●書架彼是 25
えー、今秋走活第二戦「上尾シティマラソン」まであと10日。
そんな訳で毎年この時期の読書ルーティーン。
書架から古い文庫本を引っ張り出し、レースに向けてテンションを上げるのでした。
確か最初に読んだのは文庫本が刊行されて間も無い頃。
もう8年くらい前の事です。
まぁ人口に膾炙した著名な作品なので詳細解説は不要。
「マラソン(駅伝)ファンタジー」的な内容ではありますが、主要登場人物が其々キャラの立った魅力的な学生達。
何より「悪いヤツ」が居ないのでストーリーの展開が気持ち良く進み、読み終えた後にも爽やかな余韻が残ります。
差し詰め「駅伝を題材とした青春群像小説」と云った感じでしょうか。
また、トレーニングやレースの描写が驚く程のリアリティさ。
作者が陸上未経験者とは思えない程のしっかりしたディテールなので、ガチの市民ランナーから陸上ブカツ経験者、ファンランレベルのジョガーまで幅広く楽しめる一冊だと思います。
あ、勿論「走るのなんて大嫌い」って方にも是非読んでもらいたく。
正直たった5ヶ月の練習で王子に1万m/36分台で走られちゃ、こっちの立つ瀬が無いのですが、それもフィクションの面白い所処。
「小説は事実より奇なり」と云う事で。
・風が強く吹いている 新潮文庫(2009)
三浦しをん 著
あ、それと大事な事を云い忘れてました。
何故この時期にこの本を読むのかと申しますと、主人公達が参加する大会として「上尾シティマラソン」が作中に登場しているのです。
描写自体はサラッと済まされてますが、自分が毎年走っているレースが小説中に描かれているのは何だかウレシイもの。
と云う訳で「ファンタジー」と「リアリティ」を繋ぐマラソン大会、上尾シティ迄あと10日。
但し、大会当日に「風が強く吹いている」のは困りモノですけどね。