●「谷川岳主脈縦走トレラン」その②
えー、先週9月26日上越国境稜線へ山旅行脚。
一年振りの「谷川岳」トレラン遠征に逝って参りました。
昨年は「馬蹄形縦走クラシカル」を走破したので、今回は「主脈縦走.西進コース」。
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2021/09/post-c469cb.html
このルートは2018年以来、2度目のアタックとなります。
谷川連峰エリアの人気ルート「ツートップ」の馬蹄形/主脈縦走。
しかし標高(2000m級)や山行距離(約30㎞)の机上スペック以上にタフな工程。
特に主脈縦走は中盤のアップダウンが厳しく、1Dayで片付けるには「それなり以上」の体力/精神力が必要。
逆にグレーディング的に危険箇所は無く、テクニカルよりフィジカルが勝負です。
6:40に土合駅をスタート、西黒尾根を伝い谷川双耳峰へ。
そんな訳での山行記その②「ガレ沢のコル~谷川岳トマ/オキ耳」篇で御座います。
8:10、ラクダのコルから岩峰Pに取り付きます。
此処から頭上の頂までは岩場登り、前を行く人々が米粒みたいに望めます。
広い岩尾根を黄色い矢印➡に従って登坂。
このペンキマーク、ガスで視界の利かない日にはホント助かるのです。
取り付き=急坂突入、鋭角なピークは直ぐに隠れて見えなくなります。
浮石の多いガレ場ですが、難度的にはそれ程テクニカルではありません。
因みに個人的印象だと、此処が西黒尾根の最大急登パート。
只、背後の展望が開けている分、時折降り返りパノラマを愛でつつの登坂。
序盤の樹林帯より「目に楽しい」ヒルクライムです。
左手には天神尾根。
ロープウェー使ってのハイカーさん第一便が到着の頃かな。
鎖場の連続パートに突入、露岩の隙間を縫う様に上ります。
「楽しい鎖場」レベルの登岩ですが、流石にペースは鈍化。
ピークまでの距離は中々縮まりません。
鎖場を終えると岩峰の頂部が見えて来ました。
あのピークは通らず、左側から巻いてクリアして行きます。
8:20、岩稜帯ピークからは山路構成が一転。
幅広の岩膚路から狭い岩尾根に変わり、勾配自体も大分緩みます。
この辺で西黒尾根「登山口~オキ耳」の2/3行程を消化。
岩峰頂部より見返る西黒尾根。
眼下には先程通って来たラクダの背、右端には小さく土合駅。
背後左側には馬蹄形前半部のメインピーク.朝日岳。
山頂を覆っていた雲は何時の間にか引いていました。
右手にはオキの耳より続く断崖絶壁の東尾根、破壊力満点のシンセン岩峰。
奥には馬蹄形縦走の中間地点、七ツ小屋山(恨ガス)。
おっ、谷川岳に掛かるガスが次第に引いて来たっ♬。
正面の雲間より覗くのが「谷川岳の肩」。
予報通りの天候良化、こーなると俄然ヤル気スイッチも入って来ます。
でもってココの露岩が兎に角「良く滑る(ツルツル)」。
登山者の靴で研磨され、妖しく蒼光りする巨石登山路。
アウトソールのグリップを確かめつつ、一歩つづ前進。
雨降ってる時には絶対使いたく無いコースです(特に下り)。
ザンゲ岩が大分近づいて参りました。
標高1800m近くからガス帯に入るも薄霧の掛かる程度、大分引いて来ました。
8:40、ザンゲ岩を通過。
ココまで来れば谷川岳は「耳」と鼻の先、そして…、
「完全にガス引いたっ♡」。
こりゃ今日は絶好の「山行日和」「山景日和」確定と、モチベーションアップ。
空も気分も秋晴れです♬。
しかしそー簡単にハナシが進まないのが谷川岳なのでした(後述)…。
ザンゲ岩より見遣る、南東の眺望。
眼下にはすっかり見下ろす形となった天神尾根~天神山/天神平/高倉山。
高檜山.三峰山等の稜線を重ねて、最奥には赤城山と子持山。
ザンゲ岩を過ぎると露岩は姿を消し、爽快なササ原が広がります。
淡青の秋晴空に浮かぶ羊雲、秋の山行はやっぱりこうでなくっちゃ♪
左手には爼嵓の稜線が大きく望める様になって来ました。
国土地理院のバカヤロー(笑)。
8:55、指導標鉄塔/谷川岳の肩を通過。
やっぱり空が青いと、何撮っても写真映えするものです。
クリアに澄み渡った秋天に広がるのは「空のカンバス」。
横一文字の巻雲が幾重にも連なる光景は、まるで絹糸を並べたかの様です。
上越国境の山々は層雲に覆われ望めませんが、コレはコレで幽玄な絶景View。
思わずもう一枚📷。
爽秋の高空は目を奪われる透明感、これがホントの「ヘヴンリー.ブルー」
左端にちょっぴり頂を覗かせるのはテーブルマウンテン苗場山。
8:55、谷川岳/トマ耳到着。
写真には写ってませんが、朝の谷川岳は結構数なゲストで賑わってました。
恐らく肩の小屋に宿泊されたハイカーさんたちでしょう。
トマの耳より望むオキの耳、奥には一ノ倉岳。
因みに此処からは上越国境稜線、右足は群馬県で左足が新潟県です。
トマからオキに向かいます。
右手(群馬側)、マチガ沢はチシマザサの「緑」。
左手(新潟側)は色取り取りの綾錦が見事。
流石谷川岳、山肌を彩る色調も「非対称稜線」です。
草紅葉と一ノ倉岳/武能岳を見遣りつつ、5分程歩を進めると、
9:00、谷川岳/オキの耳とーちゃく。(DST/6.86.㎞ Time/2:16:25)
概ね予定通りのタイムテーブルで登頂。
此処から大障子避難小屋までは多量の汗を搔くパートはありません。
そんな訳でレースベストを下ろし、レイヤーとパッキングを微調整。
オキの耳より、武能岳方面に延びる馬蹄形尾根路。
右手は富士浅間神社を祀る小ピーク、左奥には一ノ倉岳。
もう少しのんびりしていたい所処ですが、未だ行程の1/4にも満たない地点。
5分程の滞在でオキ耳を後に致しました。
西方には、これより向かう主脈縦走路。
正面にはオジカ沢ノ頭、奥には万太郎山と仙ノ倉山も望めます。
今まで上って来た西黒尾根は、主脈への「アプローチ」にしか過ぎないのです…。
9:05、先程のリバースアングル、オキ耳より望むトマ耳。
んじゃボチボチ出発しますか。
と、こんな感じの「谷川岳主脈縦走」その②。
谷川岳から主脈縦走路に侵入、延々と続く「アップダウン祭」に入るのでした。
続く。