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2016.08.06

●「長沢背稜~雲取山~石尾根」縦走トレラン.その③

えー、先月の奥多摩主要二尾根「長沢背稜~石尾根」山走記、続々篇です。
東日原からヨコスズ尾根をアプローチに取り、黒ドッケから三ツドッケ~芋ノ木ドッケと長沢背稜を西進。
雲取秩父縦走路を経て雲取山に到着、石尾根伝いに奥多摩駅に向かいました。

そんな訳での山走記その③「雲取山~奥多摩駅」篇になりまする。
尚、コース詳細は昨年の山行記ログ(↓)に詳しいので、今回は簡略版と云う事で。
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2015/07/post-3ab8.html

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【写真上】14:20、雲取山から下山開始。
伸びやかな防火帯の下、佳景が広がる稜線トレイル、なのですが…。
周囲はガスに覆われ、正面の七ツ石山も右手の飛龍山も濃靄の中。
眺望ゼロの白闇に向かって下りて行きます。

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【写真上】ヨモギノ頭直下の石積み急斜面。
雲取山~ブナダウへは、小雲取山とヨモギノ頭の直下がザレた急斜面。
この2つ以外はランで賄える下りパートです。

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【写真上】この日最後の登坂パート、ブナダウから七ツ石山への上り。
石尾根縦走路は尾根伝いのピークさえ巻いてしまえば、ほぼフラットな山路構成。
コレを片付けると、後は「至高のトレランタイム」が待っています。

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【写真上】14:50、七ツ石山通過。(Time/5:56:08 DST/27.59㎞)
残り行程は約16㎞も、此処から先は殆ど走りっ放しでオケー。
日没30分前、リミットの18時迄には下山出来そうです。

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【写真上】七ツ石山より、見返り石尾根。
一面真っ白だった小雲取山方面が…

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【写真上】一瞬だけクリアな見晴らしに。
体感で風の強さは全く感じないのですが、兎に角上空の雲.靄の動きが早い。
うーん、少し天気が不安になってきた…。

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【写真上】七ツ石山からはのトレイルは…、

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【写真上】至福の高速フラットコース。
巻き道(水源管理道)をチョイスすれば、平坦基調の山路が大部分を占める石尾根。
特に七ツ石山~六ツ石山分岐間の9.5㎞はトレイルランナーにとって、極上のロングトレランパートです。
しかも雲取側からの東進ルートは、極々ビミョーな下り基調。
平坦路に較べ明らかに足の運びが軽く、程良い加速度が付いてランペースが「グイグイ」と上がります。

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【写真上】15:10、鷹ノ巣山避難小屋通過。(Time/6:27:39 DST/32.13㎞)
七ツ石山からの4.5㎞を30分弱で処理、㎞/6分台の高速ピッチで到着。
ベンチに腰を落ち着け、10分程のシリアルタイムを取る事に致しました。

駄菓子菓子…。

鷹ノ巣山避難小屋を発ち、10分程すると「トンデモ」な天候激変。
シャレにならない事態となります。

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【写真上】「鬼スコール」発生…。
「ポツポツ」と雨雫が落ちてきたかと思うと僅か数秒…。
まるで石飛礫の様な豪雨が「バッシャバッシャ」と降り注いで参りました。
落葉樹に覆われた林間にも関わらず樹々の梢葉が雨除けの役に立たない程の豪雨、3分と経たないうちにシューズは被弾浸水、全身濡れ鼠です。
勿論山路もマッドスリッピーな泥濘トレイルへ変わって参りました。

更に肝を冷やしたのが、間断無く鳴り響く雷鳴
地形的に至近落雷の危険性こそ少ないものの、鳥肌モノの恐怖を感じました。

「常識的に考えて、即時山行中断すべき天候です」。

しかし鷹ノ巣小屋を発って既に2㎞以上進んでおり、避難小屋に戻るのと六ツ石山に進むのとは大して時間は変わりません。
六ツ石山に出てしまえば棒ノ木尾根をエスケープルートとして奥多摩湖へ下りれますし、小降りになれは当初の予定通り奥多摩駅に向かえます。
逆に避難小屋に戻ってしまうと日没時間からして小屋での一泊は必至。
着替えや携帯食など最低限の夜越え物資は持参していますが、出来ればトレランのライト&ファスト軽装備で避難小屋泊は避けたいもの。

兎に角「一分」「一秒」でも早く、六ツ石山の分岐に到着すべく走を進めました。

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【写真上】雨が川になって流れていきます。
山路は最早濁流、殆ど沢下りの態。
標高を下げているにも関わらず、気温は一気に約7℃低下して17℃。
肌を打ち続ける雨で体温も低下していきます。
不幸中の幸いだったのは季節が夏場で支障の出る低温にはならなかった事と、熟知のコースだった事。

正直、若しスコール発生があと15分早ければ…。
「間違い無く避難小屋で一泊していた事でしょう」。

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【写真上】40分後、漸くスコールが収まりました。
「嗚呼、止んでくれて助かった…」。
しかし残されたのは、水浸しの浅瀬トレイル。
うーん、何処を走りゃイイんだ…。

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【写真上】16:05、六ツ石山分岐を通過。(Time/7:12:47 DST/37.45㎞)
鷹ノ巣山小屋から此処迄のパート、4.9㎞を40分弱で処理。
しかしランを楽しめる余裕はカケラも無く、文字通り「必死」の山走でした。

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【写真上】この日のラスボス、狩倉山直下の急坂下り。
掘りの薄い一枚斜面×三段構成、膝に厳しい蛇行ダウンヒル。

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【写真上】急坂途中にて、眼前には大岳山の雄姿。

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【写真上】続いて、樹間より望む御前山。
雨上がり後の靄切れ空、まるでさっき前のゲリラ豪雨が嘘の様です。

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【写真上】三ノ木戸山.石尾根分岐を通過。
此処迄戻って来ると一安心、一時極限迄張り詰めた緊張感が漸く弛緩。
あと1時間程度で登山口に辿り着きます。

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【写真上】分岐より、も一度御前山。
タイムテーブル的にもメンタル的にもやっと余裕持ち。
漸く落ち着いて景色を味わえる事が出来ました。

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【写真上】深く抉れたU字溝、例の杉林区間。
只でさえ粘土質の赤土が露出した浸食路面。
更に鬼スコールが追い打ちを掛け、殆どタール状のマッドスリッピーなコンディションとなっています。

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【写真上】杉林を過ぎても泥濘悪路は続きます。
このルートは粘土質土壌の上、スコールの濁流で足場は更に脆弱に。
「滑る」「沈む」「崩れる」「汚れる」と、四重苦の下山でした…。

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【写真上】17:05、石尾根.六ツ石山登山口に到着。(Time/8:07:14 DST/42.35㎞)
ふう、何とか無事下山。
一時は如何なることかと、ホント肝を冷やしました… 

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【写真上】三ノ木戸林道より、奥多摩の山景色。
雨上がりに覗く薄青空と夕靄棚ぶ中、正面に鍋割山、右手に大岳山。
嗚呼、何だか心安らぐ穏やかな風景です。

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【写真上】17:20、奥多摩町のタイムズマートにてフィニッシュ。
「山行オツカレ」の缶ビールを飲って〆と致しました。
尚今回の山行スタッツは以下の通り。
・走行時間/8:23:57 ・走行距離/44.01㎞(㎞/10:03av) ・獲得標高/3431m

以下、今回の奥多摩主要二尾根「長沢背稜~雲取山~石尾根」コース。
傾向と対策は昨年ログに詳しいので、そのままコピペ+加筆補正程度にて。

全行程約44㎞のうち、その半分を走れるパートとなっているこのルート。
長沢背稜の「天目山~長沢山間/11.3㎞」の約7割、石尾根の「雲取山~六ツ石山間/13.3㎞」の約8割が快適なラン区間となっています。
加えてアプローチルートとなるヨコスズ尾根や、下山ルートの三ノ木山以降も走れるパートが多く、文字通り「スタートからフィニッシュまで走りまくれる」縦走路。
これだけのロングディスタンスをランで賄えるルートは奥多摩でもこのパターンのみ、「最強のトレランコース」と云っても過言ではありません。

しかも目立った登坂区間は序盤(東日原~滝入ノ峰)と中盤(長沢山~芋ノ木ドッケ)で終えており、後半はショートパートの上りが二ヶ所(雲取山.七ツ石山)あるだけ。
石尾根に入ると殆んど平坦路なので、体力面でも行程進捗面でも余力残しの山行が楽しめます。

更に水場や避難小屋、エスケープルートが多いのも初挑戦の方には心強い味方。
但し「芋ノ木ドッケ→三峯神社」「七ツ石山→アカザス尾根」「鷹ノ巣山→榧ノ木尾根」の下山ルートは所要時間からして余りお勧めしかねますが。

弱点としては長所の裏返し。
長沢背稜/石尾根共に巻き道がメインの為、山路構成が単調すぎる点。
共に似通った行程が延々続くので、途中で少し飽きてくるかも知れません。

と、こんな感じの「長沢背稜~雲取山~石尾根」山走記、最終篇。
おしまい。

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