えー、気付けば暦も変わり弥生。
三月と云えば冬から春へと四季移ろう時節で御座います。
んでもって雪猿輩々にとりましては「パウダー舞い上げるハイシーズン」から「ザラメとコブの春スキー」の季節へ突入。
2019/20スノーシーズンも折り返し、残り少なくなって参りました。
そんな訳で一昨日3月2日「三月初滑」は湯沢エリアの主戦ゲレンデ.石打丸山へ。
以下、例に由っての滑走記になりまする。

7:25、湯沢駅の床面には「祭りの名残」。
先週のFISワールドカップ.湯沢苗場大会のフロアPOP。
今大会は二日目のSLが強風で中止、残念なジャパンツアーになってしまいました。
因みに私め、2016年はSLを観戦しましたが今回は白馬遠征で苗場には来れず。
次の開催までに小山陽平くん、第2シードに入ってないかなぁ...。

7:55、石打丸山.中央口とーちゃく、も...。
サンライズEXの駅舎周辺は、一面「土」...。

直結コース(スポーツマン)の斜面も御覧の通り。
「どー見たって、滑り降りてこられませーん💀」
この日からサンライズEXは登行リフト扱い、中央口へは「ゴン下」となっていました。
元々上級者にとっては「回す」リフトじゃないのですが、流石にテンション15%低下。
同じゲレンデボトムの「ダイナミック(観光口)」「スーパー(ハツカ石)」も推して知るべし。
まともに滑れるコンデションじゃ無いだろうな...。
嗚呼、「雪」曜日になる筈の月曜日が「土」曜日になる悪寒...。

ケーブルの搬器もスカスカ。
ゴンドラ1/チェア3の順で運行されているコンボリフトも、チェアを全て格納。
まぁ登行リフト扱いなので日中は「上る」だけの片道利用が殆ど、しかも平日。
輸送能力的には19基のハコだけで充分です。
板デポして/朝食取って/アップして、ゲレンデオープンの時間を待ちます。

8:30、アクティビティ開始。
ゴンドラ乗って山頂 山腹へ。
この日は各天気予報を見ても「午前中/晴」「午後/雨」と大崩れする事が濃厚。
降水量も3㎜と濡れ鼠覚悟の振り足みたいです。
因みにフリージングレベルは1600m、標高トップ920mの石打には「全く関係ありませーん」。

サンライズEX降り場より、魚沼盆地を望む。
六日町の底には春霞が棚び、56km先の最奥には白妙に染まった守門岳。
周辺の山々に積雪が無い事もあり、一層美しく煌めいていました。

8:10、銀座ゲレンデを口開けシュプール。
軽く荷重しただけでもエッジが「ザブッ」と沈む脆弱なバーン。
スキーを走らすのは可也のパワーとデリケートな板裁きを要する、ある意味テクニカルなコンデションでした。
また無風だったゲレンデ山麓とは異なり、銀座まで上ると結構な強風。
春の南風がビュービューと吹き上げ、緩斜面では逆風でスキーが止まっちゃいます。
うーん、山頂ゲレンデは大丈夫だろうか...。

チロルゲレンデ(ポピヒラー/ザイラー)は、コレでも一応滑走可...。
土と雪の斑模様コラボ、但し茶色の方が優勢。
尚、この翌日からザイラーは滑走×となりました。
チロルトリプル→中中央高速トリプルと乗り継いで山頂ゲレンデに向かいます。

9:05、珍しく山頂クワッド一番乗り。
各コースを摘み食い(滑り)しながら「下から上」に移動する事の多い石打丸山。
山頂Qの運行開始時刻ドンピシャに着く事は少ないのです。
この日はサンライズEX/観光第2EX/中央高速T/山頂Qと、口開け乗車の「Quatre」。
ま、何でも1番乗りは気持ちのイイものでして。
何時もの構図、見返り山頂ゲレンデ。
人っ子一人居ないバーンを眺めるのって一寸した独占感、やっばり気持ち良いですね。
相変わらず強風が荒ぶ気象コンディションも、索道員さんに聞いたら「これなら何とか止めずに営業出来るレベル」との事で一安心。
但し午後からの雨☔予報は堅そうなので、午前中が勝負タイムです。

1stラン、頂きまーす♪。
放射冷却のカケラも感じさせない「緩く」「軟らく」「脆い」朝イチピステン。
銀座ゲレンデよりはマシでしたが、それでも荷重時にエッジ(つーかサイドカーブ全体)が沈み、切り替えで抜くのに一苦労するサブマリンスノー。
角付けはややルーズに意識し前半意図的にスキーをスキッド、ターン後半主体の滑りをした方がスキーを走らせれました。
最初の3本は滑走者が殆ど居らず、コース幅を目一杯に使った大回りタイム♪。

山頂Q回し3本目。
刻まれた滑走ラインの深さを見れば、大体お察し頂けると思います。

9:35、バーンがフラットを維持していたのは僅か30分。
早々に荒れ始め...つーか完全に「荒れてます」。
それでもまだ何とかロングで回せるコンディション。
写真のエキストラは佐渡から一泊で遠征されている壮年スキーヤーさん。
何度かリフト同乗した御縁で一枚収めてみました。

山頂Qからのワイドパノラマ、この日は70点。
中ノ岳/越駒は雲に隠れて山容望めず、谷川連峰も途切れ途切れの見晴らし。
北面彼方の守門岳.粟ヶ岳の方が却って見事な眺望でした。

石打丸山のランドマーク、飯士山と巻機山。
今年の巻機山、ヌクビ沢ルートは7月頃から大丈夫かも。

越後三山と金城山。
飯士山北東裾に広がるのは上が舞子高原スキー場、下がファースト石打(跡)。
八海山の稜線左端には八海山スキー場、今季一度も滑りに行かなかったなぁ...。
1時間/9本回した頃の山頂ゲレンデは「お昼過ぎのザク雪化」。
パラ尾根/大丸~銀座~観光口方面へと向かいました。
でも、何処のコースもグサグサだろうな...。

10:15、可也意外だったのが大丸。
同じ向きの斜面で標高下がってるにも関わらず、こっちの方が数段上のコンデション。
何より下地がしっかり生きており、所々ではセメントっぽい硬さすらあります。
圧雪具合と云うよりは、多分硫安の投下量の違いでしょうか。
予想外の良コンデション、他のゲストが気付く前に大丸をミドル~ロング回し。
7本滑って「銀座観光」へ向かいました。

10:45、2時間振りのザギン。
銀座ゲレンデはあちこちに地表の露出する危険な状況、うーん風にヤられてますね...。
勿論「雨」も大敵ですが、実は「強風」が積雪を解かす最大の敵。
2時間前に較べると加速度付けて融雪が進行していました。
このまま「怖いモノ見たさ」で観光口へ。

10:50、観光口.ダイナミックB。
「お察し下さい💀...」
中央口の惨状から想像は付いてましたが、実際は写真よりもっと酷い状況。
特に下半分はインスペクション横滑りで下りるのが精一杯です。
因みにこの翌日から、観光口ゲレンデも閉鎖×となりました。
この日の石打丸山、国体/ジャイアント/デビルダウンの急斜3コースは何れも雪不足でクローズ。
ダイナミックAは死亡、Bは上掲通りの滑走可詐欺。
他、チロル/ハツカ石スーパーも滑走可(△)とはあるものの、殆ど土のスロープで滑れるコンディションじゃありません。
結局、マトモに滑走可能なのは「山頂」「パラダイス」「大丸」。
ブッシュと地雷に気を付けて滑れるのは「銀座」「中央斜滑降」「グリーン」。
実質的にはサンライズEX降車場より「上」のコースのみが滑走可能な状態でした。
「コレだったらかぐら行った方が良かった鴨...」
「しかも午後からは雨予報だしなぁ...」
「15時位に早上がりして、♨入って蕎麦飲みでもしようかな...」
リフト4本乗り継いで再び山頂ゲレンデに戻ります。

11:30、山頂ゲレンデ。
バーンコンデションは大勢に変化無し。
荒れてるのは荒れてますが、起伏自体は小さく縫って滑る程でも無し。
トップから捻じ込んで小さなギャップは蹴散らしてしまいます。
こー云うコンディションではプレート履きのスラ板がその威力を発揮。
しっかりとした安定感と叩かれてもバタつかない強さ、滑走ノイズも小さい。

12:10、正午経過。
「コレ、本当に雨☂降るの?...」
雲こそ多いものの、陽射しが燦々と降り注ぐ晴天の青空。
雨の降る気配なんぞ「これっぽっち」も致しません。
そしてこの時間帯から強風が収まり、実気温/体感温度共にグングン上昇。
山頂ゲレンデより下では融雪/汚雪化が進み、ノッキングスノーとなって参りました。
12時半からシュプールさんでランチレスト。
30分ゆっくり休んだ後、戦線復帰致しました。

13:00、南西の空には少し雲が掛かってきました。
それでも北東には青空が広がっており、直ぐに天気の崩れる気配ではありません。
んでもって、この時間帯から...、

パラダイスと、

大丸には「妖怪イタツカミー」出現。
正午頃に較べバーンコンデションは更に悪化、山頂ボトムより下部は完全に「ブレーキングスノー」と化しています。
ルーズな角付けからフォールライン長めに取って荷重。
山回りは真っ直ぐ走らせるイメージでダイレクトな切り替え。
あとラディウスに逆らわずスキーの得意なRで中~小回り主体の滑り。
スキーは走らせられますが、身体の疲れる雪です事...。
「嗚呼、お願いだから早く雨☂降って...」
滑走中に雨降り望むなんて、異例中の異例。
でも板が走る様になるのなら、びしょ濡れになった方がマシなのです。

山頂ゲレンデはボコボコのグサグサが拍車化。
バーン起伏を無視してカービングするのはボチボチ無理になってきました。
でも前半スキッド入れてのショートターンならまだまだ攻められます。
基本的に私め「ザブザブ」「グサグサ」の春悪雪は得意とするコンデション。
但し下地が捉えられる、と云うレベルに限りますが。

15:00、空は鉛雲に覆われ降雨の気配。
ポツポツと針の様な小雨が落ちてきましたが、予報とは異なり降ったり止んだり。
滑走中のゴーグル視界にも影響無い程度の細雨でした。
曇天による気温低下で妖怪も退散、ブレーキ雪も収まってくれたのが幸い。

山頂ゲレンデも酷い状況に。
上部バーンは大丈夫なものの、二段目のスロープには多少の小石。
リフト乗り場前では地表の露出が激しくなってきました。

16:20、名残りの、そして暫しお別れの一枚。
恐らくこの日が今シーズン最後の石打丸山滑。
山頂ゲレンデ「ラスト1本」の前に記念の惜別フォト。

飯士と大丸。
大丸山ゲレンデもこれでラストラン、ピステバック担いで下山します。

ハツカ石は「チーン(南無妙法蓮華経...)」。
ねぇ、何処滑って下りりゃイイの?。

これで「滑走可」は流石に無理があるでしょ...。
スキーヤーズライト(写真左端)に幅3mのラインが保たれていましたが、見事なコブ畑。
んでコブ溝凹は「土と小石のパウダー」です。
因みにこの翌日、HPには「クルーザーコース.滑走可(△)」とありました...。

最後の難所、カモシカコースでは...。
「途中で板、外しました」
下りてくる途中で雪が切れ、残雪のある方へスキー担いで徒歩移動。
それでも時間余ってたので、最後にココ(第3トリプル)1本回したんですけどね。

16:55、今日の、そして今冬のアクティビティ終了。
サンライズEXの新設以降、今でこそ中央口からのゲレンデアクセスとなってる私め。
しかしそれ以前20年以上の間、ブラットホームはずーっとこの「ハツカ石口」。
そんな訳でシーズン最後の〆は嘗てのベース、ハツカ石に下山したのでした。
「サヨナラ石打、また来シーズンねっ」
「つーか来シーズンは、お願いだからマトモに雪、降ってくれっ...」

18:00、久し振りの駒子ちゃんで♨湯治。
この時間になると湯沢の街は本格的な雨模様。
それでも傘を差さずに温泉街をぶらつける程度の振り具合でした。
と、こんな感じの石打丸山.滑走記。
出来れば今季もう1回位は滑りに来たかったのですが、この酷いゲレンデ状況ではそれも有り得ません。
と云う訳で図らずしも「2019/20シーズン」ラス滑の石打となったのでした。
おしまい。