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2024.02.10

●桃園にて「梅に鶯」

えー、本日のエントリーは昨日ログ「梅花風流」の続編みたいなもの。
でもって立春次候の時宜に叶った「黄鶯睍睆」のオハナシ。
でもってたまにはバァの二次元日誌らしく「グラス」のオハナシ。

そんな訳で赤坂時代からの長い付き合い。
祇園町のアンティークショップで入手した、この子の出番です。

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鳥に草花文様/ハンドグラヴィール.シェリーグラス
(Baccarat 1890~1900年頃)

縁回りには豆絞りや唐草文様、それに花角家紋などの古典柄を配した幾何学模様。
ボウル部には掛軸や蒔絵を想起させる、枝梢に止まる愛らしい小鳥。
「梅に鶯」を本歌取りしたデザインは、正しくジャポニズム全開のバカラです。

モチーフはジャポニズムも、グラヴィール自体は写実的な西洋画手法。
アールヌーヴォー初期の典型とも云える、和洋折衷のドリンキングウェアです。

オールドバカラのラインナップとしては「Mimosa/ミモザ(1907年~)」に酷似しており、プロトタイプ的な立ち位置なのかも。
尤もミモザの技法がエッジングであるのに対し、このグラスはハンドグラヴィール。
細部に至る描写や陰影のある立体感など、手の込み様が段違い違いですが。

尚、本日の表題は中野南口一帯の旧町名「桃園」に因んだものにて。
そんな訳で桃花の地にて愛でる「梅と鶯」なのでした。

 

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