●「三俣~苗場山ピストン」ロード&トレラン.その②
えー、今週の日~月は湯沢に山旅遠征。
谷川岳は馬蹄形に向かう予定も、当日朝の天候不良☂でTTが押して断念。
矛先変えて、苗場山.秡川コースのピストントレランに逝って参りました。
そんな訳での山走記.その②「中ノ芝~苗場山」篇で御座います。
11:00、中ノ芝を通過。(DST/13.12㎞ Time/2:15:33)
5ロマ降車場から中ノ芝を過ぎると、灌木/針葉樹の疎らな湿地帯に入ります。
樹林帯が切れて視界を遮るものが無く、東面に広がる180度のパノラマが見事。
東面の展望。
平標山から大源太山~三国山方面は雲が切れていますが、
北西の展望。
谷川岳主脈から上越国境稜線の山々には雲が覆っています。
この景色見ると、馬蹄形諦めて苗場山に予定変更して正解でした。
威風堂々、平標山。
谷川主脈の雄にて、谷川連峰の最高峰。
あの頂は過去三度踏んだのですが、何れも濃霧で「眺望ゼロ」の日ばかり。
果たして四度目の正直はあるのかしら。
中ノ芝から上ノ芝へは殆ど木道歩き。
この辺りの標高は約1800mで、高度分布帯的には亜高山性の下部に属します。
しかし冬季は積雪量5mを超える上越屈指の豪雪地帯。
森林限界には遠く及ばないものの低木化した針葉樹の疎林帯となっており、植生的には偽高山帯に準じます。
11:05、中ノ芝から上ノ芝へは@云う間。(DST/ 13.59㎞ Time/2:24:21)
ちゃっちゃと通過。
上ノ芝から神楽ヶ峰へは石ゴロ路と木道が半々くらい。
あと2週間もしたら、草紅葉が綺麗に色付いるでしょうね。
神楽ヶ峰の稜線に出ました。
うーん、伸びやかで解放的なスカイトレイル♪。
稜線に出ると、東面の展望はよりビックスケールに。
眼下には田代湖、正面にはタカマタギ~日白山~二居俣ノ頭と続く1600m級の山々。
一つ奥の稜線は雲間より望む朝日岳、最奥には左に燧ケ岳/右に至仏山。
南東眼下には浅貝の宿場町と三国山。
奥には右裾に子持山を従えて、上毛三山の一.赤城山。
木道/石道のトレイルを交互に取る、穏やかなトレイル。
正面のオオシラビソ疎林帯が神楽ヶ峰です。
11:20、神楽ヶ峰を通過。(DST/14.35㎞ Time/2:37:10)
ピーク感の乏しい尾根上の小頂。
山名標の横にリアルピークへ上る小路が通ってます。
中ノ芝から神楽ヶ峰までは緩~く上る約1.3㎞の行程。
パノラマ展望の利く楽しいパートです。
「デデーン」
何の前触れも無く、いきなり目に飛び込んで来た巨峰。
今まで神楽ヶ峰の影に隠れていた苗場山が、忽然とその威容を現しました。
秡川コース中盤の「山行ハイライト」と云える瞬間です。
「クジラの背のような膨大な図体 (深田久弥)」とは、絶妙の表現。
苗場山の右裾には鳥甲山が望めます。
左より白クラの頭/鳥甲山/赤クラの肩。
奥には白馬三山~唐松~五龍~鹿島槍と連なる、後立山の山々。
神楽ヶ峰からは富士見坂を一気に下って行きます。
タラタラと稼いだ標高を瞬く間に消費、うーん勿体無い…。
眼下に鞍部のお花畑が見えて参りました。
下りきると右手の1948Pを経て、
11:30、富士見坂の途中にある水場「雷清水」。
此処で増槽に水補充、先に進みます。
11ː35、お花畑を通過。(DST/15.12㎞ Time/2:51:06)
神楽ヶ峰と苗場山の鞍部、晩春~初夏には高山植物の咲き誇る場所です。
因みに神楽ヶ峰→お花畑へは0.8㎞/約130mの高度下降⤵。
お花畑→苗場へは1.5㎞/250mの高度上昇⤴。
視界の開けた稜線を経て、山腹東斜面(雲尾坂)に取り付きます。
見返り神楽ヶ峰。
何処の山でもそうですが「今まで辿って来た路」を俯瞰するのは気持ちイイものです。
横メでもう一写。
右端の神楽ヶ峰から尾根筋を経て、左の2コブが1921Pと霧ノ塔。
一段下がった左端が釜ヶ峰、写真では切れてますが更に日陰山と続きます。
これらの山々は全て苗場山の外輪山。
但し噴火で山頂が吹っ飛び過ぎてるのと雨雪/風/硫黄の浸食で、山頂西面のカルデラ地形が消滅。
少し解り難い外輪山形状となっています。
(参)谷川岳.七ツ小屋山より望む苗場山
元々苗場山と神楽ヶ峰は二峰に分かれておらず、標高2400m級の同一山体でした。
しかし約30万年前の噴火で山頂とこの周辺(山頂北西部)の山体が爆散崩壊。
現在の山容になったとされています。
中間地点、雲尾坂の道標板。
此処を過ぎると勾配が増し、本格的な上りパートに入ります。
山腹と尾根を交互に取るジグザク路。
お花畑からの上り区間は後半に一部急坂が控えてますが、全体的には然程の勾配ではありません。
でも標高を上げ切った後にコルへ急下降しての上り返しは、「メンタル面の体力」を消費するのです…。
赤土や安山岩溶岩の露出した崩落山膚。
如何にも「旧.成層火山」てな風景です。
気持ちを奮い立たせる、有難い案内板 案内丸太。
4年前にはこんなの無かった筈ですが…、設置してくれた方有難う。
「でもホントに3分かな?」。
出し抜けに樹林帯が切れ、高空広がるササ原へ出ました。
「ホントに3分だった♬」
11ː55、苗場山の山頂台地に出ました。
「絶頂一里、千勝万景」の言葉に偽り無し。
広広とした淡秋空の下には、見渡す限り一面の高層湿原。
そして数え切れない程の上信越名山が見渡せる、360度のスーパーパノラマ。
まるで天空の楽園に訪れたかの様です。
この後は苗場山頂を踏み、テーブルマウンテンからの絶景viewを楽しむのでした。
つづく。