・Ⅹⅴ.グラスのこと

2010.10.28

●不忍池にて

昨日は日暮れ前の湯島にて。
ちょっくら時間が空いたので不忍池を「ぷらぷら」していると、「骨董市(<我楽多市)」らしき催しが行われておりました。

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尤も露店の数は両手で足りる位のささやかなもの。
暇潰し宜しく、冷やかし半分で張布の下を覗いておりました、が…。

「結局何か買ってしまうのです」。

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【写真左】そんな訳でこの日の戦利品。
お代は値切りに値切ってニ脚\500。
麒麟くんはチェイサー用に、赤玉くんは偽電気ブランに使おうかな、と。

何時になるかは未だ解りませんが…。

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2009.07.28

●「ルネ・ラリック」展

01_2昨日は昼過ぎより六本木へ。
国立新美術館は「ルネ.ラリック」展に行って参りました。
因みに展覧会正式名称は『生誕150年ルネ.ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ』展…。長っ。

正直「ラリック展」と云われても然程目新しさを感じないのですが、それは恐らく「アールデコ」「近代ガラス」関連の展覧会でよく目にするからかも知れません。
実際、ラリック単独での大規模な展覧会は2003年(大丸ミュージアム)以来。
よーく考えてみれば六年振りなのです。

しかも今回の展示作品数は約400点、前述大丸の「ラリック展」では約250点でしたから、比肩して本展の力の入れようも判るものでしょう。
更に今回の「ラリック展」は、出展量のみならず質の面に於いてもこれ迄と一線を画する内容となっています。

興味深いのは比較的「さらっ」と流されがちな、前半生(~1910年頃)のジュエリー宝飾品が可也豊富に展示されている事。
ラリックの作品を時系列的に俯瞰する上で、アール.ヌーヴォー期(「ガラス作家」以前)のラリック作品は非常に重要なもの。
ルネサンス、バロック.ロココは元よりイスラム、ケルト…、そして「ジャポニズム」。
「様々な国」の「様々な時代」の芸術様式の影響を受け、次時代(アール.デコ)への新しい道筋を切り開いた過程を窺う事が出来ます。

亦、作成に当たってのデザイン画.修作も多く展示されており、作品と見較べてみると如何にデザイン下地が精巧に造形化されているかが解るもの。
優れた「デザイナー」であると同時に「プロデューサー」としての彼を垣間見る事が出来ます。

勿論ラリックの真骨頂とも云うべき「アール.デコ」作品も数多展示されています。
ラリック作品の代名詞とも云える「オパルセントガラス」「ロストワックス」「パチネ」の技法を用いたフラワーベースやボウル、プレート。
アール.デコ博パビリオンで展示されていた作品の数々。
史上最強の工芸ガラスコラボレーション、コティの香水瓶。
その他諸々…。

そんな訳で此処数年のガラス関連展覧会の中では、2005年に江戸東京博物館で開催された「エミール.ガレ」展と並びハイボリュームなものでした。

尤もガレ展に比べ「脳内&視覚」疲労困憊状態にならなかったのは、ラリックの作品があくまで使用実地に伴ったものだからでしょうか。
精巧な装飾技法や可塑.透過性の美しさに感嘆し心惹かれるものの、その立ち位置は「産業工芸ガラス」。
何せガレの作品の場合、「観念の魂塊(物を云うガラス)」。
訴えてくるものが多過ぎて重過ぎて、下手すると生気を吸い取られかねません。

とまぁこんな所処でした。
尚、「ガラス工芸様式.作家」その他詳細に就いては下記弊サイトを参照に。↓
http://bamboo-bar2.cocolog-nifty.com/
「ルネ.ラリック」の項だけ、一応コピペしておきます。

【Rene Lalique】

云う迄も無く、アールデコのみならず近代を代表するガラス工芸界の巨匠。
ラリックについては研究書としても幾百の出版物が出され、簡単に解説を加える事は難しい。従って彼の極々簡単な履歴と、ガラス作家としての功績を辿ってみる事にする。

1860年 4月6日、パリの東に約120km、シャンパーニュ地方のマルヌ県アイにて生誕。
1876年 父親死去。16歳で宝飾技師ルイ.オーコックの元で働く。
1878年 ロンドンに渡り、2年間美術学校でデザインを学ぶ。
1880年 パリに帰国。二年間、宝飾デザイナーとして働く。
1882年 宝飾デザイナーとして独立、各杜にデザインを提供し活躍。
1886年 宝飾工房を買い取り、自ら実作を始める。
1889年 パリ万国博覧会に出展。(29歳)
1890年 宝飾部品として、鋳造ガラスを手掛けはじめる。
1898年 パリ郊外にガラス工房を設ける。
1900年 パリ万国博覧会に出展。その後も数々の博覧会出展や製作依頼が続く。(40歳)

ラリックはアールヌーヴォー期には宝飾デザイナーとして活躍した。
1889年のパリ万国博覧会に出展し注目を浴び、その後数々の展覧会やサロンで名声を高める。1900年のパリ万国博覧会では100点以上の作品を出展し、賞賛の中で宝飾作家としての地位を不動のものとする。
この頃の作品はやはりアールヌーヴォーらしく、今までの既成概念を打ち破った材質や細工を用いていた。また、彼がこの時期までに培ったデザインの技法、ガラスの製法技術は、後のガラス作家への転身の際に大きく役立つ事になる。

1908年 香水商フランソワ.コティとの共同関係が始まる。
1909年 パリ南東コーム.ド.ウィルにてガラス工場を構え、ガラス製品の生産に入る。
1911年 ガラス作品への比重が増えていく。
1912年 ガラス作品のみの展覧会を自営店で開催、この後宝飾作品の製作を放棄する。
1914年 第一次対戦勃発。同年から1918年までガラス製作を休止


1907年にラリックの後半生の運命を決定づける、香水商フランソワ.コティとの出会いがあった。
コティはラリックに香水瓶のパッケージデザインを依頼、これを期に本格的にガラス製作に入り込む事になる。今までの一点ものの宝飾品とは違い、量産品の香水瓶という商品自体が、あたかもその後のラリックの方向性を暗示している。そして1907年を最後に、彼は宝飾作品から離れ、ガラス作家一筋に取り組むようになる。

1918年 第一次大戦終了。
1921年 アルザスロレーヌ地方に第二工場を設立。ガラス製作再開。
1925年 現在装飾美術産業美術国際博覧会出展、ガラス工芸.工業部門代表を務める。
1926年 「ルネラリック杜」設立


第一次大戦により操業休止を止むなくされたラリックだが、戦後翌年には近代設備を整えた大規模な第二工場を設立、生産を再開させる。それまでの宝飾作家としての知識と技術に加え、新たに開発した技法など全てをガラス製作に注ぎ込み、以後次々と作品を発表していく。
そして1925年のアールデコ博では工芸作品の出展以外に、自身のパビリオンの他、各パビリオンの内装、ガラス製の大噴水など室内外を問わず大規模な作品を発表、大成功を収めた。こうしてアール.デコ期を通じ、ラリックがガラス工芸界に与えた影響は限りなく大きいが、大別すると以下の通りであろう。

ラリックの革新性は、当初から品質の高い量産品を造ることを念頭においていたことに挙げられる。
アールヌーヴォー期の殆どの作家達が、作品の近代化に相反して、手作り志向による一点製作主義から脱却出来ずにいたのに対し、ラリックはガラス工芸を同時に産業として捉え、自らはデザインを担当、生産は機械化された工場で、と工程を明確に分離した。ガラスの手工業的生産を近代的生産システムヘと脱却させたのである。
そして作品を大量生産とすると同時に、エミール .ガレらが築き上げた「美術工芸品」としてのガラスの価値も継承していく。デザイナーとしてラリックは、ガラスの特性を最大限に引き出し、なおかつ独創的で時代の最先端の造形を生み出していった。同時に、素地にはセミ.クリスタルガラス、成型にはプレスや型吹き、という風に、量産に適した素材や技法の開発を続け、高品質な工芸作品を生産していく。また博覧会用などに、自ら手掛ける一品製作も並行していくが、生産品とは一線を画した形で行われた。
こうした生産システムの確立により、ガラスの用途が新しい分野にも拡がっていく。異なるガラス素地や装飾のものを様々なバリエーションで大量生産出来ることで、今までには無い、未領域へのガラスエ芸の進出が可能となった。テーブルウェア、シャンデリア、花瓶といった既存の分野に加え、コンポート、モニュメント、船舶や列車、教会など室内外を問わない大規模な装飾、更にはカーマスコットに至るまで様々な領域に可能性を拡げていった。しかもそこには量産品としての品質劣化は見受けられず、優れた美術作品としての価値も並存していた。

ラリックの技法的特徴については諸誌を参考にしていただきたいが、作品の大きな特徴は素材、装飾共にガラスの透明性を最大限に活用したことであろう。
素地には透明クリスタルと、半透明ないしは乳白色のオパルセント .ガラスの組み合わせを好んで多用する。色ガラスを用いる際にも色彩をぼかし、極力透明感を表現する。装飾にもサチネ、パチネといった色、光沢表現を主とした技法でガラスに更なる奥行き、立体感を与えた。
こうしたラリックの作品は、光の調度で色彩、透明感、輝度が微妙に変化し、独創的な質感を持つ。そこには優れたデザインからくる造形美に加え、ガラスのみが持ちうる、重厚さ、はかなさ、神秘性などといった、素材からくる美しさも秘められていた。

1939年 第二次大戦勃発。ガラスエ場停止。
1945年 5月5日、85歳にて永眠。息子マルク.ラリックが後継となる。


アールデコ博後も精力的な制作活動を行っていたラリックだが、1939年の大戦勃発により二つの工場はドイツ軍に接収され止むなく休止、その後本格的な活動に入ることなく1945年にこの世を去ってしまう。
ラリックの築き上げた業績は、1950年代を代表する工芸作家として活躍した息子マルク、さらにその娘マリークロード・ラリックによって継続されていた。

が、経営とアートディレクションを担っていたマリーは1994年に自社株を売却、1996年には完全に事業から撤退し血縁者による経営は終わりを告げた。ラリック社は現在ポシェ社の傘下に入っている。
しかしラリック社の芸術性と実用性に富んだ作品は今尚高い人気を誇っており、植物、動物、女性像などのモチーフを、クリアとフロステッドによる対比で柔らかく表現する手法は同社独特のものである。

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2009.03.04

●グラス新入荷 09年冬

毎度恒例、年二回のグラス購入シーズンです。

今回は特に「お目当て」と云ったものが無かったので、工房を絞らず選んでみました。
従って客数もやや少なめです。
尤も現在ユーロが低落中、「是天の幸い」と計りドイツからフリットヘッケルト、マイヤーズネッフェなぞ数点購入しようか思案中。
世界同時不況も「物欲」には抗えない様子です…。

と云う訳で、新アイテムの幾つかを御紹介。

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・グラヴィール草花文様 シャンパンクープ 
(モーゼル.1902年頃 ボヘミア)

ボウル部にエンヴレーディングされている花草文は恐らくアイリス、ヌーヴォー期のモーゼルに於いて良く見られる装飾です。
縁部とイニシャルの金彩、直線的にて手の込んだロングステムも同社得意の技法。
スピリッツペースの「クール」なカクテルが似合いそうです。

090302_016・エナメル彩 カクテル(?)グラス
(工房不明.1920年代)

安定感のある肉厚のフットに十二面体カットが美しい。
直線的なフォルムに相反して柔らかい口当たりです。

闘鶏の絵柄から英国製と思ったのですが、質感からしてボヘミア?造形からしてフランス?、…。
サイズ的にカクテルグラスとしても使えますが、個人的には「男性的」な感じのするグラス。
従って注ぎモノの方が「しっくり」くるもので、専らニートで使っております。

090302_027_2・WINGEN/ウィンゲン 
(ルネラリック.1926年 フランス)

簡素で安定感のある形状に繊細な縦線模様。
シンプル且つモダンなデザインの妙味は「流石」ラリックと云った感です。

因みにネーミングはアルザス地方のWingen-sur-Moder(ヴィンゲン.シュル.モデール)より取ったもの。
1921年にラリック工房の創設された所縁ある地名です。

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・エナメル彩シャンパンクープ (ダモン/ドーム工房.1900年代 フランス)
パリのセレクトショップ「LOUIS DAMON」で扱われていたドーム工房のグラス。
同時期のドーム工房では画家、工芸家、各種ガラス作家等が共同制作に参加しており、「ドームナンシー」に認可されていた作品も少なくはありませんでした。

漣形系のフォルムに鮮やかエナメル彩は、フット部にまで手が込んでいます。
亦、ジャポニズムの影響を多分に受けた彩色は古伊万里を彷彿とさせるもの。
従い白磁をイメージしてミルク系のデザートカクテルに使ったりするとグラスがよく映えるものです。

090302_020_2・エアーツイストステム 
(工房不明.近代 アメリカか)
以前扱っていた同様式のグラスに酷使しており、エアーの間隔やガラスの質感から、恐らく20世紀中頃のものかと。
ボウルとステムの接合部の仕上げが雑なのが難点ですが、贅沢は云っておれません。
使い勝手の良いサイズのツイストステムは貴重です。

しかもこの子、実は戴き物だったりする訳で。

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2008.12.29

●続.「2009年」届きました

昨日、ミヤコは祇園町より一包の小荷物が届きました。
解括して見ると中には来年の月暦、何時も御世話になっている新門前のグラス屋さんからでした。
ラリックの所蔵で全国的に著名な此方のギャラリーからは、毎年素敵な卓上カレンダーを頂いております。

081229_001因みに今年は「鳥.動物.昆虫」をモチーフとした作品集。
一月はフラワーベース
「AIGRETTES(1926)」にて。

私めの文机も是にて迎春準備完了、と。

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2008.11.26

●道央行脚.後記

先日は北海道旅記の後日談。

如何に体鱈苦な一泊二日であったかは先日ログに詳しいので改めて述べる必要もありませんが、一応「飲み屋の主」らしく其也に仕入れもしてきました。
 ・余市にて蒸留所原酒
 ・札幌にてホットカクテル用バター
 ・小樽にてグラス一脚

081125_003_2北一硝子の「ゆらゆら」オールドファッショングラス。
写真では判り難いですが微細な漣文様が装飾されています。

恐らく本ネタはノーマンコペンハーゲン社のロッキンググラス。
上社と同様のフォルムですが、ガラスの質は此方の方が宜しいかと。

081124_019_3
と云う訳で、お約束通り「ゆらゆら」しております。

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2008.10.04

●「アール・デコの館」後記(其の壱)

えー、画像整理に手間隙が掛かり、少し遅れましたが…。
一昨日、東京都庭園美術館「アール・デコの館」展覧会のリポートに成増。
取敢えず三部作.其の壱にて。

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【旧朝香宮邸.外観二景】
右は西面(正面通路側)、左は南面(芝生広場側)より望む。
直線を機軸に構成された形状と、上品な空気を醸しだす黄白色の壁面。
デコラティフ宜しく規律的に配された長方形の窓にはエッジの効いた黒枠縁。
硬柔相反する要素を見事に調和させた外観だけ見ても、朝香宮さまと往時の内匠寮の見識を窺い知る事が出来ます。

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【ルネ.ラリック作品三態】
【写真上】玄関正面のレリーフ扉「PALAIS ASAKA」(1932年)。
その名通り朝香宮邸オリジナル、宮邸のランドマークと云える物です。
【写真左下】「BUCAREST/ブカレスト」(1928年)。
大客室のシャンデリア。主要53のパーツで構成されています。二基有り。
【写真右下】「ANANAS ET GRENADES/パイナップルとざくろ」(1928年)。
大食堂のシャンデリア。動植物をモチーフとしたフロス技法はラリックの真骨頂。

尚、詳細はルネラリック「カタログレゾネ(赤本)」903.649.667Pに掲載されています。

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次室のオブジェ。
アンリ.ラパン作「噴水塔」。
玄関レリーフの「PALAIS ASAKA」と共に朝香宮邸のフラッグシップと云えるアールデコ装飾物です。

漆喰のドーム天井、橙色の人造石壁、黒漆の柱とのコントラストも見事にて。

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【レリーフ三態】
代表的なものを挙げてみました。
【写真上】大広間大理石装飾「戯れる子供たち」。レオン.ブランショ作
【写真上】大客室扉.装飾パネル。マックス.アングラン作
【写真上】大食堂.草花紋銀飾壁。レオンブランショ作

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大広間から階段を上り二階ホールに向かう。
階段手摺にはブロンズ装飾と白硝子壁。階上を見上げれば大型円盤のシャンデリアに唐草モチーフのジャポニズム照明柱。
至る所処、観るべきモノが多すぎて「油断も隙も」あったもんぢゃありません。

と云う訳で、続きは亦後程。

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2008.08.13

●浅草ニテ別レタ彼女ト逢フ

扨、本日は八月十三日「盆の入り」です。
此処赤坂でも今日よりお休みの会社やお店が多く見られ、従いめっきり人の往来が少なくなって参りました。
そんな訳で「のんびり」キーボードを叩きながらの営業開始となっております。

所処で今昼は仕入れの為に浅草へ。
木村くん「12ozタンブラー」欠品補充の為に「創吉」さんに伺いました。

取敢えず散財する事も控えつつ、目途のグラスを購入し恙無く帰路に着こうとしたその際、不図昔見慣れた「愛らしい」フォルムのグラスが目に留まりました。
弊亭開店の折に購入したそのグラスは、数年前にゲスト手元不如意により遭えなく破損。
以来暫く欠品状態が続いておりました。
懐かしさも相俟って、つい手に取って眺めながら、
「ユーロも高騰しているし、今ぢゃ嘸かし暴価なんだろうな…」
と考えつつ値札を見てみると…。

…。びっくりする程「安い」のです。
その値札は恐らく正規品の半値以下、序でこのシリーズは現在もう取り扱ってないラインナップの筈。
流石に不審に思い尋ねてみた所処、南青山の直営店経由では無く直ルートで仕入れられたとの事でした。

C_022bと云う訳で、悩む間も無く即決。
ついつい二客戴いてしまいましたとさ。

彼女の名は、ロブマイヤー「漣」です。

 

 

 

 

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2008.08.04

●グラス新入荷 08年夏

初夏恒例、年二回のグラス購入シーズンです。
今回は現行ものも含め二ヶ月程かけて色々な所処から購入。
結果、例に由って結構な数になってしまいました。
と云う訳で、新アイテムの幾つかを御紹介。

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(左)・アシッド草花文様 (サンルイか.19c後半 フランス)
透明ガラス地に薄緑を被せアシッドにて緻密な装飾、縁部にはギルティング。
女性的なデザインに白ワイン用のフォルムは、恐らくサンルイと思われます。
実は戴き物、有難哉有難哉。

(中)・Rubina Verde/ルビーナ ヴェルデ (モーゼル.1885年頃 ボヘミア)
一見デザートグラスに思える形状も、シャンパン使用のグラス。
ギルド&エナメル彩のゴージャスな装飾は同時期のボヘミアでは多く見られるもの。
ヌーヴォー以前のアラベスク様式の影響が伺えるデザインです。

(右)・VOUGEOT/ヴージョ (ルネラリック.1937年頃 フランス)
ステムの装飾が「ラリックっぽい」です。
名前の通りバルーン型の赤ワイングラスですが、使い勝手は幅広く。
値段が手頃だったので都内某所で勢い購入、同シャンパンクープサイズも有り。

080727_032・フィリグラーナ ア.レティチェロ 
(ジーノ工房か.70年代~現代 ヴェネチア)
アンティーク.現行品問わずヴェネチアンレースはワイングラス形状のものが多く、バーウェアとしては微妙に扱い辛いのが難点です。
そんな中、このシャンパンクープサイズは重宝。
恐らくジーノ.チェネゼーネ工房と思われます。

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・草花紋 金彩三種 (何れもサンルイ.1880年代 フランス)
(左)カードゥーケウス(ヘルメス神の黄金伝令杖)と草花文の折衷。
(中央)ボウル部ギルド装飾の繊細さも然ることながら、ステムのカット技巧が出色。 
(右)同時期サンルイの代表的唐草文様ラインナップ、「CLUNY/クリュニー」。
何れも草花文様をエッチングとギルドで装飾、同社の得意とする技法です。

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(左)・クリストフル エディション/Christofle Edition 
(バカラ.1937年頃 フランス)

云わずと知れたジョルジョ.シュバリエのデザインによるパリ万博使用モデル。
ボトム底部にはクリストフルとバカラのダブルネーム。
以前持っていたグラスですが、破損してしまい暫く欠番中でした。
先日の東京ビックサイトでサイズ違いを二客再購入。

(右)・噴水/jets d' Eau (バカラ.現代 フランス)  
上記同様、1925年パリ万博シュバリエ作「クリストフルコラボレーション」物。
シンプルなデザインにステムのフロステッドが美しい。
日本未輸入のリ.プロダクトモデル、オークションで購入しました。

080727_024・ティーカップ
(テレジアンタール.現代  ドイツ)
冬に向けてのホットカクテル使用。
上品な幾何学文様デザインはブランデーやカルヴァドスものが似合いそうです。

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2008.03.21

●エミール.ガレ&唐長

一昼夜降り続いた雨も漸く上がったものの、本日の空具合は曇天模様。
風足もやや冷たく、少し計りの「寒の戻り」です。

そんな週末金曜日、正午過ぎより東京ミッドタウンは「エミール.ガレ」展へ赴く事に。
そう云えば丁度四年前、幣亭開店準備の折には未だ元赤坂にあったサントリー美術館、移転後に足を運ぶのは初めてでした。   

Maintitle出展リストにて作品は確認済み。
「お目当てのモノ」は粗方決まっています。
「虫」(黒のシリーズ)
「アモルは黒い蝶を追う」(悲しみの花瓶)
「蛾.昼顔」
「おたまじゃくし」
「過ぎ去りし苦しみの葉」
「鶴首瓶 蜻蛉」(悲しみの花瓶)
「花器 蜻蛉」(アンテルカレール)
「脚付杯 蜻蛉」(マーブルガラス)

休み明けの平日昼過ぎと云う事もあり「パラパラ」と云った人の入り。
矢張り美術館は平日に限るもの、お陰でゆるりと鑑賞出来ました。

しかし何時もの事ながら、ガレ展に来ると非常に疲れます。
バカラやラリックなら、精巧な装飾技法や可塑.透過性の美しさに感心したり、「コレ欲しい」と物欲をそそられるだけで済むのですが…。
何せ「物を言うガラス(と云うより造形絵画)」、変人ガレの観念の魂塊。
訴えてくるものが多すぎて重すぎて、下手すると生気を吸い取られかねません。

思い出すのは三年前の没後百年記念のエミール.ガレ展(江戸東京博物館)、出展作品総数約220点。三分の一程廻った所処で眼と脳内が耐え切れず、途中諦めて退出した覚えが有ります。
今回は出展作品総数約140点。殆ど見た事がある作品計りであるのも幸いして、疲労度は軽めでした。

開館1周年記念展「ガレとジャポニスム」詳細はコチラ。↓
http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/08vol02galle/index.html



疲弊した眼を癒すべく、何故かその足でミッドタウン内「とらや」さんへ。
羊羹でも食して糖分を補給しよう、と云うのでは有馬線。
併設されているミニギャラリーで、弊亭壁紙でもお世話になっている「唐長」さんの催しが行われているのです。

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六坪程の小さな展示場は暗幕に覆われ、春市松の唐紙板を背景に桜行灯が心地良い陰翳美を醸し出していました。
因みに唐紙行灯には「白金」が使用されているとの事、「雲母」と比べ光沢具合が微妙に違います。

0203021_013_3桜灯りの下元は一面水が張られています。
漆黒の中には倒影する朧行灯。

「奥行き」「湿り気」「ゆらぎ」…。
現代日本家屋に於いて絶滅寸前な「和の様式美」を伺える展示会でした。



「唐紙の美 唐長展 ~陰影のゆらぎ~」詳細は下記にて。↓
http://karacho.exblog.jp/7461247/

弊亭の「唐長」室礼はコチラ。↓
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/06/15_550a.html

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2008.01.28

●「モーゼル」 届きました(第三弾)

先週木曜日のネタ明かし。

昨年はモーゼル社創立150周年でした。
と云う訳にて、亦もハコ物グラスコレクションを購入。
今回は150周年アニバーサリーエディション、オールドファッション六客にて。
写真では解りにくいですか、惚れ惚れするようなプラチナ彩です。

 M_002 M_003_5

七月にオールドファッションセット、十一月にリキュールセットを入手したのですが、決して物欲に身を任せたのではありません。同社150周年の記念として購入したものです。
断じて散財したのではありません。多分…。

そろそろ是位にしておこうかと。

「MOSER」関連過去ログはコチラ。↓
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/12/post_4a26.html
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/07/post_afef.html
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/07/post_881c.html
http://bamboo-bar.air-nifty.com/blog/2007/07/post_79bc.html

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