●「谷川岳主脈縦走トレラン」その④
えー、先月9月26日は一年振りに谷川岳へ山旅遠征。
今年は2018年以来、二度目の「主脈縦走」にアタックして参りました。
そんな訳での山行記その④「大障子ノ頭.避難小屋~毛渡乗越」篇で御座います。
6:40に土合駅をスタート。
西黒尾根から谷川双耳峰を踏み主脈侵入、オジカ沢ノ頭~小障子ノ頭を通過。
大障子ノ頭避難小屋でランチレストを取り、山行を再開致しました。
10ː50、大障子ノ頭避難小屋を出立。(Time/3:34:22 DST/11.52㎞)
オコジョに別れを告げ、次なるピーク「大障子ノ頭」に向かいます。
嫋やかなササ原をスタコラ進軍。
避難小屋から大障子ノ頭は緩やかな勾配、距離も約0.6㎞程度。
「オジカ沢ノ頭~小障子ノ頭~大障子ノ頭~万太郎山の鞍部」は主脈縦走で最もアップダウンの緩やかな区間。
足腰に掛かる登降の負荷は少なく、走れるパートも多いです。
小ピークを一つ片付けると、直ぐに大障子ノ頭。
薄霧の向こうに丸みを帯びた山頂が見えて来ました。
「おっ、ガスが少し引いて来たかな?」
11:05、大障子ノ頭を通過。
右手(新潟側)には湯沢町や飯士山が一望出来る筈も…。
山麓部は濃霧に遮られ「残念賞」。
眼前には谷川連峰.最深部の雄にて、主脈の中間地点に座す万太郎山。
土樽より吾策新道を伝い、単座で登られる事も多い山。
ガス間に覗く山影からも、堂々とした山っ振りが窺えます。
大障子ノ頭(1800m)からは鞍部(1736m)を経て万太郎山(1954m)へ。
80m高度を下げて220mの上り返しとなります。
大障子ノ頭からの下りは、少しテクニカルな急坂パート。
左手側の切れ落ちた、グリップの覚束ない濡れた岩場パートが点在。
縦走路より、左手(群馬側)の展望。
赤谷川を挟んで、右に本谷ノ頭と1780P/左に小出俣山。
何れも登山路を有さない、積雪期のみに上れる頂です。
下り切ると、再び穏やかなササ原トレイルに。
鞍部の前後区間は平坦基調、暫くは緩やかな山路構成。
急坂となるのは万太郎山頂直下の短いパートです。
振り返って大障子ノ頭。
上ってる分には穏やかな山頂でしたが、こーして見ると中々厳めしい顔付きです。
鞍部を過ぎ、万太郎山の上りに取り掛かります。
未だこの辺は穏便なヒルクライム。
11:20、山頂直下に入ります。
良いタイミングでガスが切れ、山頂付近には秋晴れの青空が広がり出しました。
「これなら万太郎山からのパノラマ展望が楽しみっ♪」。
なーんて云うのは上った後、此処から約300mの直登急坂が始まります。
新潟県側の斜面は鮮やかな草紅葉。
目には艶やか、足には厳しい急登を黙々と上ります。
まぁこの後に控える「エビス大黒ノ頭」のヒルクライムに較べりゃ、関脇小結レベル。
登坂距離も短いので、立ち合いから一気に寄り切ります。
露岩帯を過ぎると「山の端」が見えて参りました。
よーし、あと一足登。
上り詰めたピークは万太郎山、…では無く吾策新道の分岐。
鉄製の登山路標柱はぶっ倒れてたまま、何時になったら直されるのかな?。
降り返ると、稜線を覆っていたガスは殆ど引いています。
手前より大障子ノ頭~小障子ノ頭~オジカ沢ノ頭、中央奥に谷川岳。
今まで辿って来た主脈縦走路が一望の元に望めました💗。
左最奥には燧ヶ岳、右手最奥には日光白根山の山容も覗けます。
「雄大っ♪」「荘厳っ♫」「絶景っ♬」
11:30、万太郎山とーちゃく。(Time/4:09:22 DST/13.27㎞)
谷川岳主脈縦走路の中間地点、凡そタイムテーブル通りの進捗。
但しこの日のルートは平標山から大源太山~三国山~三国峠~浅貝まで進むので(約33㎞)、未だ行程の半分にも足りてません。
尚、左手のザックは吾策新道から来られたハイカーさんのもの。
谷川岳の肩~仙ノ倉山の間で「人」と遭遇したのはこれが最初で最後でした。
正面には谷川岳主脈「最強の敵」、エビス大黒ノ頭。
手前下の小ピークから右に弯曲した稜線が極悪パート、あそこは殆ど直登です。
左横の頂はこの日の終盤に踏む大源太山(河内沢ノ頭)、うーんマダマダ遠い…。
主脈縦走はこの先からが「キモ」のパート。
これまで以上に厳しいアップダウン ダウンアップが待っています。
主脈のラスボス、仙ノ倉山/平標山は雲隠れ中。
まぁあの程度の雲量なら、そのうち引いてくれるでしょう。
前を見ても後ろを見ても、右を見ても左を見ても、近景も遠望「山、山、山…」。
流石、主脈縦走路のど真ん中にて最深部。
ホント、「山深い所処まで入って来たなぁ」と実感出来る山海原の風景です。
それじゃ先を進みますか。
正面に座す山は東俣ノ頭、あそこは主脈から外れてるのて通りません。
暫くはハイマツやシャクナゲの繁るヤセ尾根を進みます。
左右は切れ落ちてますが、樹々のお陰で高度感はありません。
灌木帯を過ぎると、再び視界の広がるササ原帯に。
万太郎山~東俣ノ頭ノ肩の間は至って緩やかな下り。
「越路の大下り」はもう少し進んでからです。
チシマザサ繁る穏やかな尾根は絶好のRUNパート。
正面の東俣ノ頭は肩の部分を巻き、右手に90度折れて進みます。
東俣ノ頭の肩を過ぎると、エビス大黒ノ頭の全容が望めます。
眼下には主脈縦走の最低鞍部、毛渡乗越が見えて参りました。
お待ちかねっ、激下りの始まりだよっ💀。
これより稼いだ標高を吐き出す急下降パート、どんどん² 高度を下げて行きます…。
東俣ノ頭の肩より見返る、背後東面の眺望。
左端より延びる一ノ倉岳~谷川岳~オジカ沢ノ頭~爼嵓山稜の稜線が見事。
遠望には平ヶ岳~至仏山~武尊山~日光連山/白根山~赤城山。
主脈を覆っていたガスはすっかり引き、見事な秋晴れ☀ワイドパノラマ。
うーん、コレがあと3時間早やけりゃなぁ…。
ズームにて谷川岳双耳。
あの頂に立っていたのはもう2時間半以上前、思えば遠くに来たもんダ。
でもってどんどん下ります。
膝に来る程の急勾配では無いものの、下り終えた後の上り返しを考えると(鬱)…。
「フィジカル」より「メンタル」に堪えるダウンヒルです。
更にどんどん下ります。
背後には15分前に立っていた万太郎、あんなに遠く(高く)なっちゃった…。
右手の湯沢里山を眺め、気を紛らわします。
手前の稜線は左より足拍子岳~クロガネノ頭~コマノカミノ頭。
専ら積雪期に上られる雪山登山の山々。
11:50、この日のカマボコ三食目、越路避難小屋を通過。
眼前に聳え立つエビス様は、標高1888mとは思えない威圧感。
鞍部から尾根を忠実に辿る縦走路も、はっはり目視出来ます(ゲンナリ)。
「お前、ホントは2200mくらいあるだろっ」てな感じ。
避難小屋を過ぎると、毛渡乗越(主脈の最低鞍部)が見えて参りました。
万太郎山から約410mの高度下降、1568m地点にてやっと「下げ止まり」。
標高的には「西黒尾根/ラクダの背」まで下りて来た形になります…。
11ː55、毛渡乗越を通過。(Time/4:36:19 DST/15.19㎞)
今までコツコツ積み立てた貯金(標高)も「残高ゼロ」、つーか借金生活突入。
うーん、何てヤクザな「谷川岳主脈銀行」。
その中でも「毛渡乗越支店」は闇金紛いの過剰/高利貸し付け。
当然その後は、情け容赦無い取り立て(上り返し)が待ってます…。
と、こんな感じの「谷川岳主脈縦走」その④。
毛渡乗越からは……取敢えず「何も考えずに登る」のでした。
続く。