●「谷川岳主脈縦走トレラン」その⑤
えー、先月9月26日は一年振りに谷川岳へ山旅遠征。
今年は2018年以来、二度目の「主脈縦走」にアタックして参りました。
そんな訳での山行記その⑤「毛渡乗越~仙ノ倉山」篇で御座います。
6:40に土合駅をスタート。
西黒尾根から谷川岳~オジカ沢ノ頭~万太郎山を経て、最低鞍部の毛渡乗越を通過。
主脈縦走の「核心部」、エビス大黒ノ頭/仙ノ倉山への上り返しに取り掛かりました。
11:55、毛渡乗越を通過。(Time/4:36:19 DST/15.19㎞)
万太郎山から1.9㎞で400m下って、漸く主脈縦走路の最低鞍部に到達。
山頂への距離は縮まっている筈なのに、標高差が増し却って遠くに感じられる…。
エビス大黒ノ頭へは、これより1.6㎞で360mの高度上昇です。
お待ちかねっ、
主脈縦走路最大の「修羅パート」、
極悪上り返しの始まりだよっ♡
先ずはザコキャラ、目の前の小ピーク(1670P)を片付けます。
因みに見えてるのは小ピーク頂では無く、更に上った奥にあります。
背後を振り返りつつの登坂。
万太郎山がらこれだけ下って、その分に近い高度を上り返し。
うーん、何て見返りの無いアップダウン…。
15分程上って1670Pを通過。
マダマダ高くて遠いエビス大黒ノ頭。
目視出来るだけでも偽ピークらしきものは4つあります…。
お前、絶対2200mくらい有るだろっ!! (実際は1888m)。
しかも小ピークから「一旦下ります…💀」。
僅か40mの高度下降ですが、100m標高稼いだ後のコレは精神的に辛い。
借金支払ったと思ったら「元金には足らず利息分だけだった」と云うオチ。
ある意味、最低鞍部より「サイテーな鞍部(別意)」です…。
でもって「最低な鞍部」からの上り。
エビス大黒天ノ頭の頂は、稜線に隠れて見えなくなっちゃった…。
目視で捉えられる頂は、全て登坂途次のニセピークです。
基本的にこのパートは殆ど「直登」、ササ原をダイレクトに上って行きます。
稜線と空のスカイラインは見えてるのに、山頂が全く見えないってのは辛い…。
遠目から見るエビス大黒ノ頭は三角錐の鋭敏な山頂。
しかし実際には東西に横幅のある稜線で、その最奥(西端)が山頂となっています。
これは「中ゴー鞍部~オジカ沢ノ頭」と同じパターンですが、こっちの方が激登。
距離や標高差は比較にならないタフな工程です。
岩場の目立つ路に入ると少し勾配が緩みます。
この辺りからは群馬県側(左)が険峻なルンゼ。
目の前の岩峰は新潟県側(右)に巻く形で山路が通っています。
背後の展望を愛でつつ、一息入れます。
左面にササ原の広がる眼下の小頂が1670Pと最低な鞍部。
毛渡乗越を経て東俣ノ頭~万太郎山。
岩尾根パートを遣り過ごすと、ススキとチシマザサ繁る急坂に。
頭上に見えてるのも、勿論偽ピーク(苦笑)。
「延々と」「黙々と」「兀々と」上り続けます💀。
やっと山頂直下。
写真では解り難いですが、エクスカリバー(標柱)が小さく望めます。
12:35、エビス大黒ノ頭とーちゃく。(Time/5:12:42 DST/16.85㎞)
主脈最大の難関「黒恵比寿」撃破!!
数多の名峰/秀峰が居並ぶ谷川連峰の中では前頭レベルの格付けの頂。
しかしその実力(アップダウンの厳しさ)では主脈の横綱級。
「笹平→武能岳(馬蹄形.反時計周り)」「清水峠→JP(馬蹄形.時計周り)」と並び、谷川連峰の「上り返し.極悪三兄弟」と云った感じです。
因みに前回(2018年)の主脈縦走はガスに祟られ、全く視界の利かないコンディション。
この日は午前中のガスも引き、見事な山景眺望に恵まれました。
そんな訳で念願叶い、四年越しのパノラマ展望を楽しむ事に致しました。
正面には主脈縦走のファイナルパート、仙ノ倉山と平標山。
因みに此処から120m下って、260m上り返します。
背後にはこれまで上って来た激闘(激登)のパノラマ。
正面左に万太郎山、その奥には谷川岳の双耳峰が望めます。
因みに最低鞍部からの稜線は山頂直下の山端に遮られ、全く覗けません。
うーん、エグい上りだった事の証左。
ズームにて、万太郎くんと谷川くん。
エビス大黒天ノ頭からの見晴らしは万太郎山に負けず劣らずの絶景。
うーん、これまでの鬼上りが報われる(感無量)…。
上州のワイドパノラマが180℃フルスクリーンに広がっています。
西南方面は平標山より伸びる南尾根の先に大源太山(河内沢ノ頭)。
最奥には佐武流山~白砂山と連なる上信国境の山々。
南尾根上に小さく望める山小屋は「平標山乃家」。
これより仙ノ倉山/平標山を踏んだ後に向かう、2度目の休憩ポイントです(80分後)。
奥に広がるゲレンデは筍山/苗場スキー場、右奥に佐武流山。
同、その後に向かう大源太山(2時間15分後)。
左奥の稜線には更にその後に向かうワラジカケマツノ頭と三国山(3時間後)。
やっぱり主脈縦走つったら「西黒尾根」から「三国峠」へ至るのがスジなのでして。
12ː40、パノラマ展望を満喫し山行再開。
エビス大黒ノ頭(1888m)からは避難小屋コル(1794m)へ下り、仙ノ倉山(2026m)へ。
此処からも、下った分「ノシ付けて」の上り返しでーす。
下りの距離自体は短く、鞍部は間近に望めます。
万太郎山→毛渡乗越のダウンヒルに較べりゃザコキャラレベル。
因みに仙ノ倉山は正面の頂、右の出肩ピークは北尾根へと続く「三ノ字ノ頭」です
あっさり鞍部に到達。
高度下降は約120m、これから260m上り返します。
12ː55、鞍部から少し進むとエビス大黒避難小屋。(Time/5:26:01 DST/17.59㎞)
本日最後のカマボコ、標高1784m地点を通り過ぎます。
因みに「エビス大黒天ノ頭↔避難小屋↔仙ノ倉山」の間は其々約0.7㎞。
距離的にはほぼ等間隔です。
登坂途次、カマボコとエビス大黒ノ頭を振り返る。
こっち(仙ノ倉山側)から見ると、大したピークじゃ無いんですけどね…。
群馬側のルンゼが中々とエグい。
再び(三たび?、四たび?、五たび?…)黙々と上ります。
キツいっちゃキツいのですが、細かく左右に振った山路構成で直登パートは少なめ。
エビス様への激上りに較べりゃ距離も短いし「全然楽」です。
右奥に山頂が見えて参りました。
手前の小ピークは右を巻き、その後は一気に勾配が緩みます。
頭上の稜線に白い方位盤が見えて参りました。
コルから上り返しを始めて20分、スンナリと登頂。
13ː15、仙ノ倉山とーちゃく。(Time/5:44:42 DST/18.34㎞)
主脈西域の盟主にて谷川連峰の最高峰、そして唯一の2000m超えの山。
仙ノ倉山を踏破すると、主脈縦走路「キモ」のパートは終了。
この後は多少の上り区間はあるものの、基本的には下り主体の構成。
穏やかで走り易いトレイルが続きます。
と、こんな感じの谷川岳主脈縦走.その⑤。
仙ノ倉山以降は愈々山行のファイナルパートに進出。
平標山~大源太山~三角山~三国山~三国峠へと歩を進めるのでした。
続く。
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