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2021.10.28

●「伊豆山稜線歩道&旧天城街道トレラン」その④

えー、先々週10月11日は伊豆エリアへトレラン遠征。
「だるま山高原レストハウス」から伊豆山稜線歩道を南に取り「天城峠」へ。
天城峠からは旧天城街道を伝い「浄蓮の滝」までの43㎞を走って参りました。

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そんな訳での山走記.その④「後藤山~二本杉峠」篇で御座います。

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12:20、後藤山を通過。(DST/21.81㎞ Time/3:52:42)
本日山行の中間地点、残す行程はあと20㎞強(浄蓮の滝まで)です。

後藤山から猫越岳へは、軽く下った鞍部を経て、小さなアップダウンで高度を上げる。
猫越岳から猫越峠へは、同じ様な山路を下り鞍部の高度に戻る、てな感じ。
穏やか勾配の尾根路を辿るトレイルなので、登下降の負担は殆どありません。

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大倉山(仁科峠展望台)からは、伊豆山稜線歩道も後半パートに突入。
それまでの開放感なササ原トレイルからロケーションも一変。
アセビ/ヒメシャラを主体とした常緑樹と、サラサドウダン/マメザクラ/ブナなどの落葉樹。
高木と低高木、灌木の混在する鬱蒼とした森を進みます。

伊豆半島の稜線上は駿河湾から吹き上げる強風が植生にも影響。
「幹は風下に傾き」「枝は歪曲」した、独特の樹姿を見せていました。

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登山路の掘りも深くなってきます。
U字窪に抉れたテクニカルなトレイル、そして頭には障害物。
これは走るの厳チイ…。

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12:30、後藤山と猫越岳の中間にある展望所。
大野山.笠蓋山.大昌山の向こうには駿河湾、西伊豆方面々のエア眺望。
予想通り「真っ白」のガスパノラマ…。

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続いて猫越岳山頂の池。
良いタイミングで青空が少し覗けました♪。

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アセビのアーケードを緩やかに上ってくと、

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今日のピークハント.その⑨。

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12:35、猫越岳通過。(DST/21.81㎞ Time/3:52:42)
猫越火山群の主峰にて、伊豆山稜線歩道の最高峰(1034m)。
その名の通り「猫の額」ほどの山頂、樹林帯に覆われ展望は利きません。

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猫越岳からは下り基調で猫越峠へ。
この辺りは風の通り道らしく、灌木主体の荒れた植生。
加えて鹿の食害でしょう、マメザクラやツゲの立ち枯れが目立ちます。

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再びアセビのトンネルに入ります。
この辺もトレイルが深く抉れ、足の置き場に一苦労。

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小さな踊り場がこの日の峠ハント.その⑨。

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12:50、猫越峠を通過。 (DST/22.82㎞ Time/4:03:51)
中伊豆へは猫越川を経て湯ヶ島へ、西伊豆へは仁科川を経て松崎へ。
仁科峠が発達する以前は、陸路交通の要として使われていた猫越峠。
しかし魂の山周辺の古峠同様、近代に入るとその役割も終えています。

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猫越峠を過ぎるとブナの巨木が立ち並ぶ原生林帯へ入ります。
でもこの辺は樹齢200年程、これから向かう「太古の森」に較べりゃまだ序の口。

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続いてヒメシャラの古木。
このヒメシャラは伊豆半島で一番の巨木との事。

太平洋側のブナ林は日本海側のブナ林と種組成が大きく異なり、その典型的な特徴がヒメシャラとの混交植生。
上信越山域は勿論の事、首都圏近郊(奥多摩や丹沢)でも見られない林相風景です。

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12ː55、手引頭の入口に到着。(DST/23.63㎞ Time/4:10:32 )
道標板には誰が書いたか「大ブナ峠」。

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ででーん。

手引頭入口のブナ巨木。
推定樹齢400年、幹周りは約5m。

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その巨大さにはけだし圧倒…。
今年は上信越エリアの山行が多く、豪雪地帯のブナばかり見ていた私め。
温暖地域特有の大きく太く枝分かれしたブナは「別種」の様な異形に映りました。

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手引頭入口から少し寄り道。
正規のトレイルは「手引頭~長沢頭」の南側を巻いて進みますが、それを外れて破線路の尾根筋に向かいます。

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伊豆山稜線歩道の最奥部から、更に深山に分け入ると、

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其処には手付かずのブナ巨木群生地。

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幽玄にて荘厳な原生林風景。
何だか「秘境の森」に迷い込んだ気分、厳格にてスピリチュアルな空気が漂っています。

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樹齢200~300年以上の大ブナが、数え切れない程自生しています。

しかしこの原生林帯に「若木のブナ」は一本も見られません。
地面に落ちた種子や、幼木のブナ新芽は全て「ニホンジカの餌食」。
鹿の食害によりブナの世代交代が進まず、ブナ林存続の危機に瀕しています。

人間様が勝手に制定した鳥獣保護法(現.鳥獣保護管理法)によってニホンジカやイノシシなどが急速に増加し、更にはその生息域が拡大。
新芽の乱食や樹皮剥ぎによる立ち枯れ/下層植生の喪失によって元来の森林生態系に深刻な被害が生じています。
天城山域でも破滅寸前となった自然林が多く、此処まで被害が進む生態系の再生には、逆に「人間の手」が入らないと出来そうにありません。

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で、このルートはホントに「危険」
最初の方は尾根地形がはっきりしているのですが、次第に判然としない扁平路に。
気付けばただっ広い平坦尾根路となり、360℃全方位「同じ風景」で方向感を喪失。
元来た路を引き返す事すら困難(=遭難)になってしまいます。

この先の手引頭ではブナの他にもヒメシャラやアセビの巨木が見られるらしいのですが、コンパス一つだけの武装では心許ない…。
残念ながら帰路を把握出来ているうちに引き返す事に致しました。
今度来る時は地理院地図、ちゃんと持って来よっと。

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1320、手引頭入口(大ブナ峠)に戻って来ました。
巨木ブナにサヨナラして先を進みます。

因みに伊豆山稜線歩道.後半パートとなる「仁科峠~天城峠」の約14.3㎞区間は、この手引頭入口を境に山路構成が一変します。
「仁科峠~猫越岳~手引頭入口」は尾根を忠実になぞった細かいアップダウン。
「手引頭入口~二本杉峠~天城峠」は尾根の下を伝う、どフラットな巻き道トレイル。
云い換えると、此処から天城峠までの9.4㎞は殆ど「走りっ放し」です。

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右落ち片斜で多少露岩もありますが、ひたすら平坦な巻き道パート。

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途中一箇所、プチ崩落の枯沢有り。

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ツゲ峠に近づくにつれ、岩ゴロは姿を消し柔らかなダートトレイルに。
スタコラと快適なラン区間が続きます。

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大ブナ峠から㎞程で、今日の峠ハント.その⑩。

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13:35、ツゲ峠。(DST/26.72㎞ Time/4:45:36)
名前の割にはそれ程ツゲが目立ちません。
此処のツゲ林もシカの食害で衰退しちゃったのかしら?。

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引き続き穏便な巻き道トレイルが続きます。
「RUN RUN RUN♫」

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大ブナ峠~天城峠間で唯一の勾配区間。
ツゲ峠から少し進むと真南に進路が変わり、巻き道から尾根路に。
例に由ってユル~く上ってくと、今日のピークハント.その⑩。

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13:40、三蓋山を通過。
そしてこの日最後のピークハントです。
つっても他の頂同様、あまり「山上った」感はありません。

因みにこの山名標はニセ三蓋山。
伊豆山稜線歩道の中では伽藍山/棚場山と並び、「山名標」と「実際の山頂」が一致しない頂。
リアル三蓋山はもう少し先、正規トレイルから外れた場所に座しています。

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13:45、ま、折角なのでリアル三蓋山も踏んどく事に。
上掲の山名標から250mほど南進、正面にある小ピーク。
薄い踏み跡を辿っくと目印の青リボン有り、此処から2~30mほど奥に進むとリアル三蓋山の三角点があります。

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三蓋山からはヤセ尾根を約1.5㎞を170m下って行きます。
仁科峠以降で唯一の「下りらしい下り(裏返すと「上りらしい上り」)。
老朽化した木段パートを下り切ると、今日の峠ハント.その⑪

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14ː00、滑沢峠。(DST/29.26㎞ Time/5:11:30)
取り立て何も無し、ちゃっちゃと通過。

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再び尾根の南側を巻くフラットトレイル。
滑沢峠~二本杉峠~古峠~天城峠のパートは、見事な迄の「平行移動」。
約5㎞の間で獲得標高は上昇/下降共に累計50m程度、高度も殆ど変わりません。

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14ː10、今日の峠ハント.その⑫、二本杉峠。(DST/30.62㎞ Time/5:22:29)
天城山隧道が開通するまでの「天城越え」主要ルート、故に旧天城峠とも呼ばれています。

と、こんな感じの伊豆山稜線歩道&天城街道トレイル.その④。
二本松峠からはこの日の山行ラストパート、天城峠を経て浄蓮の滝に向かいました。
つづく。

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