●「お茶挽き」との付き合い方
「五月雨の つゆもまだ干ぬ 軒庇に 紫黄昏下りる 夏の夕ぐれ」
えー、今朝未明からの大雨もやっと止み、雨上がりの夜空よりコンバンワ。
寂蓮の本歌取りを口遊みつつ、店先お掃除中の弊亭酒司で御座います。
所処で気付けばお店オープンから「早や半月」。
内装外装に店内の設え、カウンター内の動線作りにモノの置き場所。
「お店」としての基本的な骨格も漸く固まって参りました。
とは云ってもお店オープンから「未だ半月」。
「空調」「椅子」「水回り」と、手を入れないといけない箇所が三つ残し。
そして「何とか食ってはいけそう」なものの、基本的には暇している毎日です。
一般的に飲み屋が新規開店する際は旧知のゲストや親しい同業者に隈なく報を送り、「新しいお店」に「新しいお客」が付くまでを食い繋ぐ、ってのが世の常で御座います。
しかし今回はそんな告知を一切行わなかった上に、店先に看板出したのもつい先日。
コレでお店が繁盛すると考えてりゃ、そりゃ世の中「舐め切ってます」。
お店開けてから「お茶挽き」の日々が続く事はまぁ仕方の無い事。
「ヒマ」は「ヒマ」として受け入れつつも、腐らず前向きに寛容に。
寧ろ店主が絶対にやっちゃいけないのは「暇に負ける」事なのです。
例えば…。
あまりにも人が来ず、ノーゲストの時間が続く事3時間。
時計を見ると閉店1時間前、しかも外は雨。
「今日はもう人来ないから、早仕舞いして帰っちゃお」
例えば…。
珍しく早い時間から何組かのゲストが来店、単日ノルマはクリアし一安心。
しかしその後、客足はパッタリ途絶えてしまいます。
「今日はソコソコ売りあったし、少し早いけど閉めちゃおっと」
例えば…。
私用や寝過ごしでお店への入りが遅れ、準備でバタバタしてるとオープン10分前。
開店時間にはギリギリ間に合いそうです、しかし…
「どうせ早い時間は人来ないから、外で飯食ってきてから開けよっと」
例えば…。
夜も更けて、店内にはズブズブの身内みたいなゲストが一人。
「どう、今日はヒマみたいだから一緒に飲みに行かない?」
「いいですねぇ、じゃ今から閉めちゃうのて行きましょう♪」
事例を挙げるとは枚挙に暇がありませんが、総じてこー云うのを
「暇に負ける」と云うのです。
営業日/営業時間ってのは、店主と顧客の「無形の契約」みたいなもの。
それを自己都合で勝手に反古にしちゃ、そりゃゲストの信頼も失います。
そして人間ってのは一度楽すると同じ事を繰り返し、更に度を越す一途。
気付けば開店時間に「開いてない」、閉店時間前に「閉まってる」店の出来上がりです。
手前味噌なハナシですが、あの旧竹亭ですらこんな時期があったのでして。↓
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2008/06/in_the_17fb.html
とは云いつつ、余りにも「ヒマ過ぎる」時間(日々)が続くと流石に凹むもの。
「腐りかけ」「後向き」「不寛容」になりそうな気持ちを奮い立たせ、今宵もカウンターに立っております。
そんな訳で暫くは「閑暇の頃」と戦う弊亭酒司なのでした。