●「谷川岳主脈縦走トレラン」その①
えー、シルバーウィーク明けの先週月曜日は上越エリアへ山旅行脚。
一年振りとなる「谷川岳トレラン」へ逝って参りました。
昨年は白毛門→JP→谷川岳→西黒尾根の「馬蹄形縦走.クラシカルコース」。
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今年は西黒尾根→谷川岳→仙ノ倉山→三国峠への「主脈縦走.西進コース」。
このルートは2018年に一度走破しており、今回が2度目のアタックです。
「谷川岳馬蹄形縦走」と並ぶ、同山域の人気ルート「谷川岳主脈縦走」。
山行距離は30㎞弱のミドルディスタンスで、巡る山々も2000m前後の中級高山です。
しかしアプローチが日本三大急登の西黒尾根、4㎞超に亘る上り一辺倒のヒルクライム。
上り切った後も平坦路は殆ど無く、数知れぬピークとコルの連続。
アップダウンの険しさは馬蹄形以上、特に最低鞍部(毛渡乗越)からの上り返しは極悪。
1Dayで片付けるには、それなりにタフな行程となっています。
そんな訳での山行記その①「土合駅~ガレ沢のコル」篇で御座います。
6:40、土合駅とーちゃく。
この日は越後湯沢からの乗車、「モグラ」じゃ無い方のホーム着。
駅舎は改修工事中、シンボルの赤い三角屋根は足場に隠れて見えませんでした。
6:45、アクティビティスタート。
駅から登山口までは約2㎞のロード走。
土合橋手前の分岐は「右に進むと馬蹄形」「左に進むと主脈縦走(今日はこっち)」。
インフォメーションセンターから谷川岳ロープウェーを九十九折、
車止ゲート/登山指導センターを通過。
「おっ、次第に青空が広がって来た(^^♪」。
この日の谷川岳はピンポイント山岳予報で晴れ☀/曇量30%と絶好の山行日和。
4年前の主脈縦走は「ガス」に祟られ眺望利かず、満足度の低いの山行でした。
今回は予報と睨めっこしての好天日狙い、満を持して再びの遠征です。
しかし谷川岳山域は太平洋/日本海側気候の衝突地帯で、気象変化の激しいエリア。
(みなかみ町側が晴れてても山頂付近は濃ガス、湯沢町側が雨なんてのはザラ)
従い天気予報は余り「アテ」にはならないのです…。
7:00、西黒尾根の登山口。(DST/1.96㎞ Time/15:00)
此処から谷川岳へは標高差約1200m(800m→1977m)。
云わずと知れた「日本三大急登」の1つですが、難度は他の2つに較べやや格落ち。
確かに約4㎞に亘るヒルクライムは厳しいものの、ゲロ吐く様な鬼坂や危険度の高いパートはありません。
それに「樹林帯の急坂」「岩稜帯のヤセ尾根」「鎖場たくさん」「スリッピーなスラブ」「森林限界を超えたササ原」と、バラエティーに富んだロケーションが却って幸い。
山路構成のメリハリが利いて「飽きない」上りなのです。
んじゃ、上りますか(気合)。
取っ掛かりからして、木の根や石ゴロの急坂。
それより直近の降雨で沢の水が流出、トレイル自体が渓流になってます。
スタート早々にシューズ浸水するのはヤなので、水流を避けつつの進軍。
7~8分すると送電鉄塔を通過。
以降は足場も乾き、ドライな山路コンディションに。
お約束の腰掛ブナ。
序盤から暫くはブナやナラ.トチノキの樹林帯、展望の利かない単調な上り。
鉄塔以降は多少勾配の緩む箇所も出てきます。
7:25、1130P地点を通過。
目印は「土合⇚1時間/谷川岳⇛3時間」の標識。
この真下、地底深くには新清水トンネル(上越線下り)が通ってます。
樹間より覗く天神平。
左が高倉山(1448m)、右が天神山(1502m)、鞍部にロープウェイ山頂駅(1317m)。
まだ向こうの方が高いので、尾根から見上げる形です。
1130Pを過ぎると、玄武岩ゴロゴロの急登パートに突入。
既に発汗量全開、帽子の鍔から雫がポタポタと落ちて参りました。
延々と続くロックな路。
でも上りで使う分には許容範囲の急坂、山行序盤なので体力も充分。
ココは下り(山行終盤)で使うと突き上げで「膝ガタガタ」、ホント辛いんですよね…。
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2021/10/post-8c9750.html
7:50、唐突に樹々が切れ、空が見えて来ました。
登山口から約1.7㎞続いた樹林帯パートもやっと終了。
此処から先は展望の開けた尾根路に出ます。
谷川連峰の前衛、赤沢山/三峰山など幾重に連なる山稜の奥には上州武尊山。
逆光と層雲で見晴らしはイマイチ、群馬方面のパノラマ展望はこの後に期待です。
岩場を左側から巻き、尾根筋に乗ります。
流石「世界有数」の豪雪地帯、標高1400m弱で既に森林限界。
一発目の鎖場。
ラクダの背までの鎖場は三発、何れもスタンスはしっかりしており危険度無し。
難易度で云えばアトラクションレベルです。
背後には昨年踏んだ「馬蹄形クラシカル縦走」、前半パートの山々。
左の白毛門は頂が望めますが、笠ヶ岳と朝日岳は雲に覆われています。
でもコレ位の雲量なら、そのうち引いてくれそう。
次第に尾根路は狭くなるも、勾配は至って緩やか。
正面奥に岩稜帯ピーク(ガレ沢の頭)が望める様になって来ました。
しかし…。
あーあ、谷川双耳は白闇の中…。
標高1800mより上は、どんよりとした濃霧に覆われていました。
此処から望むトマ/オキは迫力抜群、絶好のビューポイントなんですけどね。
紅葉最盛頃の西黒尾根はこんな感じ。
前回の主脈縦走(2018.10/9)の写真、参考資料にまで。
背後(東側)の展望はまずまずなんですけど…。
右下彼方には小さく望めるのは土合の山麓部、結構高度上げて来ました。
気を取り直して2つ目の鎖場を片付けます。
この辺は丁度「ラクダの尻」に当たる所処。
でもって西黒尾根(登山口~オキ耳)の中間地点となります。
此処もスタンス/ホールドは充分確保されています。
但し所々に滑る岩肌有り、入りのスラブ状パートだけは鎖使っての登坂。
露頭の隙間を進み、次の鎖場へ。
尾根に出てからラクダの背までの岩稜帯、急勾配は鎖場パートだけ。
基本的には平坦基調の緩い上りとなっています。
三つ目の鎖場を片付けると、背後の展望が一気に開けます。
以降、適度に降り返りパノラマを愛でつつの行軍。
笠ヶ岳もそのピラミダルな頂を現しました。
あとは左手の朝日岳、この調子ならもう直ぐ雲は切れそうです。
すっかり見下ろす形となった天神平、最奥には薄っすらと赤城山。
武尊山も頂の雲が引き、八峰の連なる山容を現しました。
左より最高峰の沖武尊~家ノ串山~川場剣ヶ峰~剣ヶ峰~西峰。
8:05、程無くしてラクダの背にとーちゃく。(DST/4.62㎞ Time/1:19:54)
尾根に出てから0.6~0.7㎞、岩稜帯稜線の小頂(1516P)でピーク感は殆どありません。
ラクダの背より望む、岩稜帯ピーク(ガレ沢の頭)。
中々「良い絵」ですが、右奥の谷川岳が隠れちゃてるのが残念(恨ガス)…。
眺望の満足度的には75点くらいかな。
ラクダの背からは2~3分程軽く下ります。
紅葉見頃にはまだ早め、灌木帯は少し色付き始めた程度。
岩稜帯の岩膚には小さく蛇行する登山路が目視で望めます。
左手には天神尾根とザンゲ沢。
天狗の溜まり場の向こうには、爼嵓~川棚ノ頭が小さく覗けます。
それにしても「厳と穏」、見事な非対称稜線。
下り切ると「ガレ沢のコル(ラクダのコル)」。
右手より厳剛新道の路を合わせます。
標識には「ガレ沢の頭」と記されいてますが、此処は頭じゃ無くて鞍部。
正面の岩峰ピークが正しい「ガレ沢の頭」となる…のかな?。
と、こんな感じの「谷川岳主脈縦走」その①。
引き続き西黒尾根を上り、谷川岳双耳峰に向かうのでした。
続く。