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2016.11.17

●「丹波道~大菩薩嶺~小菅道」旧青梅道縦走トレラン.②

えー、先日11/6は大菩薩嶺.山走記の続篇。
丹波山村より「村営釣り場/貝沢川ルート」で丹波大菩薩道に入り、藤ダワ~追分~ノーメダワと続く平坦トレイル&紅葉トレイルを快適ラン。
ノーメダワからもハイペースで西進、フルコンバを経て大菩薩峠へと向かいました。

そんな訳での「丹波山村~大菩薩嶺~小菅村」トレランリポ、その②。
「ノーメダワ~フルコンバ~大菩薩峠」篇になりまする。

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【写真上】ノーメダワからフルコンバへは約3.8㎞。
追分から始まった平坦トレイルは継続、ランに持って来いのトレイルが続きます。
只、追分~ノーメダワ間に較べると少し脆弱な山路コンディション、所々で足場の沈む箇所が見受けられました。

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【写真上】ハウチワカエデの落葉トレイル。
「ガッサガサ」「パリッパリ」と、心地良い破葉音を立てながらのラン。

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【写真上.中.下】紅葉風景も引き続き「絶好調っ」。
焼き付ける鮮色の椛葉こそ少ないものの、包み込まれる様な暖色の紅葉トンネル。
ナラ.ブナ.カエデ主体の落葉樹帯はまだ暫く続きます。

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【写真上】ノーメダワ~フルコンバ区間も中間を過ぎると、落葉樹林帯はお終い。
冷害対策の黒腹巻を施された檜林帯に入ります。
これ迄の錦秋トレイルとの色合いギャップが極端で、何だか「お葬式」みたいに見えてしまいました…。

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【写真上】でも、コレはコレで良し♪。
檜葉とウッドチップの堆積した、ソフトクッションのトレイル。
心地良い足裏感覚を楽しみつつの、快適ランパートが続きます。

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【写真上】二連の長い桟橋を過ぎると、フルコンバはもう直ぐ。
フルコンバまで残り1㎞を切った辺りから、上り基調が少しづつ増してきます。
まぁ、それでも「平坦路」って表現しても差支え無いレベルでけど。

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【写真上】11:45、フルコンバ通過。(Time/2:14:47 DST/12.83㎞)
左右両側を広く伐採された、草原状の尾根踊り場。
北面の見晴らしが利く明朗な小平地、ベンチも設置されており一息付くには絶好のポイントです。

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【写真上】フルコンバより、北面の眺望。
ヤッホー♪、爽秋の高晴れ「パノラマ日和」。
笠取山から飛龍山、奥秩父主脈.東端の山々が一望の元に見晴らせました。

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【写真上】同、西側より近景。
左端に笠取山(西峰)、鞍部と水干尾根を経た台形状稜線に黒槐山と2044P。
あの辺の奥秩父主脈縦走路も、そのうち走ってみたいなー。

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【写真上】同、ちょい右側をズーム。
中央やや左の頂は唐松尾山、鋸状稜線ピークの真ん中に御殿岩。
右端の稜線下には和名倉山への登山口、牛王院平と山ノ神土。

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【写真上】同、中央東側をズーム。
左端の伐採地手前の鞍部に将監峠、伐採地稜線右の三角に尖がった黒い頂がリンノ峰、その右奥には東仙波が小さく覗きます。
手前の尾根路が奥秩父主脈、中央の頂が竜喰山。
今夏の「奥多摩~和名倉山トレラン」で踏んだ山々です。

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【写真上】同、東側をズーム。
竜喰山より続く尾根筋、左端の解り難いピークが大常木山。
鞍部大ダルを経て一際重厚な山容を誇るのは、奥多摩山域最西端の飛龍山。
その右に附す小頂が前飛龍、右端最奥には三ツ山の頂群稜線。

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【写真上】フルコンバから大菩薩峠へは約1.6㎞の上り行程。
藤ダワへのアプローチ以来、久~し振りの明確な上りパート。
しかし急坂的な登坂は皆無、緩~中勾配中心の与し易いヒルクライム。

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【写真上.下】11:55、ニワタシバ通過。
フルコンバ~大菩薩峠の中間辺りの分岐、漢字に直すとそのまま「荷渡し場」。
武州甲州の交易路として重用されていた、旧街道峠道の趣が残る地名です。

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【写真上】山路にも旧道風情が残っています。
古の「甲州裏街道」の名残、所々に石畳の路面が見られました。

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【写真上】「押して上る」人。
この日の午前中、丹波大菩薩道では5~6人のMTBパーティーを2組見かけました。
会釈しつつ軽く言葉を交わすと、皆さん帰りには牛ノ寝通りを使うとの事。
トレイルランナーとMTBライダーは、互いに山路コンディションの好みが近似。
「絶好のトレランコース」は「絶好のオフロード」でもあるんですよね。

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【写真上】奥多摩方面に三頭山を望む。
大菩薩峠の直下付近では、時折西面の眺望が開けます。

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【写真上】右手に稜線が近づいてくると、上り切った所処が大菩薩峠。
しかし一足登には上り切らず、北東方面に広がる「スーパーパノラマ」を堪能してから大菩薩峠に向かいます。
「峠ちょい下」のこのポイント、奥多摩方面の絶景ビュースポットなのでして↓。

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【写真上】雲取山~七ツ石山~鷹ノ巣山の、石尾根西部パノラマ。
左手前から右に伸びるのは、今まで辿って来た丹波大菩薩道の稜線。
石尾根との間はミカサ尾根~天平尾根の稜線も望めます。

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【写真上】七ツ石山~鷹ノ巣山~六ツ石山の、石尾根東部パノラマ。
丹波大菩薩道の右奥には鹿倉山~大寺山へと続く尾根筋。

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【写真上】奥多摩三山のパノラマ。
手前に伸びるどっしりとした尾根路は帰途で使う牛ノ寝通り。
こうして見ると、ホント「牛の背」って表現がぴったりの重厚さです。

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【写真上】石尾根近景.その1。
パノラマの西端に聳えるは雲取山、右手の小頂が小雲取山。
防火帯の縦走路もくっきりと望めます。

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【写真上】石尾根近景.その2。
左より七ツ石山、平坦部の千本ツツジを挟んで中央のこんもりした頂が高丸山。
右手の日蔭名栗山には伐採跡の草原帯も目視出来ます。

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【写真上】石尾根近景.その3。
日蔭名栗山からの鞍部を挟んで、左手に屹立するのが鷹ノ巣山。
ピーク感の乏しい水根山.城山と平坦部を経て、右手に六ツ石山。
六ツ石山の左にちょっこり頂を覗かせるは川苔山。

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【写真上】奥多摩三山、近景。
左に御前山、中央最奥に大岳山、右手に三頭山、附して大沢山。
手前の広い尾根路は牛ノ寝通りの、大マテイ山~鶴寝山と続く稜線。

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【写真上】12:10、そんな訳で大菩薩峠到着。(Time/2:38:08 DST/14.50㎞)
大菩薩峠から大菩薩嶺へと伸びる稜線は明朗にて雄大。
視界の開けた左手には南に「富士山」と「大菩薩湖」、西には「甲府盆地」と「南アルプス」の絶景パノラマが広がっています。

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で、今回往路で使った丹波大菩薩道に就いての解説です。

丹波大菩薩道(藤ダワ~大菩薩峠)の距離は11㎞強、標高差は約970m。
尾根路とは云いつつも実際は稜線の少し下を巻いた山路取りとなっているので、総じて平坦基調の穏やかなトレイル。
上りらしい上りはフルコンバから大菩薩峠の1.7㎞のみなので、藤ダワ(丹波大菩薩道)に至る迄のアプローチパートが一番しっかりした登坂区間となります。
尚、目安となる各区間毎のデータは以下の通り。

・藤ダワ~追分 (約2.9㎞ ・高度上昇440m/高度下降90m)
緩い上りの中に平坦路が混在、暫くすると谷へ下りマリコ川の清流沢沿いトレイル。
沢を過ぎると追分に向けて中勾配の上り、追分に至ります。
・追分~ノーメダワ (約2.5㎞ ・高度上昇190m/高度下降170m)
前半分が極微の上り、後半分が極微の下りの山路構成。
総じて超フラットの高速トレイル、ほぼ走りっ放しでオケーです。
・ノーメダワ~フルコンバ (約3.9㎞ ・高度上昇510m/高度下降230m)
前半部はフラットで快適なランパート。
中盤を過ぎると少しづつ上り基調となり、最後の1/3は緩やかながらはっきりとした上り勾配、ランオンリーでは辛くなります。
・フルコンバ~大菩薩峠 (約1.7㎞ ・高度上昇270m/高度下降40m)
明確なヒルクライムパート、但し殆んどが緩~中勾配の山路構成。
牛ノ寝通りの「
榧ノ尾山~石丸峠」の上りに較べれば全然楽、健脚ランナーなら20~25分程度で処理出来る上りです。

今回初めて大菩薩嶺への上りルート(往路)として使いましたが、行程の半分が走れるトレイル。
特にそのハイライトと云えるのが「追分からノーメダワ」+「ノーメダワからフルコンバへの中間地点辺り」の約4.5㎞です。
少しずつ高度を上げているのは間違いないものの、そんな事が全く気にならない快適なトレイルが続きます。
因みに丹波大菩薩道を下り(大菩薩峠からの帰路)で使った場合、コレが更なる「極上」のスピードトレイルに変化。
フルコンバ~藤ダワの9.3㎞区間は、行程全てを「走りっ放し」と云っても大袈裟じゃありません。

丹波大菩薩道、唯一の欠点は手軽なエスケープルートが無い事。
あと、強いて云えば水源巡視路が故の巻き道的な単調さ。
まぁこれに就いては今回の「紅葉トレイル」や5月頃の「新緑トレイル」の時期を選べば、周囲の景色も楽しめて飽きる事は無いでしょう。

牛ノ寝通りも同様の穏やかな平坦尾根路ですから、この両コースを大菩薩嶺で結んだ山行プランを組めば、どっちから回っても「走り放題」のスーパーなトレランコース。
しかも年中通してメチャクチャ空いており、今回の紅葉時期ピークの日曜日ですら、見かけたハイカーは往路/丹波大菩薩道で20人弱、復路/牛ノ寝通りで4人。
「山貸切」の気分を味わいたい方には、是非お勧めのコースです。

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と、こんな感じの「小菅道~大菩薩嶺~丹波道」トレラン.山走記その②。
大菩薩峠からは大菩薩嶺をピストン、スーパービューを楽しんだ後は石丸峠から牛ノ寝通りに向かいました。
つづく。

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