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2021.10.10

●「谷川岳馬蹄形縦走.クラシカル」その⑥

えー、先月9月21日は谷川岳へトレラン遠征。
1Day馬蹄形縦走(半時計周り)山行記.第6部にして漸くの最終篇で御座います。
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「土合橋登山口から松ノ木沢ノ頭を経て白毛門への急登」
「笠ヶ岳から朝日岳への小刻みなアップダウン」
「ジャンクションピークから清水峠への大下り」
「七ツ小屋山から蓬峠への伸びやかなササ原稜線」
「蓬峠から一旦高度を落として茂倉岳への厳しい上り返し」
「一ノ倉岳から谷川岳へのスリリングな岩稜伝い」
数知れぬ登降を繰り返し、馬蹄形コースの主要9ピークを踏破。
残す行程は西黒尾根を下るのみ、馬蹄形縦走.ファイナルで御座います。

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14:45、肩ノ小屋を出立。
ジャンクションピークから約13㎞続いていた「県境トレイル」も此処でお終い。
新潟県に別れを告げ、群馬県側に下って行きます。

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下山路は「日本三大急登」の一、西黒尾根。
眼下には谷川岳天神平スキー場とロープウェイが望めます。
あれ乗って土合へ下りゃ楽なのですが、其処は「馬蹄形縦走クラシカル」。
最後まで自分の足で下るのが筋なのでして。

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西黒尾根より見遣る、土合~松ノ木沢ノ頭~白毛門への急登パート。
あそこをゼーゼー上ってたのは7時間前の事。
短くも長いロングジャーニーでした。

なーんて呑気な事を、
云ってる場合ぢゃ無いのですよ。
ココからは…。

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お待ちかねっ、激下りの始まりだよっ!!。

谷川岳程じゃありませんが、西黒尾根も明確な左右非対称稜線。
左側は切れ落ちた断崖絶壁/右側は平滑なスロープ。
滑落を避ける為、登山路はやや右手側に巻いて通ってます。

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15:50、ザンゲ岩を過ぎた辺りから、急下降パート.核心部に入ります。

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イントロダクションは露頭の岩場に始まります。
蛇紋岩と結晶片岩のメランジュ、時折輝緑岩。 

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14:55、氷河跡のスラブ帯に突入。
含水鉱物の上、登山者の靴で研磨された蛇紋岩の岩路。
これだけ天候の良いドライコンデションでも、グリップ利かずツルツル滑ります。
「蛇岩の力を舐めるなよっ!!!」

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コレもツルツル、氷河跡の一枚スラブ。
馬蹄形縦走を半時計周りで縦走する場合、西黒尾根は下りでの使用。
雨天雨後の「下山」は絶対に避けたいものです。

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氷河跡のアトラクションを通過。
年を通じて殆どが「霧」「曇り」「雨」の谷川連峰。
濃ガスで視界が全く利かない日は、黄色ペンキのだけが進路の頼りなのでして。

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谷川双耳とシンセン岩峰を振り返る。

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岩稜尾根の嶮岨急坂はまだまだ続きます。
岩塊が礫化したガレ場に入ると、浮石が多くなって参ります。

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垂直落下式DDT。

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垂直落下式パイルドライバー(ゴッチ式)。

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雪崩式フランケンシュタイナー。

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マナ板岩盤の頁岩間を縫って垂直降下。
上りでは頼る事の少ない鎖ですが、下りだと積極的に使わざるを得ません。

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下り序盤の核心部を終えると、一旦斜度が落ち着きガレ沢の頭へ。

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ガレ沢ノ頭/厳剛新道の分岐を通過(厳剛新道は通行禁止)。
激下り最中の小さい踊り場、ピーク感はゼロの「頭(頂)」。
標識には「ガレ沢の頭」とありますが、地図表記だと「ガレ沢のコル」。
実際には後者の表示が正しいですね。

ガレ沢ノ頭(コル)からちょい上り返すとラクダの背。

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15:20、ラクダの背(1516P)を通過。(DST/25.32㎞ Time/7:23:30)
肩ノ小屋から丁度400m下って来ました。
しかし登山口まではまだ800m高度を下げなけりゃなりません。

で、この山行終盤.詰めのパートに来て…。
「下りの足、完全に使い切っちゃいました…」
大殿筋/大腿筋や脹脛は余力があるものの、膝がガタガタ。
急坂下山では膝に余裕持たせた前傾姿勢が必須ですが、勾配に対して垂直なフラットポジションを取るのすら難しく。

うーん、やっぱり西黒尾根は下りで使うモンじゃ無いですね…。

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タフな激下りはまだまだ続きます。
序盤パートより勾配はマシになるものの、連続する岩場と鎖場。
「西黒ラクダの背中は2コブ?、それとも3コブ?」。

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上からだと着地点の見えない鎖場も多し。
この辺は登攀(上り)だとそれ程苦戦しなかったパートなのですが…。
下りで使うと結構厳チイ…。

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断崖式タイガードライバー91
下りでの垂直下降は身体の向きを変えないといけないので面倒です。

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15:35、線を引いた様に植生が一変。
標高1350mを過ぎると岩稜帯の尾根を外れ、ブナやナラの樹林帯に入ります。
森林限界の高山帯が標高1300m前後ってのは、国内屈指の豪雪地帯ならでは。

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しかし樹林帯に入ってからも長い下り…。
膝のクッションが利かない状態で、突き上げの硬い岩ゴロ帯は辛い…。
展望の利かない単調な山路が続くので、メンタル的にも張り合いが無い。

馬蹄形縦走行程中、この落葉樹パートが一番の苦行でした。

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15:55、1130Pを通過。(DST/26.81㎞ Time/7:55:45)
樹林帯をほんの少し上り返した躍り場。目印は土合/谷川岳の山路標識。
丁度この真下に「土合→湯檜曽」に伸びる上越線.地下線路が通っています。

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1130Pからは勾配も緩み、下山ペースも早くなりま……せん。
膝を使い切っちゃって、ヨチヨチ走りが精一杯。
嗚呼、早く「アレ」が見えないかなぁ…。

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やっと見えたっ♥。
西黒尾根.上りの序盤パートに立つ送電鉄塔。
アレを過ぎると登山口はもう直ぐです。

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16ː10、膝を労わるべく鉄塔下で休憩。
この辺が標高960m、あと250m高度下りゃ登山口です。

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苦難の下山荒行、やっと終了。
馬蹄形縦走の実質的なトレイルは此処で終わり、あとは土合駅への舗装路を残すのみ。

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16ː25、西黒尾根登山口を通過。(DST/27.92㎞ Time/8:22:43)
全長3.7㎞/標高差1100mの西黒尾根。
上りより、下りで使った方が10倍疲れました…。

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谷川岳ロープウェイを通過して、

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16ː45、土合駅到着.フィニッシュ。
終盤の下りはウダウダでしたが、それでも早く着き過ぎちゃいました。
湯沢行き上越線は17:59の土合発、のんびり1時間待つと致しますか。

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因みに今回のスタッツは以下の通り。
・山行時間/8:08:43 ・山行距離/29.94㎞ ・獲得標高/上昇3004m 下降/2974m

土合駅から土合橋登山口/西黒尾根から土合駅への舗装路パート、蓬峠から水場への往復を除くと、馬蹄形縦走トレイルは実質26.3㎞程。
それで獲得標高が3000m超えるんですから、如何にアップダウンの多いコースだったか解ります。

因みに谷川連峰の誇る1Dayトレイルロングコース.2トップ。
「馬蹄形縦走(半時計周り)」と「主脈縦走(西進ルート)」。
個人的な感想としては「主脈縦走」の方が全然楽でした。

以上、こんな所処にて。
明日(10/11)は伊豆山稜線歩道トレイルを走ってきます。
おしまい。

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