●「乗りたいモノ」「乗りたくないモノ」
えー、「滑りに行ってようが」「行ってなかろうが」、日毎スキー話の続く弊ブログ。
今日は自宅で大人しくしてますが、矢張りスキーネタのエントリーなのでして。
其処で例に由って、「ブッシュからスティック」なクエスチョン。
スキー場の「乗り物」と云って、何を思い付きますか?
「ロープウエー」「ゴンドラ」「リフト」等の索道施設。
「スノーモービル」「除雪車」「圧雪車」と云ったエンジン付きのもの。
お子様向けの「そり」に、あと「スノースクート」つーの有りますね。
まぁ「スキー」「スノボ」自体も、乗り物っちゃ乗り物かも知れません。
で、その中で「絶対」乗りたくないヤツがコレで御座います。↓
パトロールさんが怪我人を搬送するソリみたいなやつ。
この傷病者搬送用ボート、正式名称を「アキヤボート」と申します。
「うーん、乗りたくないですね…」
ソコソコ滑走歴のある方なら想像出来るでしょうが、カサのある重量物を引きつつ、落下速度の調整をして滑り降りるのってのは可也至難の業。
(アキヤボートの本体重量はカーボン製で約15Kg、アルミ製だと約28㎏)
しかも荷物は「怪我人」ですから安全.迅速は勿論の事、搬送中の振動も最小限に抑えなくてはなりません。
加えてゲレンデの事故なんてのは、往々にして視界不良の際に良く起こるもの。
「ガスってたり」「吹雪いてたり」する天候下でのレスキューも多いでしょうし、コースだって「グサってたり」「ガリってたり」「ボコってたり」…。
スキーの技量や体力は元より、高い判断力と経験値が求められます。
因みにアキヤボートの搬送に携われるのは、SAJ1級以上の公認スキーパトロール従事者のみ。
その搬送技量を競う「スキーパトロール技術競技大会」なんてのも御座いまして。
と云う訳でスノーマッドの皆様方。
ゲレンデでは「安全な滑走」と「滑走エリアの厳守」を心掛けて下さいね♪。
逆に一度乗ってみたいのはコレ、「圧雪車」。
写真のピステン車種は「PistenBully300」で御座います。
「うーん、作業中に乗ってみたい…」
因みに圧雪車の簡単な機能説明ですが。
キャビンのフロントに付いている作業板が「ブレード」、斜面に圧を掛けバーンに出来ている大小の起伏(コブ)を削ります。
リア側の作業板が「ティラー(ミル/ロータリー)」、ブレードで均した表雪を攪拌しバーンを固めます。
オペレーターにはバーン片斜部の傾き高低差をフラットに均す平衡感覚や、その日の雪質によってティラーを調節する技術と経験が求められます。
ぱっと思い付いただけでも「ブレード/ティラーの加圧具合」「前後左右の傾き.深さ調整」「ティラーの回転速度」「圧雪車自体の速度」…。
しかもコース整備は深夜に行われますから、当然ゲレンデは「真っ暗闇」。
その上雪が降ってたり、下手すりゃ吹雪いてたりの中、ヘッドランプ(+僅かな照明光源)だけの環境下で圧雪作業が行われます。
作業時間は概して20時頃から早朝8時頃。
夜間に圧雪作業を開始するのか、リフト営業前開にあわせて深夜~早朝に行うのかは、その日の天候次第。
何れにせよ昼夜逆転な「夜勤」のオシゴト、圧雪オペレーターには精神面のタフさも求められるのです。
と云う訳でスノーマッドの皆様方。
「朝イチのピステバーン」には感謝の気持ちを忘れぬ様にね♪。
以上、スキー場小ネタ集、「乗りたいモノ」「乗りたくないモノ」でした。