●2017/18.四十三滑目「白馬五竜」
えー、約二ヶ月半の冬季雪山就労日誌、53日目。
本日はオシゴトオヤスミの私め。
例に由って朝イチからゲレンデイン、そして例に由っての悪天候。
今日が今冬14回目のオフ日なのですが、快晴のスキー日和に当たったのはたったの2回だけで御座います。
まぁ直近の天候推移と前日の予報で覚悟はしていたものの…。
「今シーズンは本当に天気運が無い」
そんな訳での三連休最終日、滑走記リポになりまする。
【写真上】6:40、「夜の底」も「夜の空」も真っ白。
昨夜から降り続く雪は、今朝になっても衰え知らず。
有明の白馬を白一色に染め上げていました。
板をゴンドラ駅舎の最前列にデポして、サンライズ営業に向かいます。
【写真上】Y85。
・STOCKLI/Y85(177㎝) R/15.6m SC/136-85-110
500マイルさんからの調達シリーズ、その3。
今回はスイスの誇るハンドメイドスキー、ストックリのYシェイプ板。
ストックリは過去試乗会で難度も乗り、甚だ好印象のブランド。
特に「Non-FISのSL」と「LASER-SC」は、何度も購入を検討した程でした。
そんな訳で今朝のサンライズは試運転兼ねての慣らし滑。
「ウキウキ」「ワクワク」と心躍らせてのアクティビティスタートです。
【写真上】6:45、しかし全~く板の走らないとおみゲレンデ。
モサッとした湿雪が15㎝程積もった緩斜面、しかも向かい風。
雪と風の抵抗が大きく、トップからボトムまでずーっと低速運転です。
結局良いフィーリングは掴めず終い、5本回して朝食に向かいました。
【写真上】8:20、今朝のオープニングはいいもりから。
昨夜から今朝に掛けての大雪で、山頂エリアは40㎝オーバーの積雪。
テストスキー以上にゲレンデ整備(特に索道)の時間が掛かりそうです。
「そっち系」の人に話を聞くと「早くて9時、遅くて9時半のキャビン運行開始」との事。
と云う訳で駅舎にデポしていた板を回収、9時まではコス4で回す事に致しました。
【写真上】コス4大町側。
ピステ上に約15㎝の湿新雪、モサグサになるまでの3本は結構楽しめました。
【写真上】コス4小谷側。
こっちは大町側よりやや深め、非圧雪上に約20㎝の新雪。
しかし下地の硬コブをリセットする程の堆雪では無く、岩塊の様な底付きが「ガッコンガッコン」。
新雪の浮遊感より突き上げダメージの方が大きく、一本回して止めときました。
【写真上】で、こんな方々が続出。
ストックをゾンデ棒代わりに「消えた板」を探す人々。
新雪が20㎝も積もればスキーを失くす事は簡単、そしてスキーにはビーコンが付いて無いのでして…。
9時前になるとゴンドラ搬器が流れ出したのでキャビン駅舎に戻りました、が…。
【写真上】うひゃー、長蛇の列。
「うーん、デポ板回収したのは失敗だった…」。
キャビンが営業開始した9時15分には、300名以上の行列となってました。
【写真上】テレキャビンより、満開の六花とガスの空。
これだとグランプリは「ホワイトアウト」確定かな…。
【写真上】と思ってたら、意外とそうでも無し。
クリアな視界とは参りませんが、ソコソコ可視の利く薄靄コンディション。
まぁこれだったら充分回せます。
で、今日のモーニンググランプリは予想通りの「雪宴」が開かれておりました。
【写真上】パウ祭り、絶賛開催中っ!!!。
今朝のアルプス平は非圧雪部で約40㎝、圧雪部でも15㎝強の新雪堆積。
ゲレンデサイドをメインに、コース全域がパウ祭り会場となっていました。
但しハイシーズンとしてはウェットなスノーコンディション。
トラックが次々と刻まれるのに従い、スキーの抜け/走りの悪いモサ雪化。
コースのあちこちでこんな光景↓を目にしました。
【写真上】歩く人たち( ;∀;)…
スプレー上げて疾走するパウキチたちの傍らで、その何十倍もの方々がディープスノーに苦しんでいました。
まぁ板を失くさない限り、コレはコレで楽しそうでしたけどね。
そんな訳での「新雪明暗」「悲喜交々」なゲレンデ風景。
尚、本日で五竜アルプス平の積雪量はジャスト4m、4年振りの大台に達しました。
【写真上】とおみゲレンデ並みの大混雑。
ゴンドラ営業開始が1時間遅れた事もあり、300人以上の行列ゲストが一挙登上。
視界不良と強い冷え込みにも関わらず、多くの滑走者で賑わっていました。
【写真上】あと心配なのは「招かざる客」。
折角の三連休ウィークエンド、「深雪祭り」は兎も角として「ガス祭り」と「暴風祭り」は避けて欲しいもの。
時折横殴りの風が吹き、薄いガス帯がゲレンデを覆うものの、午前中に限ってはリフト運行や滑走の妨げにはならないレベルのものでした。
【写真上】で、この子のインプレですが…。
1本目のフィーリングが、ラディウス以上に真っ直ぐ走る感覚。
悪い云い方をすると「ターンのきっかけが掴みにくい」。
ずーっと小回り機ばっかり乗っているスキーヤーからすると乗り味が異質、本数を重ねるに従い何となく板の特性が掴めてきました。
ポジションは明らかに後ろ、スポットはヒールビンディングの前後15㎝。
スタンスは気持ち狭め~クローズスタンスが適正。
トップからしっかり雪面を捉えていくのではなく、ターン前半はルーズに真っ直ぐ目。
スキッド中心でサイドカーブなりに走らせて、ターン後半のステアリングでスキーをコントロールしていく乗り方がしっくりきました。
Yシェイプの構造上、吹き溜まりを突っ切っていく直進性は良好です。
しかし想像していた以上に雪面のノイズを拾い、挙動もやや落ち着き無い。
センター100前後の太板に較べると、浮力と軽さを生かして新雪をいなしてくれる軽快さも薄いです。
まぁ今日が完全な「深雪=ファット日」でしたので、この板の性能がベストに発揮できるコンディションでは無かったのかも知れません。
個人的な感想としてはこれ一本で「圧雪/非圧雪」「軽雪/湿雪/春悪雪」「グルーミング/コースサイド」を網羅するコンセプトの、オールマイティなクルージング板。
但しその全てに中途半端な印象も受けました。
と、残念ながら個人的には合わない板。
過去乗った事のある「SL」「SC」の高評価から「ストックリ」ブランドに過剰な期待をしていたのは事実。
この点は多少は割り引いて考える必要もありますが。
【写真上】ダイナミックも「ダイナミックな混雑具合」。
斜度的にはパウ滑に丁度良い急斜面も、下山ルートが故に慢性的な交通渋滞。
中速域以上のスピードでは、滑るラインが取れませんでした。
【写真上】とおみゲレンデに関しては、これがデフォな風景。
但し昨日(日曜日)の方が、もっと酷い混み方でしたけどね。
と、折角のオフ日でしたが「湿重雪」「視界不良」「激混み」に加え「強い冷え込み」と「スキーの選択ミス」。
あまりテンション上がらず終いの一日で、11時前にゲレンデを後に致しました。
おしまい。