ソフト&デリケートな雪面タッチが心地良いトッピングパウダーの感触、そして踏み込めばコーデュロイを切り裂くエクスタシーな足裏感覚。
と、正にスーパーな「朝イチグランプリ」スタート。
昨日の分も取り返すが如く、「至福の高速ロング回し」モーニングタイムです。
【写真上】8:35、朝イチグランプリ2本目。
引き続き、鳥肌モノのかっ飛びロング。
チョット薄靄が流れてきましたが、視野は充分です。
【写真上】8:45、3本目…。
靄が一面に広がり出し、「空」と「雲」と「雪面」の境が解らなくなってきました…。
目イチのロングは難しいものの、まぁミドル~ショートでは回せるレベル。
何せ雪がイイもので、他少の視界不良なら我慢出来ます。
【写真上】8:55、4本目…。
グランプリのボトム~ミドル部は完全にガスの支配下に。
おいおい、一寸待ってクレヨン…。
【写真上】9:05、5本目…。
視野が利くのはアル3降り場から10数mだけ、まるで白闇に突っ込んて行くかの様な有様です。
最早ショートで回す事すら難しい濃靄状態、しかもガス具合は悪化の一途。
結局「至福の朝イチグランプリ」大回りタイムは僅か2本で終わってしまいました。
この後もう1本滑って無念の撤収、もう47方面へ向かうしかありません。
「あーあ、昨日と同じパターン…」。
【写真上】9:15、ルート8。
嗚呼、こっちはこんなに晴れてるのに…。
「腐れガスの莫迦野郎!!!」
【写真上】9:20、47ルート1。
ガスこそ免れていますが、R1も曇天のフラットライトコンディション。
さっき迄の「スーパーな冬晴れ」は何だったんだ…。
ま、バーンコンディションは前日に較べギャップも無く良好。
空いてる時間帯を逃す手は無く、コース幅を一杯に使ったミドルで一気下りタイム。
【写真上】9:40、あらら…こっちも天候下降線。
47もトップ~ミドルではガスが掛ったり引いたり、曇空からは雪も降り始めました。
しかも弱風も吹き始め、体感温度はグッと下がって参ります。
「今日の予報は外れだな…」、と靄下でのアクティビティに腹を括っていたら…。
【写真上】10:25、ラインC乗車中にて。
「突如晴れてきましたっ!!」
鉛色の空模様から僅か数分の劇的展開、一気に突き抜ける様な青空に。
【写真上】同、ラインCにて、満開の白銀六花。
クリアに澄んだ青空に映える、Glitterな風景。
こりゃ急ぎグランプリに戻らねば…。
【写真上】ラインEより、右手に山容を現した五龍岳。
「曇天」「ガス」「風」「雪」から僅か数分でこの快晴モード、何て極端な変わり様。
【写真上】10:40、戻ってきましたグランプリ。
早朝の「腐れガス」が嘘の様な、ドピーカンの快晴。
遅蒔きながらの「THE DAY」スタートです。
【写真上】波頭立ち、千切れる雲。
刻一刻と姿を変える雲相は正に「ダイナミック」の一言。
動画撮っときゃ良かった…とチト後悔。
【写真上】至高の「かっ飛びタイム」リスタート。
濃靄に覆われていたお陰で、バーンコンディションはスタート時の良質さを維持。
滑走荒れも殆んど無く、新雪ピステン特有の柔らかいタッチすら残っています。
ドラスティックな天候回復直後は滑走者も少なく、気兼ね無く高速ロングで回せる「ハッピーアワー」が続きました。
しかしこれも時間の問題、山麓からゲストが流れ込んでくる迄が勝負です。
【写真上.下】11:10、続々とゲストが増えて参りました。
それでも思っていた程の混雑は無く、テレキャビン合流地点迄は横幅を取ったロング~ミドルで無理無く回せました。
しかも上掲通り絶好の雪質コンディション、雪面コンタクトやエッジグリップにには全幅の信頼を置けるバーン状況なので、ターンサイズやスピードコントロールも自由自在です。
こうして「昼ナカ快晴下」のグランプリ回しを満喫。
人出ピークとなった正午前に、一旦ゲレンデボトム迄下りると致しました。
【写真上】11:50、ダイナミックもコンディションは上々。
荒れも少なくフラットなバーン状況、カービング利かせたショートで一気下り。
トップの捕えもエッジングからの加速も思い通り、自在に板の操作が出来ました。
【写真上】12:00、とおみゲレンデボトムにて。
「グラニュー糖」だった山麓部の雪は陽射しで融雪、しっとり「和三盆」状態に。
アルプス平との雪質ギャップに戸惑いましたが、板の走り自体はまぁまぁでした。
この日は何時もに較べ身体の疲れ具合が早く、早めの休憩。
ランチタイムの後、再びグランプリに向かいます。
【写真上】12:30、三たびグランプリへ。
北西の青空はすっかりと雲に隠れてしまいましたが視界は良好。
バーンの荒れもそれ程進んでいません。
しかし休憩明けにも関わらず、身体が重く感じスキーにしっかり乗れません。
「うーん、調子オカシイな…」。
滑りながら理由を考えてると、多分原因は昨夜のナイタースキー。
単に疲労回復の時間が3時間少なくなってしまったのが、何時もより早い疲労蓄積の表面化となってしまったのでしょう。
このままダメダメ滑していても宜しく無いので、コース難度を下げて微調整タイム。
47.ルート1で滑りのメカニズムチェックをする事に致しました。
【写真上】13:20、ルート8トップより正面北側を望む。
雨飾山から焼山.火打山.妙高山と連なる頸城山塊。
11時以降は北~東南のパノラマ展望にも恵まれた一日となりました。
【写真上】同、飯綱連峰。
この日の山景で一番見栄えがしたのが飯縄山とその支峰群。
こうして見ると戸隠スキー場が飯綱連峰に位置しているのが良く解りますね。
右の飯縄山から尾根沿いに続く霊仙寺山、手前の瑪瑙山.高デッキ山.怪無山の頂もクリアに見晴らせました。
【写真上】13:25、暫くラインC回し。
取敢えず中速レベルでスキーに「しっかり乗る」事を心掛けた滑り。
外腰の位置と膝の入り具合をチェックしつつのトレーニング滑です。
R1で1時間半程回した後は、グランプリへ戻りました。
【写真上】15:30、四たびグランプリ。
この時間帯のグランプリは気温低下と共に横殴りの風が強くなり、バーンも一気にアイシー化していきます。
まな板っぽくなったコース荒れも伴い「板は叩かれ気味」「乗り位置遅れ気味」。
すっかりとテクニカルなコンディションに変わっておりました。
うーん、疲労困憊の膝回りと広背筋には堪えます…。
【写真上】15:40、風は次第に強くなり、体感温度も一気に低下。
風速は常時5~6m/s、時折10m/s程の強風が風吹いてきました。
気温は-5℃位ですから体感では-10~-20℃。
頬や指先の感覚は「寒い」から「痛い」へ変わって参ります。
【写真上】「ブゥゴォォォオ」、遂に地吹雪も発生。
グランプリに戻って僅か3本目、身体の芯まですっかりと冷え切ってしまいました。
折からの滑走疲労に加えて「硬バーン」「極冷え」のトリプルパンチ。
気持ちはマダマダ滑りたいのですが、残念ながら身体が付いてきません。
そんな訳で已む無くグランプリ撤収、下山する事と致しました。
【写真上】16:20、ラストは「いいもり修練場」へ。
コスモフォーに人影は見えず、夕刻いいもりお決まりの風景。
しかし「硬コブ&ザラメ吹き溜まりのストレートウイスキー」「ナチュラルバーン&クラストのコスモリバー」で回す体力は残っておらず、ポールセット後のサニーウェイで「緩めの〆」と致しました。
と、こんな感じの第六次白馬遠征、「That's all」。
今回は二日間共、朝イチのゴールデンタイムをガスにヤラれてしまいました。
その代わりに初日は夕刻/二日目は日中に天候回復。
良コンディションの時間帯にも恵まれたので、「まずまずの遠征」と云う結果で。
しかしこの翌日にまさかの「テレキャビン火災事故」発生。
うーん、次回の白馬遠征、ゲレンデチョイス如何しようかな…。
因みに件火災に就いては、前日ログに詳細記しています。
おしまい。