« ● 「ホットカクテル」始めます | Main | ●2020.グラス新入荷② »

2020.11.01

●2020.グラス新入荷①

えー、本日より月替わり神楽月。
でもって今日から暫くグラス関連のお話が続きます。
9月後半~10月中は、赤坂から武蔵野口に移って初めての「グラス強化月間」。
地元京都のアンティークショップを中心に、幾つかのお店からアンティーク/現行モデル合わせて15客ほど購入して参りました。

と云う訳でその一部を簡易解説付きで紹介してみたいと思います。

R1
【RENE LALIQUE】CHINON/シノン (フランス/1930年)
現場(Bar)でアンティーク.ラリックを使うにはこの手の太ステム(Bordeaux/madere)モノか、ロータス/コクリコみたいなゴブレットに限ります。
だって脚の長いグラスは「ポキッ」と折れそうで怖いんだもの…。

ラリックに就いてのブランド解説に就いては下記参照の事。
http://bamboo-bar2.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/post_7dc1.html

R2
ラリック没後、戦後復刻されなかったモデルの一つ「シノン」。
アンティーク市場では人気テーブルウェアの一つです。
バカボン模様(今風に云うなら渦巻ナルト)の施された太いステムが特徴的。
茶色のサチネが施されているのもラリック的、キャラ立ちするグラスです。
因みにこのステムはボウル部に溶着されたものでは無くプレス成型によるもの。

レゾネではマディラ用となっていますが、勿論それ以外の注ぎ物にも対応幅広し。
ウチでは専ら、ウイスキーやリキュールに使ってます。

V1
【Val Saint Lambert】Ponthier/ポンティエ(ベルギー/20C前半か)
「ベルギーのバカラ」として名高いヴァルサンランベール。
実際クリスタルの質(鉛の含有率)はバカラやサンルイの方が上位。
デザインも他工房を模倣したものが多く、大衆向けの量産品と云った立ち位置です。
まぁその分安価でタマ数も多く、バーウェアとしては使い易いですけどね。

バルサンに就いてのブランド解説に就いては下記参照の事。
http://bamboo-bar2.cocolog-nifty.com/blog/2007/03/1825_e688.html

V2
極薄のボウル部はアシッドで繊細な幾何学模様、形状は軽くダブルオージー。
写真では判り辛いですが、網目に合わせる様にやかに波打ってます。
脚部は六角形にカットされたエアーステム(元ネタはSt-Louis?)、そして驚くほど「軽い」。

VSLの作品はレゾネ的なものが無くグラスの年代が絞り辛いですが、技巧の細かさとプレート部のカット装飾からして1920~30年頃かと。
但しこの中空ステムは40年代まで作られており、若しかするとその時代まで下るかも。

摺切りで70mlとやや小振りなグラスは淑女の手にジャストサイズ。
そんな訳で殆どレディ&マダム専用として使ってます。

P1040030_20201101175701
【DAUM NANCY】GILT EDGED RIM(フランス/1920年代)
ガレと並ぶアール・ヌーヴォーの雄、ドームナンシー。
このモデルは19世紀後半に作られていたDUCAL(デュカル)の後継シリーズと云った位置付けかと思われます。
ドームの小売店であったダモン(LOUIS DAMON/Paris)で販売されていました。

結構量産されたテーブルウェアらしく、バラ物はアンティーク市場で良く目にします。
ボウル部にフルールドリスや草花文の金彩を施したものもあります。
今回はシャンパンクープとリキュールグラスを購入しました。

D2
漣の様に波打つフォルム、刷毛で縁塗りしたような金彩が美しい。
ゴージャスでありながら華美になり過ぎず、エレガントな気品すら感じさせるグラスです。

全高に対してボウル部が大きいのですが、朝顔の様に裾の広がるステムと安定感のあるフット部とのボリューム比が絶妙のバランス。
そしてデッドストック並みの奇跡的な超美品。
スレ無しキズ無し気泡無し♪、金彩の保全具合もパーペキ♥です。

と、こんな感じの「2020.AUTUMN」グラス新入荷その1。
その2はウエッブ/バカラ/ブリティッシュグラスの予定です。

|

« ● 「ホットカクテル」始めます | Main | ●2020.グラス新入荷② »