●「谷川岳馬蹄形縦走.クラシカル」その④
えー、先月9月21日は谷川岳へトレラン遠征。
1Day馬蹄形縦走(半時計周り)山行記.続々々篇で御座います。
登山口から激登の序盤戦を終えると、JPから清水峠への大下り。
清水峠から蓬峠へは解放的な笹海原のスカイトレイル。
馬蹄形縦走路ならでは緩急の利いたロケーションを経ての後半パート。
武能岳を踏んだ後は、茂倉岳/一ノ倉岳への上り返しに向かいました。
12ː15、武能岳を通過。(DST/18.05㎞ Time/4:55:55)
さーて、これからが馬蹄形半時計周り.後半の核心部。
大きく笹平に下って、茂倉岳への上り返しが待ってます。
武能岳からは、谷川岳主脈の山々が望める様になります。
左より大障子ノ頭/東俣ノ頭/万太郎山、エビス大黒ノ頭/仙ノ倉山/平標山。
あの稜線を辿ったのは3年前、来年は再びの「主脈縦走」もアリかな。
武能岳より進軍開始。
草紅葉の彩る手前の小ピークを片づけると、
本格的な笹平への下りに入ります。
小刻みなピッチ/突き上げの硬い岩路/所々ザレ気味の九十九折ダウンヒル。
難路と云う程ではありませんが、鞍部の笹平までは結構な急坂続きです。
下れば下るほど、茂倉岳のピークは高くなります。
うーん、近づいてるのに遠くなってる感じ…。
12ː30、笹平の鞍部を通過。
振り返ると、拳骨を握った様な武能岳の山姿。
「おまちかねっ、上り返しの始まりだよっ♪」
武能岳から190m下って笹平、ノシ付けて400m上りまーす。
ええぃ、藪が鬱陶しい。
ウラジロヨウラク、ベニサラサドウダン、ムラサキヤシオツジ…。
花が咲いてなきゃ単なる障害物。
頭上には一発目のニセピーク。
背高のササ帯/灌木帯をほぼダイレクトに上るアルバイトパート。
長~い上りを楽しむコツは「適度に振り返る」事。
笹平から見上げていた武能岳も、何時の間にか並行目線に。
武能岳からは徐々に「非対称山陵」の稜線山容が明確になってきました。
掛け持ちアルバイト、二発目のニセピークへ。
うーむ、ココも直登っぽい…。
横メで一写。
左奥の一ノ倉岳との位置関係から、本ピークはこの背後。
第一ガーミンくん(GPS)の区間距離が、山頂まで全然足りてません。
「適度」以上に振り返る事が多くなってきました。
武能岳は遥か彼方、すっかり見下ろしちゃってます。
やっと山頂直下。
しかし「山の端/空の端」が見えてるのに「山頂稜線」が隠れて見えないのはキツい…。
中勾配のササ原を直登、頂への距離を少しづつ詰めていきます。
茂倉岳のエクスカリバー発見。
確かに厳しい上り返しでしたが、時計的には武能岳から1時間弱(55分)。
もっとキツい区間たと想像してたので、意外とスンナリ登頂。
1310、茂倉岳とーちゃく。(DST/20.78㎞ Time/5:52:12)
馬蹄形.半時計周りコース、上りパート最後の難関にて、実は最高峰の頂。
連峰盟主の谷川岳.トマの耳より「90㎝」だけ高いのです(1977.9m)。
そして眼前には、長~い上り返しを踏破したご褒美。
「圧巻の山岳美」が待っているのです♡。
一ノ倉岳と谷川岳双耳の絶景パノラマっ!!!
馬蹄形コースの中でも、1.2を争う稜線美の展望。
穏やかな山容の一ノ倉岳と、険峻に切れ立つ谷川岳双耳の対比も絶妙。
ズームにて、谷川岳。
天空に向かってそそり立つ様な鋸歯状針峰が美しい。
さらに拡大すると、右端には肩ノ小屋も望めます。
灌木とチシマザサの覆う平滑な新潟側斜面に対し、岩壁剥き出し.絶壁の群馬側斜面。
見事な迄の非対称山陵線です。
群馬側(東側)からの谷川岳展望はこんな感じ。
約5時間前、白毛門側から望む谷川岳の「エグ~い」東斜面。
氷河氷食と豪雪/雪崩浸食によって形成された、マチガ沢/一ノ倉沢/幽ノ沢の氷河深崖。
ホント、2000mクラス中級高山の山岳景観とは思えません。
続いてワイドパノラマ、「馬蹄形縦走路」より望む「主脈縦走路」。
谷川岳からオジカ沢ノ頭。
絶景の非対称山陵に向け、走を進めます。
茂倉岳から一ノ倉岳は指呼の先、吊形状の細尾根を緩やかにアップダウンして約10分。
笹平~茂倉岳のヒルクライム較べりゃ「瞬き」する程の時間です。
13:30、一ノ倉岳通過。(DST/21.57㎞ Time/6:02:01)
谷川連峰中、唯一一等三角点の置かれた山。
標柱は山名標から少し離れたササ帯の中にあります。
一ノ倉岳の北東~東面には視界を遮るものが無く、群馬側のパノラマが見事です。
白毛門越しに尾瀬の山々。
中央の稜線は左より至仏山.小至仏山.悪沢岳.小笠.笠ヶ岳。
至仏山の左奥には尾瀬の盟主にて、東北以北最高峰の燧ケ岳。
右手最奥に連なるのは日光連山。
中央の武尊山を挟んで、左奥には日光白根山と日光連山
右奥には皇海山より不動沢のコルを挟んで鋸山、袈裟丸山山頂群へと連なる足尾山地。
群馬/栃木側の山々が見張らせるのは、前半の白毛門~朝日岳のパート以来。
眼下に広がる山域からも「ぐるっ」と馬蹄形を回って来た事が実感出来るます。
一ノ倉岳からは愈々この日のラストピーク。
谷川連峰の盟主、谷川岳双耳を踏み西黒尾根の下山路に向かうのでした。
つづく。